近代のオーラ概念の系譜とは? わかりやすく解説

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近代のオーラ概念の系譜

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 17:30 UTC 版)

オーラ」の記事における「近代のオーラ概念の系譜」の解説

現代的な意味での実在するエネルギーとしてのオーラ」というコンセプトは、19世紀後半科学的言説由来する科学者としてオーラ存在最初に主張したのは19世紀ドイツカール・フォン・ライヘンバッハといわれるライヘンバッハは、宇宙存在するすべてのもの(特に星々惑星水晶磁石人間など)から発出している物質存在する考えオドの力名づけた。オドの力には重さ長さもないが、計測可能であり、観察可能な物理的効果を及ぼすことができるとした。18世紀ドイツフランツ・アントン・メスメル提唱したメスメリズム(後の催眠術)における動物磁気のように、磁石などを通して伝導することができ、極性があると考えた。これらは現在では疑似科学であるが、当時科学であり、科学者やメスメリストの注目集めて広く影響与え現在のオーラ概念原型となった考えられている。大部分科学者からは冷笑されたが、世間的に注目され心霊現象研究協会研究対象になった。 この時代オーラへの言及少なかったが、20世紀初頭には増加し、特に近代神智学関係者注目した1900年代最初10年一種ブームになったが、表象文化論研究する埼玉大学基盤教育研究センター准教授加藤有希子によると、この時期オーラ言説は、白人有色人種オーラ違いを語るといった形で、植民地主義的人種差別女性蔑視病気障害を持つ人への差別温床になっていた。 医師ジョセフ・ローデス・ブキャナン(英語版)は、1852年人間神経系から発出している微細な流体存在する考えて神経オーラ」と名付け感受性の強い人間はそれを見ることができるとした。 近代神智学チャールズ・W・レッドビーター1854年 - 1934年)が、1903年オーラという言葉使っていないが、人体取り巻大気主題にしオーラ論の先駆となったMan Visible and Invisible』を出版1927年の『チャクラ』でインドチャクラ概念独自に解釈し、各チャクラプラーナオーラ)の色に虹の七色当てはめて体系化し、オーラ言説ポスト植民地主義化・グローバル化した。インド伝統ではチャクラの色に定まった体系はなく、虹色チャクラ説はインド伝統とも西洋信仰神秘主義文脈とも断絶している。これが近現代ヨーガニューエイジ取り入れられ普及したライヘンバッハ影響を受け、ロンドン開業医師ウォルター・ジョン・キルナー(英語版)(1847年-1920年)は、医学的な観点からオーラ研究行い1911年人間雰囲気』 (人間大気、とも。The Human Atmosphere) を出版した。キルナーは、オーラ広がり磁石影響される電流反応するウィムズハースト式誘導起電機静電気発生装置)による帯電で完全に消えてしまう、病気精神力減退オーラ大きさと色に影響与える、死が近づくオーラ次第小さくなり、死体周りではオーラはまった見られないなどの見解示し診断予後判断へのオーラ利用可能性示唆した彼の研究によると、人間オーラは、エーテル複体 (the Etheric Double)、内オーラ (the Inner Aura)、外オーラ (the Outer Aura) の3層から成るという。また、約0.3cm離れた2枚ガラス板の間に感光染料ジシアニンアルコール溶液満たしたジシアニンスクリーン」を通して見ると、オーラを見ることができ、3層オーラ識別できる主張した。これを使って可視光線外を見るための目の訓練行えば直接オーラを見ることもできるという。このようなキルナーの主張科学者には受け入れられなかったが、神智学オカルトなどに影響与えた。キルナーは『人間雰囲気』で、異形てんかんヒステリー生理中の女性などのオーラ診断し、本来見えないはずの概念利用して、現在でいう非健常者差別化するような試み行っていた。また彼の追随者のオーラ論者オスカー・バグナルは、有色人種ヨーロッパ人種のオーラ異なり前者グレー後者ブルーであるといった人種差別的な見解述べている。加藤有希子は、キルナー、バグナル、またエドガー・ケイシー場合も、「社会的弱者に対して優位性示したいという、コロニアリズム特有の歪んだ欲望見て取れる」、現代から見ると時代錯誤言説判定すべきである述べている。 19世紀アメリカにおけるキリスト教異端的新潮流であるニューソート教師で、フリーメイソンにして神智学協会会員ペンシルヴァニア州弁護士催眠学の教授であったウィリアム・ウォーカー・アトキンソン(英語版)(1862年1932年インド人ヨーガ行者ラマチャラカの名でも執筆したが、アメリカ人である) は、オーラとは実在する力だとし、「念体」だとした。オーラにもいくつかタイプがあるとし、その基本形の「プラーナ オーラ」は生命原物質でもあるとした。

※この「近代のオーラ概念の系譜」の解説は、「オーラ」の解説の一部です。
「近代のオーラ概念の系譜」を含む「オーラ」の記事については、「オーラ」の概要を参照ください。

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