ディジタル集積回路とは? わかりやすく解説

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ディジタル集積回路

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 06:10 UTC 版)

榎本忠儀」の記事における「ディジタル集積回路」の解説

機能プロセッサ スーパーコンピュータ用として世界先駆けて開発したCMOSベクトルパイプラインプロセッサ(Vector Pipelined Processor; VPP)(1991年)、無制限誤り(誤字・脱字)を含む単語検索可能な辞書検索プロセッサ(Dictionary Search Processor; DISP)(1990年)、企業LAN向けた情報検索プロセッサ(1988年)、高基数スケーリング方式採用した浮動小数点除算回路(2003年)、動きベクトル検出プロセッサ(2001年)、平方根回路(2005年)(2006年)、動的電圧周波数スケーリング法(DVFST)を適用した初の動画像符号化プロセッサ(2013年)等、様々な高性能CMOSプロセッサ開発した上記VPPNECのスーパコンピュータSX-4搭載された。SX-4CMOS集積回路採用した初のスーパコンピュータである。世界最大容量(160K bit)の連想メモリ搭載した上記DISPはIEEE(米国電気電子学会) Journal of Solid-State Circuits (JSSC)Best Paper Award受賞した(1992年)。 高速化高性能化技術 回路並列化パイプライン化して高速化する技術として、並列差分絶対値回路(米国特許 第4,849,921号)(1989年)、並列ALU(カナダ 特許第1,257,003号)(1989年)、桁上げの無い冗長二進数演算生かした積和演算回路(米国特許 第4,985,861号)(1991年)、浮動小数点乗算/除算/論理演算器(1991年)、プログラム方式チップ搭載クロックパルス発生回路)(1993年)、ALU高速例外処理手法回路)(1993年)、等の発明がある。回路小型化およびクリティカルパス短縮して高速化する技術として、多入力演算器(特開平10-269197)(1998年)、差分絶対値回路(2001年)、マルチプレクサ(2004年)、等の開発がある。 充放電電流による消費電力削減技術 LSI動作消費電力(Pat)は充放電電流による消費電力(Pcd)と貫通電流による消費電力(Psc)の和である。Pcd論理ゲート(G)クロック周波数(f)電源電圧(V)2乗比例する。fを維持したまま、無条件Pcd削減する第1の手段はGの削減、第2の手段はクリティカルパスゲート段数(g)短縮によるVの降圧、である。CMOS差分絶対値回路2段パイプライン方式導入し累算回路部の1/2(上位ビット部)をカウンタ置換することにより、G、gを大幅に削減した。この結果、f(=220MHz)を維持したまま、Vを73%に降圧できた。従って、Pcd従来形の55.2%に低減された。回路アーキテクチャ信号処理アルゴリズム改良により、G、gを削減したCMOS平方根回路開発した。Vを77%に降圧することができたので、f(=570MHz)を維持したまま、Pat従来の27.1%に削減された。本平方根回路IEEE(米国電気電子学会)ASP-DAC University LSI Design Contest Best Design AwardSpecial Feature Award受賞した(2006年)。 貫通電流による消費電力削減技術 レジスタアレイを駆動するクロックドライバの「電力削減方法」(特開2003-162558)(2003年)を開発した。k段目駆動回路比べ、(k+1)段目負荷回路大きな多段のクロックドライバでは負荷回路流れ貫通電流による消費電力(Psc)が無視できない。1段目プレ回路(1個のインバータ)、2段駆動回路(m個のインバータ)、3段負荷回路(N=m・nインバータ)で構成される3段クロック木を設計試作してPsc最小となる回路構成解析した。Nを固定して、mを増す(nを減少する)と、駆動回路Psc徐々に増し負荷回路Psc急速に減少するプレ回路Psc無視できるほど小さい。一方プレ回路駆動回路Pcd単調増加し、負荷回路Pcdはほぼ一定である。これより、総消費電力(Pat=Pcd+Psc)が最小となるmの値が存在することがわかる。一般的にはPat最小となるmは約Nの平方根(=n)与えられる (特開2003-162558)(2003年)。同様にクロック木の総遅延時間最小となるmもnとほぼ等しく、その値は約Nの平方根である。 リーク電流による消費電力削減技術 スマートフォンタブレット端末機器、等の携帯機器では待ち受け時(待機時)でもリーク電流流れ電力消費する。