ブームの残した物と現在のクワガタ飼育
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「クワガタブーム」の記事における「ブームの残した物と現在のクワガタ飼育」の解説
かつては入手が困難だからこそ欲しくなるという欲望があり、メディアがそれに追従してイベント等を催しブームをさらに盛り上げるという構図であったが、今では一部種を除き入手が容易になったことで希少価値が下がり価格も急落した。これにより新規参入業者の撤退も相次ぎ市場規模は縮小したが趣味としてのクワガタ飼育は多くの昆虫愛好家に浸透し、一般にも認知されることとなった。 その一方、「天然物」のオオクワガタを求めるファンが有名な一部生息地に殺到、またかつては採集者が少なかった為大きな影響は与えていなかった「材割り採集法」もブームが訪れるとマナーを守らない乱獲者により過剰に行われたため自然下での幼虫の生育環境が激減、過剰な採集圧に開発等も重なり生息域はどんどん狭められており、2007年には環境省レッドリストにおいて準絶滅危惧から絶滅危惧II類に引き上げられた。また各都道府県においても絶滅寸前種や絶滅危惧種IA類、要注目種に指定されている。 また「脱走」や「飼育に飽きた」、または「ショップの過剰在庫」等の理由により外来種や本来の生息域ではない地域への放虫も問題となっており、外来種との交雑による遺伝子汚染、偏在する生息地域による亜種以下の個体の遺伝形質の変異等にも混乱が生じており、問題となっている。この問題を受け環境省では2005年にクワガタムシを含む148種を要注意外来生物リストとして公表、「外来カブトムシ・クワガタムシ 逃がさないで・捨てないで」緊急キャンペーンを行い小池百合子環境大臣(当時)が専門店、ホームセンター、スーパー及び百貨店を訪問して遺棄防止を呼びかけるポスターの掲示依頼及び購入者に対する普及啓発を呼びかけた。
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