ブームの後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 16:16 UTC 版)
ボクシングブームが終わると、キー局の世界戦以外のボクシング中継が1973年以降軒並み深夜枠へ移り、月1、2回あるいは隔月に縮小される。その中でも東京12チャンネル(1981年10月よりテレビ東京)は隔月ながらゴールデンタイムの定期放送を実施。1972年以降より海外のビッグマッチも中継した。世界戦は相変わらずの高視聴率を維持していたが、その中心となっていた具志堅用高が引退すると下降線を辿り、昼間や夕方などのノンプライムでの放送も目立つようになる。その後も1988年1月17日の六車卓也以降の日本人世界タイトル挑戦21連続失敗をきっかけに人気低迷に拍車がかかり、さらにK-1などの新興格闘技の台頭により中継本数が減少、ついに1991年2月3日に畑中清詞が世界王座を奪取した試合は地元のCBCテレビでは生中継されたものの、キー局であるTBSではネット中継されず抗議が集中、後日『ガッツファイティング』枠で録画放送されるという事態になった。この畑中戦は在京キー局で生中継されなかった世界戦として初のケースとなった。 地上波放送はさらに縮小し、まずフジテレビが1992年11月20日のWBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ、ヘナロ・エルナンデス対渡辺雄二戦を最後にゴールデンタイムでの中継を一旦終了させ、ゴールデンタイムでは20年あまりボクシング中継を行わなかった。その後テレビ朝日が2003年を最後にボクシング中継そのものから撤退。テレビ東京も2017年を最後にボクシング中継そのものから撤退した。日本テレビもゴールデンタイムにおけるボクシング中継を2018年3月1日のルイス・ネリ対山中慎介のWBC世界バンタム級タイトルマッチを最後に行っておらず、月に1回の深夜枠で放送していた『ダイナミックグローブ』も2009年限りで地上波から撤退している。 2019年11月7日に開催されたWBSSバンタム級決勝(井上尚弥対ノニト・ドネア)は、BS8KではあるがNHKで中継され、ボクシングの試合が57年ぶりにNHKで放送されることになった。井上や試合への社会的関心に加えて、低迷している8K放送対応テレビなどの普及促進が背景にあったという。また、同年12月23日に開催されたWBA世界ミドル級タイトルマッチ(村田諒太対スティーブン・バトラー)も同チャンネルで放送された。
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