この電力待機時消費電力(Pst)と呼ぶ。電源を切れば、この問題解決されるが、SRAMDelay Flip-Flop(D-FF)に記憶されデータ消失してしまう。この問題解決するため、待機時のデータ保持リーク電流削減両立できる自己制御電圧レベル変換回路(特開2002-288984)(2002年)を開発した。本回路はSVL(Self-Controllable Voltage Level)回路呼ばれSRAMD-FF動作している時、記憶回路規格電圧(V)加え停止している時、記憶回路にVよりvだけ低い降圧電圧(V-v)を供給する。SVL回路は、Vを供給するpMOSFET(pS)、(V-v)を供給するnMOSFET(nS)、放電用pMOSFET(pSd)で構成される極めて簡単な回路である。記憶回路停止している時、記憶回路のpMOSFETにバックゲートバイアス(v)掛かり(内部電界緩和され)、pMOSFETのしきい値電圧高くなる。この結果、pMOSFETに流れリーク電流減少しPst削減される同時に記憶データ保持される。さらに読み出しマージンおよび書き込みマージン向上するこのように、SVL回路極めて簡単な回路であるが、その効果極めて大きい。 キャッシュメモリ必須SRAMにSVL回路(M-SVL)を適用したワード電位が0となり、SRAM待機(データ保持)状態になると、M-SVLのpSmoffnSmがonとなり、記憶回路(モリセル)に降圧電圧(V-v)が供給される。今、ノードN1 およびN0の電位それぞれ0および(V-v)とすると、U1(pMOSFET)がoffとなる。この時、U1にバックゲートバイアス(v)掛かりU1しきい値電圧高くなるため、U1流れリーク電流減少する。従って、off 状態のU1およびon状態のD1介したリーク電流減少しPst削減される同時に記憶データ保持される。SVL回路適用した改良型SRAMデータ保持マージン従来SRAMの59.5%であったが、リーク電流によるPst大幅に減少し従来SRAMの約1/11 (9.17%)となった改良型SRAM書き込みをしている時、メモリセル降圧電圧(V-v)を、ワード線にVを供給する書き込みマージン大幅に改善され従来型SRAMの1.31倍であった改良型SRAM読み出しをしている時、メモリセルにVを、ワード線に(V-v)を供給する読み出しマージン大幅に改善され従来型SRAMの2.09倍であった。なお、SVL回路面積オーバーヘッド僅かに1.383%である。 パイプラインレジスタやレジスタファイル基本回路であるD-FFにSVL回路適用したD-FF記憶回路(ラッチ)はSRAM記憶回路(モリセル)とほぼ同一回路構成である。D-FF待機(データ保持)している時、SVL回路記憶回路(ラッチ)に降圧電圧(V-v)を供給する。従って、リーク電流によるPst減少し同時にデータ保持される。SVL回路適用した改良型D-FFデータ保持マージン従来D-FF72%であったが、Pst大幅に減少し従来D-FFの約1/7 (14.81%)となった。なお、SVL回路面積オーバーヘッドは11.62%である。 「低リーク電流SRAM」は電子情報通信学会集積回路専門委員会第8回システムLSIワークショップの「ポスター賞」(2004年)を、「自己制御電圧レベル変換回路」は第7回LSI IPデザイン・アワード研究助成賞」(2005年)を受賞した高速GaAs集積回路技術 GaAs MESFET回路基本回路はE/D DCFL(Enhancement/Depletion Direct Coupled FET Logic)回路であるので、動作速度NANDゲートよりNORゲートの方が速い。この特性活かしてNORゲートのみで構成したフリップフロップ(D-FF)(1997年)を開発した。さらに3.2GHz PLLクロック発生器(1994年)を始め、500MHz RISCプロセッサ(1997年)、1.67GHz 加算回路(1999年)、3.5GOPS 動きベクトル検出回路(1999年)、8:1MUX/1:8 DEMUX(20001年)、等の超高速ディジタルLSIアナログ回路である1.54GHz 演算増幅回路(1994年)を開発した待機時のリーク電流削減するため、DC/DCレベル変換回路(1995年)も開発した。これをSRAM(1996年)、レジスタファイル(2000年)に適用した結果待機時のデータ保持と低電力化同時に得られるようになった

※この「ディジタル集積回路」の解説は、「榎本忠儀」の解説の一部です。
「ディジタル集積回路」を含む「榎本忠儀」の記事については、「榎本忠儀」の概要を参照ください。

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