第3次争議勃発とは? わかりやすく解説

第3次争議勃発

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 02:34 UTC 版)

東宝争議」の記事における「第3次争議勃発」の解説

1947年昭和22年12月連合国軍最高司令官総司令部GHQ/SCAP)は東宝追放令発し経営陣入れ替わった社長田辺加多丸が会長就任し新社長には外部から元日商工会議所専務理事衆議院議員渡辺銕蔵招聘した。予てから反共闘士」で鳴った渡辺労務担当重役撮影所長に強硬派据え、年が改まった1948年昭和23年4月8日東京砧(きぬた)撮影所従業員270名を突然解雇した。さらに、人員整理のため1200名の解雇計画発表した。 これを受けて4月15日従組生産管理闘争突入東京砧撮影所占拠して資機材管理下に置き、正面入口バリケード作って立てこもった。これによって第3次争議始まりとなる。一方経営側は、5月1日メーデーの日に会社休業宣言従組東京地方裁判所会社営業再開求め仮処分申請したが、会社側も占有解除求め仮処分申請し対抗し8月13日東京地裁会社側の申請認め占有解除仮処分執行決定した。 翌14日裁判所執行吏砧撮影所向かったが、この時は立てこもっていた従組組合員800名によって入場拒否される改め8月19日仮処分執行決定するが、その前から労働者2500名が砧撮影所立てこもった五所平之助今井正楠田清、亀井文夫などの映画監督岩崎昶伊藤武郎などのプロデューサー山形雄策などの脚本家宮島義勇などのカメラマンニューフェイス若山セツ子久我美子中北千枝子といった俳優数多く参加した。各セット小屋前には、不燃塗料詰めた大樽複数並べ、各の上には零戦エンジン搭載した特撮用の大型扇風機持ち出してきて設置した警官隊突入してきた際、風圧砂利ガラス片塗料を飛ばすものであり、実際にこれは使用された。屋根や窓から、木片ガラス球を詰めた袋を落とす仕掛け作られていた。電流流した罠も設置された。 同日早朝日本の占領業務にあたっていた連合国軍一角をなすキャンプ・ドレイク駐留していたアメリカ陸軍第1騎兵師団司令官ウィリアム・チェイス少将は、カービン武装したアメリカ軍MP150名、歩兵自動車部隊1個小隊装甲車6両、M4中戦車3両、航空機3機を率いて砧撮影所包囲した。これらの部隊は、H.F.T.ホフマン代将指揮アメリカ軍地上部隊だった。チェイス航空機から指揮を執った。 同日午前8時30分警視庁予備隊2000名が仮処分執行援助為に砧を包囲した小田急成城学園前駅での乗降禁止し砧撮影所通じる道を封鎖した同日午前9時30分、成城警察署署長もしくは執行吏会社代理人弁護士が、アメリカ軍トラック乗り10数人警官隊守られながら、砧撮影所正門まで行き従組に、執行吏による仮処分受諾要求し従組代表と交渉した同日午前10時30分警視庁予備隊部隊が、戦車先導され砧撮影所正門前に展開し始めた亀井文夫が、砧撮影所正門前の予備隊に向かって、「正義暴力によっては踏みにじられない」と書いた紙を掲げたその後従組は、軍に包囲された以上、力での抵抗不可能と判断し職員会議開いて仮処分受け入れ決定した同日午前11時過ぎ組合員2500名は互いに腕を組みインターナショナルの歌を歌いながら撮影所退去し演劇研究所撤退した続いて執行吏所内入り仮処分執行公示書を掲示した。 このとき、日映演東宝分会は、砧撮影所の他に、東宝営業部門(映画館)も占拠していた。渡辺銕蔵は、映画館閉鎖される直接会社経営に響くことから、商売の面から争議切り崩し図った東宝監督渡辺邦男を、愚連隊首領万年東一遣わして日比谷映画館スト破り依頼した万年は、連日“小光”小林光也や“新宿帝王加納貢ら、50人から100人の配下連れて映画館襲撃し組合員追い出した。また連日闘争費用東宝要求したが、成功報酬受け取らなかった。 同年10月18日組合最高幹部伊藤武郎宮島義勇は、渡辺社長らと会談。ここで、組合幹部20名の自主的な退社交換条件で、解雇されていた残り250名の解雇撤回することで合意なされた。さらに、大規模な人員整理凍結などが認められ組合側と会社側による覚書調印によって、ようやく第3次東宝争議正式に決着した1950年昭和25年)、東宝は、東宝争議解雇撤回され200名を、レッドパージという形で解雇した

※この「第3次争議勃発」の解説は、「東宝争議」の解説の一部です。
「第3次争議勃発」を含む「東宝争議」の記事については、「東宝争議」の概要を参照ください。

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