liquefaction of natural gas

石油/天然ガス用語辞典

天然ガス液化プロセス

読み方： てんねんがすえきかぷろせす
【英】: liquefaction of natural gas

天然ガスを液化し、LNG を製造するプロセス。 多くの液化プロセスが開発実用化されているが、天然ガスの主成分であるメタンは－ 82 ℃以上の温度ではいくら加圧しても液化しない（臨界温度が－ 82 ℃）ため、いずれのプロセスも深冷液化である。それぞれ冷媒の 種類、深冷熱交換器の型式、熱交換方式に特徴がある。天然ガス中に含まれる成分のうち、液化設備の低温部でトラブルの原因となるものを取り除くための前処理設備を含め、液化施設の基本的な構成は以下のようになる （図 1 ） 。ただし前処理の種類・順序は場合により異なる。 まず原料天然ガスは随伴するコンデンセートを分離したあと、酸性ガスを除去する（→酸性ガス除去プロセス）。これは天然ガス液化温度が炭酸ガス、硫化水素などの酸性ガスの凝固点より低いため、固結トラブル防止のためである。この結果LNGは硫黄を含まないクリーンな燃料となる。また天然ガス中にごく微量の水銀蒸気が含まれていることがある。水銀は低温部材として広く使用されているアルミニウム合金を腐食するため、水銀除去処理（→水銀除去プロセス）を行う。次に氷結トラブル防止のため、ほぼ完全（ 1ppm 以下）に脱水処理（→ガス脱湿プロセス）される。最後に凝固点の高いベンゼンなどの重質炭化水素が洗浄塔などで除去された原料ガスが、深冷液化される。 液化プロセスは大別すると、以下の 3 方式がある。 (1) カスケード・プロセス（図 2 ）：エタン、エチレン、プロピレンなど温度レベルの異なる単一成分冷媒の冷凍サイクルを何段か組み合わせ、多段で天然ガスを液化する方式である。(i) 冷媒系がそれぞれ独立しているので運転が容易、(ii) 動力原単位が良いなどの長所があり、1960 年代にアルジェリアのキャメル、アラスカに建設された初期のベースロード液化基地に採用された。しかし、(i) 機器数が多く設備費が高い、(ii) エチレン、プロピレンなどの冷媒を用いた場合、外部より冷媒を購入する必要があるなどの短所もあり、混合冷媒プロセスの改良、動力原単位の向上に伴い、ベースロード用としては初期の前述の 2 例以外は採用されていない。 (2) 混合冷媒プロセス （図 3 ）：エタン、プロパンなどよりなる混合物冷媒を用いる方式である。カスケード・プロセスと異なり冷凍サイクルは一つであるが、図のように何段階かの温度レベルを同一サイクル内で作り出している。コンプレッサーを出た冷媒は、冷却器で一部が凝縮した後 No.1 セパレーターに入り、気液分離して、液は深冷熱交換器のシェル側に減圧フラッシュさせ、別系統のチューブ内を流れる天然ガスと No.1 セパレーターよりの冷媒ガスを冷却する。ここで冷却されたチューブ内の冷媒ガスは一部凝縮し No.2 セパレーターに入り、No.1 セパレーターと同じ操作を繰り返す。このように何段かの冷媒分離を繰り返すと、後段ほど凝縮する冷媒成分は軽質分となり、シェル内で作り出す温度レベルも低くなっていき、最後には LNG 製造温度に到達する。このプロセスは、運転が複雑であるが、(i) 冷媒系が一つであるので機器数が少なく、設備費がカスケード・プロセスより安い、(ii) 混合冷媒の成分はいずれも原料天然ガスに含まれている成分を用いるため、冷媒を外部から購入する必要がない、(iii) 冷媒組成を調整できるので、運転のフレキシビリティが高いなどの長所がある。このプロセスの一つの欠点だった動力原単位も、深冷熱交換器の前で天然ガスをプロパン冷媒で予冷する改良プロセスが開発されてからは向上し、最近はベースロードの液化設備では、すべてこのプロセスが採用されている。 (3) エキスパンダープロセス（図 4 ）：高圧の天然ガスの一部を減圧膨張させながらエキスパンダータービンを駆動するとともに、自己冷却したガスを冷媒として残りの天然ガスを液化するプロセスである。断熱膨張を利用するため、単に減圧弁で膨張させる場合に比べ効率良く自己冷却する。エキスパンダータービンを出て低圧、低温となった天然ガスは、熱交換器において、LNG 原料となる天然ガスを冷却した後、エキスパンダータービンと同軸のコンプレッサーで昇圧され、系外へ送り出される。このプロセスだけでは原料天然ガスの一部しか液化できないためベースロード用としては用いられないが、機器数が少なく、冷媒コンプレッサーも不要なことから設備費が安く、プロセスも単純であるので、小容量のピークシェービング用に用いられている。 現在ベースロード用の液化プラントに採用されている実用プロセスは以下の 3 社のものである。 (1) MCR（Multi-Component Refrigerant）プロセス：米国のエアプロダクツアンドケミカルズ Air Products and Chemicals（APCI）社の開発した混合冷媒プロセスである。プロパン予冷を付け加えた MCR プロセスは、設備費、動力原単位信頼性に優れ、世界のベースロード液化設備の大半に採用されている。このプロセスの特徴は APCI 社が自社で設計、製作するコイル式の縦型深冷熱交換器にあり、その構造自体がプロセス・ノウハウである。 (2) TEALARC プロセス：フランスのテクニプ（TECHNIP）社とエアリキド（L' Air Liquid）社が共同で開発したプロセスの総称で、カスケードプロセスからプロパン予冷混合冷媒プロセスまで多種にわたっている。テクニプ社とエアリキド社が提携を解消したため、このプロセスは現在テクニプ社とイタリアの SNAM 社が販売しており、エアリキド社は独自のプロセスを開発している。ベースロード用としての実績は少なく、アルジェリアのスキクダで 2 段階圧力方式が採用されている程度であるが、ピーク・シェービング用では実績は多い。TEALARC プロパン予冷混合冷媒プロセスと APCI 社のものとはプロセス的に近く、両者とも同型式のコイル式縦型深冷熱交換器を用いていることから比較は難しい。TEALARC の熱交換器はシェル側の設計圧力が APCI 社のものより高く、短期間の停止では混合冷媒をシェル内に保持できるため再スタートが容易であることが特徴といわれている。 (3) PRICO（Poly Refrigerant Integral-Cycle Operation）プロセス：米国のプリチャード（Pritchard）社が開発したプロセスで、深冷熱交換器にプレート式を用いている点に特徴がある。プレート式はコイル式に比べ熱交換単位体積あたりの伝熱面積が大きくとれ、一般に 1 立方メートルあたりの伝熱面積はコイル式 200 平方メートルに対し、プレート式 1,000 平方メートルといわれている。設備を小型化できコストが安くなる長所があるが、プレート式は薄いアルミニウム合金の板を多層にハンダ付けして製作されるため耐圧強度に限界があり、また製作可能な 1 基あたりのサイズも小さい。さらに二相流などに起因する振動にも弱いため運転も難しいといわれており、ベースロード用としてはアルジェリアのスキクダでの実績が一つあるのみである。 最近ではシェル（Shell）が開発した DMR（二重混合冷媒）プロセスがサハリンプロジェクトで採用されることになっている。混合冷媒を用いることで熱力学的に効率の良いプロセスを実現することができる。 （曹　裕隆、2006 年 3 月）

