これまでの進展とは? わかりやすく解説

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これまでの進展

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/09 13:55 UTC 版)

国際リニアコライダー」の記事における「これまでの進展」の解説

主線加速器基幹技術超伝導高周波空洞拠ることを決めた2004年研究者国際合意踏まえ2005年加速器設計のための国際協力チーム (GDE) が立ち上げられた。GDEは、ICFA(International Committee for Future Collider - 世界各地の主要加速器研究所所長研究代表者構成される)の下部組織の一として位置づけられており、その統括責任者はICFAのもとの国際リニアコライダー執行推進委員会 (International Linear Collider Steering Committee) に任命された。GDE中枢メンバー名簿載っているのは約60名であるが、世界100上の研究所大学から数百名の加速器専門家技術者高エネルギー物理学研究者参加し国際リニアコライダー (ILC) の設計と技術開発作業行っている(ILCでの実験について準備検討行っている実験物理学者加えるならば、関連研究総数一千名を大きく越える -- おそらく二千人弱 -- と推計される)。 GDEによる、国際リニアコライダー2007年時点設計構想は、国際リニアコライダーサイトに見ることができる(縦横ほかの実際寸法比は異なる)。第一期計画完成時国際リニアコライダー加速器施設主体をなすのは、相対するそれぞれ11.3キロメートル直線状の2本の主線加速器 (Main Linacs) である。これに延長4.5キロメートル最終収束部 (Beam Delivery Systems)、同じく約2.6キロメートルのビームバンチ圧縮部 (Bunch Compressors)、ビームエミッタンス減衰リング (Damping Rings) などを加えて加速器施設必要な立地総延長31キロメートル細長いのである主線加速器はじめとする大部分設備地下施設納められるが、中央の実験設備対応する箇所含め、約2.5キロメートル間隔地上地下をつなぐ連絡路設けられ対応する地上部分に機材搬入口および各種所要建屋設けられる加速器施設中央部分にはビーム衝突点 (Beam Collision Point) がもうけられ2つ実験装置 (Detectors) を交互にビーム衝突点に据え付けて実験を行う。 主線加速器には平均31.5 MV/mの加速勾配稼働する超伝導空洞(1個の長さ約1メートル)が総数16,000据え付けられる。付帯設備として、L-バンド1.3GHzのマイクロ波源、空洞絶対温度2Kまで冷却するための冷凍施設各種電源制御機器が必要となる。最高ビームエネルギーはそれぞれの主線加速器から250 GeV。これらからのビーム正面衝突するので、ビーム衝突時の重心系エネルギー最大値500 GeV到達し前出CERNのLEP-II加速器実現され重心系エネルギーの2倍を優に超えるものとなる。加速器施設全体所要電力は約240メガワットに上る見積もられるこのような設計構想に沿い、GDEでは2005-2006年のあいだ加速器設計現況とりまとめ建設コスト一次評価行い、これをICFAに報告した報告書ドラフト骨子とりまとめは、ICFAおよびILCSCの討議承認経て2007年2月北京でのICFAの会議のさいに、"Reference Design Report"(略称RDR)として一般に公表され最終印刷物2007年9月出版された。それによると、ILC加速器建設必要な経費は、"ILC value unit" と呼ぶ仮想価値単位にして、トンネルほか立地整備関連18億ILC-VU、加速器機材関係で49億ILC-VU、と評価された。また、建設工程携わる所要マンパワーは2,200万人-時間積算評価された。なお、通貨換算すると、1 ILC-VUは2007年はじめ時点の1 USドル、0.83ユーロ117円に相当するが、上記評価ではインフレ税金間接経費ほかが算入されていないまた、人件費算出習慣各国異なっていた。これらのことを考慮した各国会計規則従った見積もりへの換算は、別途行う必要がある。さらに、最終設計に至る間の開発予算建設後システム立ち上げ試験経費、運転経費、また、物理実験用の測定器のための建設費用別枠となっていた。 RDRには、加速器設計とともにILC行われる実験物理骨子と、そのための実験装置に関する素案記載されていた。実験装置さらなる開発推進のため、2007年秋にILCSCは、加速器設計開発を行うGDE並行し実験測定器設計開発コーディネートする責任者として "Research Director"(略称RD)を選任しそのもと世界関連研究者による作業組織整備開始された。 これらの背景のもと、GDERD組織は、RDR加速器実験測定器基本骨子文書とし、2008年よりEngineering Design活動始めることを企画して2010年ころまでの実機への適用可能性デモ目指す高度R&Dと、詳細なシステム工学設計完成にむけた作業乗り出す活動構想立案した。 ところが、2007年冬にまず英国次いで米国で、それぞれの監督官庁によってILC関連開発予算に関する縮減方針発表された。とくに、それまで加速器測定器双方大きな物的人的予算配分行ってきた米国監督官庁方針転換影響無視できず、ILC全体として開発減速余儀なくされることとなった2008年春再策定されたGDERD活動方針では、加速器についてはRDRをさらに深化しコスト面の圧縮技術リスク低減図ったTechnical Design Reportを、測定器については加速器ビーム衝突近傍設計整合をとりつつ、2台の相補的特性をもった測定器システムDetailed Baseline Reportを、それぞれ2012年終わりまでに完成する、とされていた。なお、英国米国監督官庁による予算縮減理由としては、予算規模展望技術開発費用経済事情などの理由挙げられているが、この2国のアクション基本的に独立した事象理解されていた。また、欧州英国以外の諸国また、日本ではこれまでのところ大幅な開発予算縮減はなされておらず、2007年中までの米国規模には及ばないが、2021年現在まで活発な研究・開発続けられている。

※この「これまでの進展」の解説は、「国際リニアコライダー」の解説の一部です。
「これまでの進展」を含む「国際リニアコライダー」の記事については、「国際リニアコライダー」の概要を参照ください。

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