環境省の対応
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2014年4月23日に、JR東海はリニア中央新幹線の環境影響評価書を国土交通大臣に送付したが、環境省はこれを審査し、同年6月5日に石原伸晃環境大臣(当時)が意見を太田昭宏国土交通大臣(当時)に提出した。この中では、リニア新幹線計画全体について、「その事業規模の大きさから、本事業の工事及び供用時に生じる環境影響を、最大限、回避、低減するとしても、なお、相当な環境負荷が生じることは否めない」と指摘している。地下水の問題については「本事業のほとんどの区間はトンネルで通過することとなっているが、多くの水系を横切ることとなることから、地下水がトンネル湧水として発生し、地下水位の低下、河川流量の減少及び枯渇を招き、ひいては河川の生態系に不可逆的な影響を与える可能性が高い」とした上で、「水量の変化等、本事業が水資源に影響を及ぼす可能性が確認された場合、応急対策を講じた上で恒久対策を講じること。また、湧水については水質、水量等を管理し、適正に処理すること」が勧告された。また、電力消費の問題については、「本事業の供用時には現時点で約27万 kWと試算される大量のエネルギーを必要としているが、現在我が国が、あらゆる政策手段を講じて地球温暖化対策に取り組んでいる状況下、これほどのエネルギー需要が増加することは看過できない」とした上で、再生可能エネルギーや省エネ設備の導入計画(できる限り定量的な削減目標)を策定し、計画的に温室効果ガス排出を削減することが勧告された。他にも、「南アルプス国立公園及び拡張予定地の影響をできる限り回避すること」や、発生土の抑制・管理計画、大気質、騒音、振動、土壌のモニタリングと措置などの点についても指摘されている。
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