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「liquefaction of natural gas」の例文・使い方・用例・文例

• Microsoftがβ版をランチするのは「NetShow streaming server」で動画や音声をオンデマンドで提供する。
• 《主に米国で用いられる》 ＝ 《主に英国で用いられる》 an admiral of the fleet 海軍元帥.
• 篏入的 r 音 《英音の India office /ndiərfɪs/の /r/の音》.
• ＝《口語》 These kind of stamps are rare. この種の[こういう]切手は珍しい.
• (英国の)運輸省. the Ministry of Education(, Science and Culture) (日本の)文部省.
• は of の誤植です.
• を off と誤植する.
• あいまい母音 《about, sofa などの /ə/》.
• 副詞的小詞 《on, in, out, over, off など》.
• 迂言的属格 《語尾変化によらず前置詞によって示す属格; たとえば Caesar's の代わりの of Caesar など》.
• çon of garlic [humor]. それにはガーリック[ユーモア]がちょっぴり必要だ.
• 《主に米国で用いられる》 ＝ 《主に英国で用いられる》 the Speaker of the House of Commons 下院議長.
• 《主に米国で用いられる》 ＝ 《主に英国で用いられる》 the Committee of Ways and Means 歳入委員会.
• 初めて読んだ英文小説は“The Vicar of Wakefield”
• （違法罪―a sin of commission―に対する）怠惰罪
• 『each』、『every』、『either』、『neither』、『none』が分配的、つまり集団の中の1つのものを指すのに対し、『which of the men』の『which』は分離的である
• 『hot off the press（最新情報）』は『hot（最新の）』の拡張感覚を示している
• 『Each made a list of the books that had influenced him』における制限節は、リストに載った本を制限節で定義された特定の本だけに制限する
• 臨床的鬱病を治療するのに用いられる三環系抗鬱薬（商品名ImavateとTofranil）
• 『sunshine-roof』は『sunroof（サンルーフ）』に対する英国の用語である