産土神とは? わかりやすく解説

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うぶすな‐がみ【産土神】


産土神

読み方:ウブスナ(ubusuna)

人の生まれた土地


産土神

読み方:ウブスナガミ(ubusunagami)

生れ土地守護神鎮守神


うぶすながみ 【産土神】

日本生まれた土地守り神で、氏神鎮守の神をいう。

産土神(うぶすながみ)

自分生まれた土地守護する神のことで、その地に生まれた人を産子ウブコ)という。産土とは、生まれた土地本拠の意味氏族通じて結びつく神社人との関係氏神氏子であり、土地媒介として結びつくのが産土神である。

産土神

読み方:ウブスナガミ(ubusunagami)

正称 河内神社

教団 神社本庁

所在 山形県東田川郡朝日村

祭神 積羽八重事代主命 ほか


産土神

読み方:ウブスナガミ(ubusunagami)

正称 古宮八幡神社

教団 神社本庁

所在 福岡県田川郡香春町

祭神 豊比咩命 ほか

神社名辞典では1989年7月時点の情報を掲載しています。

産土神

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/30 08:45 UTC 版)

産土神(うぶすながみ、うぶしなのかみ、うぶのかみ)は、神道日本の神の区分のひとつで、その者が生まれた土地の守護神を指す[1][2]。単に産土ともいう[3]氏神鎮守神と同一視されることが多い[3]

その者を生まれる前から死んだ後まで守護する神とされており、他所に移住しても一生を通じ守護してくれると信じられている[1]。産土神への信仰を産土信仰という[3]

語源

「ウブスナ」の表記は、産土のほかに本居[注 1]、産生、生土、産須那などがあり、その者の生まれた土地を意味する[2][3]。その語源には複数の説がある:

  1. 「産砂」の意で、梅宮大社の砂を出産の御守とすることによる説[2]
  2. 「産住場(ウブスニハ)」の転訛であり、産まれ住む場所とする説[2][3]
  3. 「産為根(ウブスネ)」の転訛であり、全ての産を司る根本の神であるとする説[2]
  4. 出産を意味する動詞「ウブス」に、土地を表す「ナ」[注 2]が付加されたものとする説[3][4]

「産土神」の表記の初出は室町時代の『塵添壒嚢鈔』であるが[2][3]、すでに平安期の『延喜式』に尾張国宇夫須那神社[4][注 3]、『三代実録』に宇夫志那神(現称宇夫階神社[2]、『今昔物語集』には「産神」の語がそれぞれ見える[3]

産土神を祀る神社を産土社や産社、産宮と呼び[2]、その崇敬者を産子(ウブコ)と称するが[3]、後世に氏神と混同され氏子とも呼ばれる[2]

信仰

氏神氏子の関係が血縁を基に成立するのに対し、産土神は地縁による信仰意識に基づく[4]。従ってその意識が強く表れるのは都市である。例えば京都では同族集団の結束が弱まり、地縁による共同体意識が形成されると共に、中世には稲荷神社御霊神社賀茂神社北野神社などの有力な神社を中心に産土神を基にした産子区域の観念が発達した[要出典]。そして産土詣での語が一般に使われるようになり、生まれた子の初宮参りをはじめ、成年式七五三等に産土詣でをする風習が盛んになった[3][4]。また、江戸では日枝山王徳川氏の産土神とされ、その祭礼は盛大を極めた[5]

産土神は安産の神である産神とも関連がある。後世に全国的に同族神としての氏神信仰が衰え、あらたに起こった産土神の信仰に吸収されていく傾向が多くみられる。近代では氏子制度が整備されたために氏神・氏子が一般的となり[3]、現代では産土神と氏神は混同され、同一視されることが多い[6]

脚注

注釈

  1. ^ 日本書紀 推古天皇三十二年十月条に見える[3]
  2. ^ 『書紀伝』に「其住着ける地を名といへり」とある[3]
  3. ^ 塵添壒嚢鈔』に「尾張国風土記に云、尾州葉栗郡若栗郷宇夫須那の社あり。廬入姫誕生産屋の地なり。故に此号ありと」とある[2]

出典

  1. ^ a b 必携日本史用語
  2. ^ a b c d e f g h i j 産土神」『神道大辞典』 1巻、平凡社、193頁https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/19133332024年12月30日閲覧 
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m 薗田稔産土神」『世界史大百科』https://kotobank.jp/word/%E7%94%A3%E5%9C%9F%E7%A5%9E 
  4. ^ a b c d 産土神」『山川日本史小辞典』https://kotobank.jp/word/%E7%94%A3%E5%9C%9F%E7%A5%9E 
  5. ^ 日枝神社について”. 日枝神社. 2024年12月30日閲覧。
  6. ^ 氏神さまについて | よくある質問”. 神社本庁. 2024年12月30日閲覧。

参考文献

関連項目


産土神

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/20 19:16 UTC 版)

神理教」の記事における「産土神」の解説

産土神(うぶすながみ)の考察である『産須根神考』では、産須根とは人が生まれた根であり、氏神であり氏の神であり、産土であるから地主神でもあり、さかのぼれば神の氏であるから、それが一家の氏となり地名の氏となったものもある。現在では、なになに八幡とかなになに天神、あるいは地名をつけているけれどもとはその氏神の古い呼称であるから、産土神として奉るのがいいと説かれていく。

※この「産土神」の解説は、「神理教」の解説の一部です。
「産土神」を含む「神理教」の記事については、「神理教」の概要を参照ください。

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