環境省レッドリスト
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1991年版(1回目) 環境庁(当時・環境省)は、1986年度から「緊急に保護を要する動植物の種の選定調査」を実施し、その結果を『日本の絶滅のおそれのある野生生物-脊椎動物編』、『同-無脊椎動物編』(通称『レッドデータブック』)として取りまとめ、1991年5月に脊椎動物編を10月に無脊椎動物編を発行した。最初の環境省版レッドリストは、レッドデータブックという形態で、動物についてのみ取り扱っていた。 1997-2000年版(2回目) 1994年に、IUCNで上記の新しいカテゴリーが採択された。そこで環境庁でも、1995年より、新しい基準とカテゴリーを適用する形でレッドリストの見直し作業を開始することとなった。この際に、生息状況や生息環境の変化に関するその後の知見等も取り入れることとした。しかし純粋に定量化されたIUCNのカテゴリーをそのまま導入するには種ごとの国内の知見に限界もあることから、定性的要件と定量的要件を併用したカテゴリーとされた。 初版レッドデータブックの作成時と違い、この見直し作業は各分類群(哺乳類、鳥類など)ごとに分割して行われた。まず1997年8月に「爬虫類・両生類」のレッドリストが公表されたのを皮切りに、同月に「植物I(維管束植物)」、「植物II(維管束植物以外)」、翌1998年6月に「哺乳類」「鳥類」、1999年2月に「汽水・淡水魚類」のレッドリストが続き、2000年4月の「昆虫類」「その他の無脊椎動物」の公表をもって、全分類群のレッドリストが完成した。 その後、2006年8月までに「その他の無脊椎動物」を基にしたレッドデータブック(「陸・淡水産貝類(2005年)」及び「クモ形類・甲殻類等(2006年)」)が出版され、それぞれのレッドリストを元にした改訂版レッドデータブックは全て完成した。 2006-2007年版(3回目) 2006年12月22日に「鳥類」、「爬虫類」、「両生類」及び「その他無脊椎動物」の新レッドリストが、2007年8月3日に「哺乳類」、「汽水・淡水魚類」、「昆虫類」、「貝類」、「植物I(維管束植物)」及び「植物II(維管束植物以外)」の新レッドリストが公表された。これで全10分類群の見直し作業が終了した。その結果、絶滅のおそれのある種としてレッドリストに掲載された種の数は、全10分類群合計で2,694種(旧リスト)から3,155種(新リスト)となった。 2012-2013年版(4回目) 2012年8月28日に「哺乳類」「鳥類」「爬虫類」「両生類」「昆虫類」「貝類」「その他無脊椎動物」「植物I(維管束植物)」「植物II(維管束植物以外)」、2013年2月1日に「汽水・淡水魚類」のレッドリストが公表された。絶滅のおそれのある種は全10分類群合計で3,597種であり、2006-2007年版と比較して442種増加した。 2015年版 2015年9月15日に「環境省レッドリスト2015」が公表された。2012-2013年版で絶滅危惧II類(VU)だったゼニガタアザラシが準絶滅危惧(NT)と再評価されたため、絶滅のおそれのある種は全10分類群合計で3,596種となった。 2017年版 2017年3月31日に「環境省レッドリスト2017」が公表された。絶滅のおそれのある種は13分類群合計で3,634種となり、2015年版と比較して38種増加した。追加されたのは、絶滅したと見なされていたが宮崎県の川南湿原で自生が確認されたヒュウガホシクサ、対馬固有種のツシマウラボシシジミ、八重山諸島のヤエヤマイシガメ、小笠原諸島のオガサワラクロベンケイガニ。 2018年版 2018年5月22日に「環境省レッドリスト2018」が公表された。絶滅のおそれのある種は13分類群合計で3,675種となり、2017年版と比較して41種増加した。 2019年版 2019年1月24日に「環境省レッドリスト2019」が公表された。これまで野生絶滅(EW)と評価されていたトキが絶滅危惧IA類(CR)と再評価されたことで、絶滅のおそれのある種は13分類群合計で3,676種となり、2018年版と比較して1種増加した。 2020年版 2020年3月27日に「環境省レッドリスト2020」が公表された。絶滅のおそれのある種は13分類群合計で3,716種となり、2019年版と比較して40種増加した。 海洋生物版 2017年3月17日に海洋生物レッドリストを公表した。魚類や珊瑚、甲殻類など5分類の約1万120種について調査(水産庁所管の食用魚は対象外)。オガサワラサンゴを絶滅と判断したほか、シロワニなど56種を絶滅危惧種とした。 環境省版レッドリストの公表年月日 分類群1991年版1997-2000年版2006-2007年版2012-2013年版備考動物 哺乳類 1991年5月 1998年6月12日 2007年8月3日 2012年8月28日 - 鳥類 2006年12月22日 爬虫類 1997年8月7日 両生類 汽水・淡水魚類 1999年2月18日 2007年8月3日 2013年2月1日 1999年公表のリストの名称は「魚類」。 昆虫類 1991年10月 2000年4月12日 2012年8月28日 - 貝類 2000年公表のリストの名称は「陸・淡水産貝類」。 その他無脊椎動物 2006年12月22日 2000年公表のリストでは「クモ形類・多足類等」と「甲殻類等」に分かれていた。 植物 植物I(維管束植物) - 1997年8月28日 2007年8月3日 2012年8月28日 植物II(維管束植物以外) 藻類、蘚苔類、地衣類、菌類が対象 各環境省レッドリストへのリンク 環境省報道発表資料 『両生類・爬虫類のレッドリストの見直しについて』、1997年8月7日。 環境省報道発表資料 『植物版レッドリストの作成について』、1997年8月28日。 環境省報道発表資料 『哺乳類及び鳥類のレッドリストの見直しについて』、1998年6月12日。 環境省報道発表資料 『汽水・淡水魚類のレッドリストの見直しについて』、1999年2月18日。 環境省報道発表資料 『無脊椎動物(昆虫類、貝類、クモ類、甲殻類等)のレッドリストの見直しについて』、2000年4月12日。 環境省報道発表資料 『鳥類、爬虫類、両生類及びその他無脊椎動物のレッドリストの見直しについて』、2006年12月22日。 環境省報道発表資料 『哺乳類、汽水・淡水魚類、昆虫類、貝類、植物I及び植物IIのレッドリストの見直しについて』、2007年8月3日。 環境省報道発表資料 『レッドリストの修正について』、2007年10月5日。 環境省報道発表資料 『環境省 第4次レッドリストの公表について(汽水・淡水魚類を除く9分類群)』、2012年8月28日。 環境省報道発表資料 『環境省 第4次レッドリストの公表について(汽水・淡水魚類)』、2013年2月1日。 環境省報道発表資料 『環境省レッドリスト2015の公表について』、2015年9月15日。 環境省報道発表資料 『環境省版海洋生物レッドリストの公表について』、2017年3月17日。 環境省報道発表資料 『環境省レッドリスト2017の公表について』、2017年3月31日。 環境省報道発表資料 『環境省レッドリスト2018の公表について』、2018年5月22日。 環境省報道発表資料 『環境省レッドリスト2019の公表について』、2019年1月24日。 環境省報道発表資料 『環境省レッドリスト2020の公表について』、2020年3月27日。 掲載種のリスト 哺乳類レッドリスト 鳥類レッドリスト 両生類・爬虫類レッドリスト 汽水・淡水魚類レッドリスト 昆虫類レッドリスト 貝類レッドリスト その他無脊椎動物レッドリスト 維管束植物レッドリスト 植物II(維管束植物以外)レッドリスト
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