ブームの収束
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 02:54 UTC 版)
2007年、『たまごっちカップ』の後継である『たまごっちコンテスト』は、『オシャレ魔女♥ラブandベリー』や『きらりん☆レボリューション ハッピーアイドルライフ→クルキラアイドルDays』など他社のゲーム機に押されて売り上げ不振が続いていた。同年秋、一部の筐体は『Yes!プリキュア5』をキャラクターとして起用した『うたって!プリキュアドリームライブ 〜スピッチュカードでメタモルフォーゼ!?〜』に置き換えられ、残った筐体は『たまごっちとふしぎな絵本』にリニューアルされたが、稼働不振は止まらず、2009年2月から3月に男児向けの『仮面ライダーバトル ガンバライド』や『大怪獣バトル ULTRA MONSTERS』に置き換えられる形で稼働終了した。
※この「ブームの収束」の解説は、「たまごっち」の解説の一部です。
「ブームの収束」を含む「たまごっち」の記事については、「たまごっち」の概要を参照ください。
ブームの収束
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 06:34 UTC 版)
図9:女装/男の娘とショタ系書籍の刊行点数の推移 成年 女装/男の娘、 非成年 女装/男の娘、 ショタ 図10:女装少年/男の娘アダルトゲーム発売本数の推移 吉本の調査、 椿の調査 図11:コミケでの出展サークル数の推移 男の娘、 女装、 ふたなり 2015年現在[update]、「男の娘」ブームは全体として収束状態にあり、井戸は「低空飛行で安定」したと表現している。来栖は、「現在、「男の娘」というワードに、数年前まで確かにあった魔法のようなものは消えてしまったかもしれない」と述べている。 2013年5月に専門誌の『おと☆娘』が休刊に追い込まれると、その9か月後の2014年2月には『わぁい!』も休刊を表明する。椿は、少ないパイをおそらく奪い合った結果、売り上げが低迷したことを大きな要因として指摘している。井戸は2誌から「これ!という作品が生まれなかった」ためだと述べている。2誌で連載されていた漫画作品のうち、『ひめゴト』だけが他誌に移籍して連載を続けていたが、それも2015年7月の第6巻が最終巻となった。 成年マークのつかない「男の娘」コミックの刊行点数は2012年にピークを迎えたが、2014年に大きく減少した。吉本によれば、これは専門2誌が休刊し、アンソロジーも終了したため、作品の供給自体がなくなったためである。吉本は2015年の時点で、非成年コミックのブームは終了に向かっていると判断している。ただし、 成年コミックでは非成年での供給減少を補うような形で継続しているとの見方を示している(図9)。 アダルトゲーム業界では『おとボク』がヒットした直後の2005年の時点で、以下のようにブームの早期終焉を危惧する声が上がっていた。彼佐などは「女装」と「美少年」以外の新たな要素が必要になってくるだろうと警句を発していた。 あとは企画力の勝負になると思うんですよね。例えば主人公の立場をどこに置くか、とか。ぶっちゃけ、大概どれも学園ものじゃないですか。既存の学園ものに、主人公の立場だけを単純に変えて、その女学園に放り込む、みたいな。そういうパターンを今後はもう少し変えていかないと、あっという間に飽和しちゃいますよ。 — ミスターX、空想女装少年コレクション, p. 81 結局、2015年になり、アダルトゲームでは明らかにブームが終了に向かっていると吉本は結論した(図10)。『はぴねす!』を企画した「ちゃとら」は、準以降、女装キャラクターが必然性なく登場することが増えたと不満を語っていた。『女装山脈』などのディレクションを手掛けた西田一は、「非常に残念なことですが、男の娘が美少女ゲームの一ジャンルを築くことはついぞありませんでした」と述べ、受け皿の少なさから一過性のものに終わったとの認識を示している。 椿は、「《男の娘》が有名になり、大量のシミュラークルが市場に投下され続けた」結果、オタクたちが単純に「飽きた」という可能性を指摘している。井戸は、ブームのころに面白いコンテンツがあまり出てこなかったと述べている。来栖は粗製濫造により全体の質が悪化したと分析する。作品数が増え、「男の娘」の意味するところが属性の一部にまで拡大した結果、「「女のキャラがただ男と言ってるだけ」というものに代表される、表層的に記号化され、物語も魅力も薄っぺらい平坦なキャラクター」が多くなり、制作者・ユーザーの双方が飽きてしまったのだという。 吉本は、二次元表現における爆発的なブームは全体としては過ぎたとの見解を示しているが、成年コミック(図9)とコミックマーケットにおける増加傾向(図11)から、「男の娘」を性的に愛好する動きは2015年の時点において継続していると分析しており、以降は安定していくと予想している。成年向け漫画の一般として、「一度生まれたモード、スタイル、テーマ、モチーフ、趣味趣向、傾向は盛衰があっても決してなくなら」(永山 2014, p. 96)ず、その需要は存在し続けるのである。 2013年10月にパーソナリティであった桜塚が事故死したため、『男の娘☆ちゃんねる』は2014年1月に名称を『Trance Japan TV』と改め、トラニーチェイサー(トランスジェンダー愛好者のこと)番組として再スタートを切った。『オトコノコ時代』は10号で終了となった。「プロパガンダ」も2016年3月に9年間の歴史に幕を下ろした。ブームのうち特に旧来の女装界隈が主体となっていたものについて、井戸は、報道と実情の乖離を肌で感じていたとし、次のように振り返っている。 メディアってフィードバックがあるから、テレビでやってると「あ、女装流行ってるんだ、私たちめっちゃ来てるじゃん!」って感じになる人もいたから〔……〕。むしろ、ブームって言われてた頃に店舗がどんどん減っていったからね。 — 井戸 2020, p. 42 吉本は、しかし、三次元の「男の娘」は定着した印象があると述べている。椿も、「NEWTYPE」が2015年時点で依然定期的にメディアで取り上げられていることなどを挙げ、「〔男の娘という〕存在の特異さにすっかり慣れてしまったのが、この2015年なのではないだろうか」と語っている。 ブームが収束したことに関し、来栖は、「男の娘」的な文化はこれまでもおよそ10年おきに何度か発生し、その都度消えていったとし(表3)、再来の可能性は充分にあると主張している。三橋も、繰り返されてきた流行現象の「21世紀リニューアル・バージョン」が「男の娘」であると語っている。井戸は、ブームが再来する可能性はないと見ているが、来栖・三橋らと同様に同じものが形を変えて反復しているという認識は持っており、「男の娘」的なものは今後も存在し続けると推測している。吉本は、今後再びブームになる可能性があるとすれば、ショタが「男の娘」に変化したように、別の要素が加わることでまた新たな性的愛好の対象が作られたときであろうと予想している。
※この「ブームの収束」の解説は、「男の娘」の解説の一部です。
「ブームの収束」を含む「男の娘」の記事については、「男の娘」の概要を参照ください。
- ブームの収束のページへのリンク