主著解題とは? わかりやすく解説

主著解題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 01:11 UTC 版)

平田篤胤」の記事における「主著解題」の解説

『新鬼神論』(のち『鬼神新論』として刊行1805年文化2年完成1820年文政3年)に刊行。この書名新井白石の『鬼神論』を意識したもので、新井白石荻生徂徠伊藤仁斎など儒者の「鬼神論」を論じたもの。神霊実在を、内外古典照らして主張した。 『本教外篇』(『本教鞭策』) 1806年文化3年成稿2巻。5部構成キリスト教いくつかの教典艾儒略ジュリオ・アレーニ)『三山論学紀』、利瑪竇マテオ・リッチ)『畸人十編』、龐廸我(ディエゴ・デ・パントーハ)『七克』)を翻訳したもの。直訳ではなく、自らの思想合わせるように多少改変している。第5部については、パントーハの『七克』のほとんど全部訓点付けたもので「山上の垂訓」など、多く聖書の句がおさめられている。研究ノート的な位置付け考えられており、篤胤は公表しなかった。その事により後世まで残存したのかとも思料される。 『古史成文代表的著書未完1811年文化8年)に初稿ができ、刊行1818年文政元年)。全15巻予定のうち、3巻神代上中下)が刊行『古事記』『日本書紀』をはじめ、『古語拾遺』や『風土記』などの古典伝え神話取捨選択し、篤胤独自の価値観基づいて主観的に再構成したもの推古天皇の代まで書かれる予定だった。草稿として7巻分(神功皇后まで)までが残っている。 『古史徴代表的著書1811年文化8年)に草稿がなる。刊行1819年文政2年)。全4巻1巻は「開題記」「春」「夏」「秋」「冬」と銘打たれ論考収録。「開題記」は特に『古史徴開題記』としても知られる。「春」には神代文字に関する論考がある。2-4巻は、『古史成文』の編集根拠挙げられている。祝詞重視していること、記紀のような古典だけでなく後世諸書活用していること、異神同一神説が多いことなどが特徴として挙げられる。 『霊能真柱』(たま の みはしら) 代表的著書1812年文化9年成稿1813年文化10年刊行人間死後の魂の行方論じた書物これをもって篤胤の学問成立とする。服部中庸の『三大考』の影響受けて同書ならって世界成立の過程を図をまじえながら解説する天動説地動説考慮している。先妻織瀬の死んだ年に完成。この書が出て以降復古神道死後の世界への関心が高まる。現代神道系諸宗教に与えた影響計り知れない。 『古道大意上下2巻1811年文化8年)に刊行記紀神話による古道理論的体系的に解説地動説天体論を唱え産霊神最高位の神として神話真実性説く。 『古史伝代表的著書1812年文化9年起稿。全37巻本居宣長の『古事記伝』の形式ならって自著古史成文』を一段ずつ自ら注釈している。1814年文化11年)に8巻まで刊行生前28巻が刊行される全巻刊行1911年明治44年)で、平田鐵胤依頼矢野玄道が篤胤の残した草稿仕上げた。 『仙境異聞代表的著書。全2巻1822年文政5年刊行神仙界を訪れ呪術身に付けたという寅吉からの聞書きをまとめたものである寅吉7歳のときに杉山僧正伴われて、常陸岩間山に行き修行して幽冥界行き外国廻った主張し呪術操って江戸で評判となった。このことを聞いた篤胤は最初に寅吉保護していた山崎美成のもとから半ば強引に自分の家に連れてきて数年間住まわせた。篤胤は神仙界に住むものたち衣食住祭祀修行医療呪術などについて、くまなく質問をして、その内容をこの本に収めた当時この本は平田家では門外不出厳禁本であり高弟でも閲覧許されないといわれていた。 以前から異境隠れ里興味抱いていた篤胤は、寅吉の話により、幽冥界存在確信した。篤胤は寅吉説得して幽冥界寅吉見た師仙の神姿を絵師に描かせ、その絵を家宝として大事にした。寅吉幽界帰る際には、杉山僧正が住むという信濃国浅間山隠れ里山神に対して、篤胤がしたためた手紙自著霊能真柱』、神代文字への質疑文を、寅吉託して献上したという。同書には、これら一切経緯山神寅吉手向け和歌なども収められている。山神の図は現在東京代々木平田神社大切に保管され滋賀県大津市近江神宮定例山神祭で祭られている。 『勝五郎再生記聞代表的著書1822年文政5年刊行。死の世界から蘇った少年のことを取材してまとめたもの。多摩郡中野村(現:東京都八王子市東中野)の百姓源蔵次男勝五郎9歳)が、自分多摩郡窪村(現:東京都日野市程久保)の百姓久兵衛息子勝蔵生まれ変わりであるといった。1810年文化7年)に6歳死んだが、幽冥界産土神である熊野権現日野市南平8丁目熊野神社か。)に会って、今の家に再生したと彼は言う。篤胤はその再生大国主幽冥事を分掌している産土神計らいだと解釈した。 『稲生物怪録』(いのう もののけ ろく) 全4巻1806年文化3年)に刊行稲生武太夫もののけ退治する絵巻物。篤胤の著作ではなく4つ異本から校訂した。序文を記す。 『古今妖魅考』 全7巻。1821年文政4年)に刊行。『本朝神社考』の中の天狗に関する考察共鳴して執筆した天堂地獄幻想に過ぎないことを説いた

※この「主著解題」の解説は、「平田篤胤」の解説の一部です。
「主著解題」を含む「平田篤胤」の記事については、「平田篤胤」の概要を参照ください。

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