高階述語論理 高階述語論理の概要

高階述語論理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/30 17:28 UTC 版)

例えば、その違いは量化される変項の種類にも現われている。一階述語論理では、大まかに言えば述語に対する量化ができない。述語を量化できる論理体系については二階述語論理に詳しい。

その他の違いとして、基盤となる型理論で許されている型構築の違いがある。高階述語(higher-order predicate)とは、引数として1つ以上の別の述語をとることができる述語である。一般に n 階の高階述語の引数は1つ以上の (n − 1) 階の述語である(ここで n > 1)。同じことは高階関数(higher-order function)にも言える。

高階述語論理は表現能力が高いが、その特性、特にモデル理論に関わる部分では、多くの応用について性格が良いとは言えない。クルト・ゲーデルの業績により、古典的高階述語論理の任意の標準モデルで真となる命題のみ、そしてそれらの全てを証明できるような(帰納的に公理化された)健全で完全な証明計算は存在しない。一方、モデルの範囲を(非標準的モデルを含む)ヘンキンモデルに拡大すれば、任意のモデルで真となる命題のみ、そしてそれらの全てを証明できるような、健全で完全な証明計算は存在する。

高階述語論理の例として、アロンゾ・チャーチSimple Theory of Types や Calculus of Constructions (CoC) がある。

関連項目

参考文献

  • Andrews, P.B., 2002. An Introduction to Mathematical Logic and Type Theory: To Truth Through Proof, 2nd ed. Kluwer Academic Publishers, available from Springer.
  • Church, Alonzo, 1940, "A Formulation of the Simple Theory of Types," Journal of Symbolic Logic 5: 56-68.
  • Henkin, Leon, 1950, "Completeness in the Theory of Types," Journal of Symbolic Logic 15: 81-91.
  • Stewart Shapiro, 1991, "Foundations Without Foundationalism: A Case for Second-Order Logic". Oxford University Press.
  • Stewart Shapiro, 2001, "Classical Logic II: Higher Order Logic," in Lou Goble, ed., The Blackwell Guide to Philosophical Logic. Blackwell.
  • Lambek, J. and Scott, P. J., 1986. Introduction to Higher Order Categorical Logic, Cambridge University Press.

外部リンク




「高階述語論理」の続きの解説一覧




高階述語論理と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「高階述語論理」の関連用語

高階述語論理のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



高階述語論理のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの高階述語論理 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS