他の古典論理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 02:07 UTC 版)
一階述語論理の他にも多くの論理体系が考えられている。それらのうちには無限の長さの証明や論理式を許す無限論理や、意味論に集合論の一部分を直接含むような高階述語論理も含まれる。 最もよく調べられている無限論理は L ω 1 , ω {\displaystyle L_{\omega _{1},\omega }} である。この論理においては、一階述語論理のように量化子の入れ子の深さは有限(つまり深さ ω {\displaystyle \omega } 未満)だけを許すが、論理式は有限または可算無限(つまり長さ ω 1 {\displaystyle \omega _{1}} 未満)の連言や選言をその内に含むことを許す。すると、例えば、ある対象が自然数であるという性質を L ω 1 , ω {\displaystyle L_{\omega _{1},\omega }} の論理式によって次のように書ける: ( x = 0 ) ∨ ( x = 1 ) ∨ ( x = 2 ) ∨ ⋯ . {\displaystyle (x=0)\lor (x=1)\lor (x=2)\lor \cdots .} 高階述語論理は議論領域の要素だけではなく議論領域の部分集合(述語)、議論領域の冪集合の部分集合(述語の述語)、さらに高階の対象に対する量化を許した論理である。その意味論は、それぞれの高階型の量化子に対して独立した議論領域を割り当てるよりは、量化子は適切な型の全ての対象に及ぶように定義される。現在の形の一階述語論理が開発される以前に研究されていた論理、例えばフレーゲの論理など、は集合論的な側面を持っていた。高階述語論理はより表現力が高く、自然数の構造の完全な公理化すら可能であるけれども、一階述語論理における完全性やコンパクト性定理に対応する性質を高階述語論理は持たない。また一階述語論理の持つ証明論的なよい性質の多くは高階述語論理では失われている。 他のタイプの論理としては不動点論理があり、これは原始帰納的関数の記述に使われるような帰納的定義を許す。
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