船内設備と装飾とは? わかりやすく解説

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船内設備と装飾

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/10 22:19 UTC 版)

新田丸級貨客船」の記事における「船内設備と装飾」の解説

建造際し日本郵船では競合する北ドイツ・ロイド英語版)の「シャルンホルスト」(18,300トン)などを徹底的に研究大阪商船出身海事史家である野間恒は、新田丸級貨客船は「「シャルンホルスト」に似通っている」と述べている。内装面では、やはり優秀船舶建造助成施設適用により建造され大阪商船あるぜんちな丸級貨客船同様に日本調のモダン・スタイル」の装飾導入したが、これは日中戦争勃発後という時節柄多少影響していたものの、日本郵船貨客船におけるこれまでの装飾傾向とは明らかに一線を画していた。日本郵船貨客船例えば「浅間丸」(16,947トン)や「氷川丸」(11,622トン)、「照国丸」といった貨客船での装飾は、一言でいえば「欧風であった三菱長崎造船所では、あるぜんちな丸級貨客船での経験をもとに、中村順平村野藤吾などといった当代一の設計家に公室設計依頼した。しかし、設計と建造段階第二次世界大戦突入した影響大きく真鍮ゴム使用制限かかったため真鍮部分ベークライトアルマイトで、ゴム部分リノリウムそれぞれ代用された。 各甲板構成は、大まかに以下のとおりであった最上甲板遊泳プール運動室、サンデッキ 短艇甲板一等客室22室)、カード・ルーム、カフェバー付設)、ダンシングルーム(バー付設)、ベランダプロムナード 遊歩甲板一等公室社交室、読書室、喫煙室大食堂特別食堂、子ども室)、オブサーベーション・デッキ 船橋甲板舷門エントランス・ホール案内所特別室一等客室理髪室、美容室医務室事務長室、司厨長室、二等旅客設備 上甲板一等客室22室)、三等客室三等食堂 特に注目されるべきは一等二等公室および一等客室である。68室ある一等客室5層わたって配され、そのすべてが外側位置していたため、一等船客は常に外気触れ風景眺めることができた。また、航路一部熱帯地域掛かるということで、8トン級の「クイーン・メリー」 (RMS Queen Mary) や「ノルマンディー」 (SS Normandie) ですら装備していない設備をと、一等二等公室および一等客室への冷暖房装置導入行った外航客船への冷暖房装置設置世界最初のものであるまた、68室のうち59室には浴室付けられていた。船内にはエレベーター通じ下層甲板にある二等および三等旅客設備プロムナード配されるなど決しグレード低くなく、2万トンを切るクラス貨客船としては最上のものと評された。装飾パネルには代用アルマイト腐蝕板が活用され例えば「新田丸」には新田神社オナガドリあしらったパネルで、「八幡丸」には世界各地名産品世界地図のように配置した浮彫パネル装飾されていた。 これら設備導入に際しては、三菱長崎造船所内に船室実物大模型立てて諸設備一切実際船室同様に取り付け専門家目通し受けた上で最終決定なされた旅客設備以外でも、プロペラ航海用具貨物設備などもすべて日本産でまとめられ、「我国造科学粋を集めた」。それに加え、「世界で優良斬新だ目された」機器など片っ端から装備された。もっとも、新田丸級貨客船グレードは、間を置かずして陳腐化するはずであったサンフランシスコ航路用として建造予定されていた橿原丸級貨客船二等旅客設備グレードが、新田丸級貨客船一等旅客設備グレード同等に設定されたからである。しかし、橿原丸級貨客船商船として竣工せず空母飛鷹型航空母艦)となり、新田丸級貨客船の「格落ち」は免れた新田丸級貨客船旅客定員一等から三等合わせて283名と少なかったが、欧州航路寄港地多く中華民国インドシナ半島などイギリスフランスの植民地との間を往来する旅客多かったこともあって就航船定員は元から少なめで、「日本船に乗る客の大部分は、日本からの客とすれば定員少なくしたのは頷ける」というのが野間説明である。

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船内設備と装飾

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/05 23:01 UTC 版)

あるぜんちな丸級貨客船」の記事における「船内設備と装飾」の解説

甲板構成は、大まかに以下のとおりであった船橋甲板操舵室海図室、船長室、(煙突甲板士官室、無線電信員室 端艇甲板一等船室1人室9室)、酒場カード室、浴室トイレ、ダンシングホール、プール 遊歩甲板一等船客公室社交室、読書室、ファンシーショップ 遮浪甲板一等船室各種案内所診療室、理容室美容室暗室 上甲板三等読書室、調肉室、洋式料理場、製麺室、機関士居室船医居室 第二甲板料理人室、給仕人室、三等客室雑居室兼貨物スペース 第三甲板給仕人室、倉庫 あるぜんちな丸級貨客船主目的移民輸送であるが、外国人観光客をも主要船客として取り込むべく船客サービス研究余念のなかった大阪商船は、同時期の諸外国豪華船にスタッフ乗り組ませて実習研究重ねた。またキャビンボーイには美少年選りすぐって採用し船上行事充実にも努めた船上行事中にはプール入れて魚釣り大会というのもあった。 船内装飾は、おりから日中戦争により諸物資の調達困難になる中で、「「できるだけ日本工芸技術水準の高いことを、船一隻造ることによって、世界から認めてもらいたい」との気迫」と、「わが国の力を認識しない外国人示そう」という努力のもとに、羊毛民間使用禁止などの障害乗り越えて設計進められた。時節柄必要な資材概ね日本産まかなわれ苦労して確保した資材松田軍平中村順平村野藤吾といった当代一の設計家が和辻のノーキャンバー構造合わせた日本趣味的な装飾仕立て上げ、「国策豪華船」の名に恥じないレベル装飾となった華やかな装飾とは対照的な非常用設備なども、中短波無線電話日本産救命ボート新式火災報知機強力なデリック備え付けられていた。

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