第三章『痛覚残留』の登場人物
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「空の境界」の記事における「第三章『痛覚残留』の登場人物」の解説
浅上 藤乃(あさがみ ふじの) 声 - 能登麻美子 身長:157cm / 体重:48kg / 誕生日:5月20日 / 礼園女学院の生徒で、黒桐鮮花の友人でもある。荒耶宗蓮が両儀式のために用意した3つの駒の一人であり、宗蓮は「死に接触して快楽する存在不適合者」とみなしている。起源は「虚無」。 鮮花に「誰も憎まない娘」と評されるほど温和で穏やかな性格だが、実際は周囲に隠している無痛症によって外部の刺激および自らの身体を感じることができないために生への実感が無く、感情の抑揚そのものが乏しいことから、穏やかな性格に見えているだけである。結果として、他者の痛みに共感する形でしか生への実感を得られなかったことで、感覚を取り戻した後は残虐に相手を殺して喜び・快楽を得るという暴走を招く。 視界内の任意の場所に回転軸を作り、対象の強度に関係なく“曲げる”能力「歪曲」の持ち主。作中では“超能力”として扱われているが、藤乃の場合はある程度人為的な手が加えられているため、正確には魔術(魔眼)と異能(超能力)の中間。理論上は左右どちらか片方にしか曲げることができないが、藤乃の場合は異能の回線を複数持つため、左右どちらにも曲げることができる。また、後述の理由・方法によって無理に能力を封じられていたことで、より強大な能力へ発達させることになり、終盤では透視能力(千里眼)まで発現させ、橋の全景を視界に納めることで巨大な橋をもねじ曲げた。しかし、橋を曲げた代償として失明している(原作中では明言されていない。作者は「そこで彼女は視力を失っています。橋壊しの代償として」と解説している。また、『未来福音』において、視力はほとんど失ったと描写されている)。 長野の名家であり、『月姫』において混血の天敵として語られる4つの家系の1つである浅神(あさかみ)家の出身である。幼い頃から「歪曲」の能力が発現していたが、6歳頃に父・羽舟が能力を消すため人為的に感覚を無くし(後天的無痛症)、能力が封じられる。その後、12歳の頃に浅神家の没落に伴い、母と共に浅上家に引き取られ現在に至る。 半年間にわたって不良集団から性的暴行を受けていた。無痛症であるため、その感覚も無きに等しかったが、金属バットで背中を強打されたことで脊髄に損傷を受け、不定期に感覚を取り戻すようになる。ある夜、たまたま感覚を取り戻していた間に不良のリーダーにナイフで腹部を刺され、防衛行動として発動した「歪曲」により湊啓太以外の4名を殺害する。以後、逃亡した湊を殺すために彼を探し、その途中で何度か殺人を繰り返すようになる。 実は腹部の痛みは彼女が患っていた慢性の虫垂炎が原因であり、ナイフで刺されてはいなかった。本人はあくまでナイフで刺された傷によるものだと認識していたため症状が悪化し、最後の式との戦いでは腹膜炎に進行しており、既に手遅れな症状までに悪化していた。その後、式によって体内の病気を殺されたため、一命を取り留めた。『第六章』のラストで再登場している(劇場版においては、冒頭の1カットに登場)。十年後では、五年近く交際していながらまだ結婚していない旦那様のために花嫁修業をしつつ、世の不合理をねじっているらしい。 式は能力発動時の彼女を非常に嫌い、特に復讐としての殺人(性的暴行を行なっていた5名の殺害)ではない殺人は殺戮と呼び、その快楽殺人傾向について嫌悪感を示していた。ただし、橙子はそれを同属嫌悪ではないかと述べている。また、黒桐幹也は憶えていないが、中学時代に彼と会ったことがあり、それ以来好意を持っていた(鮮花が幹也の妹であることは知らない)。 『Fate/stay night』の間桐桜の原型となったキャラクターであり、設定コンセプトとして「浅上藤乃タイプ」と指定されたほど。また、デザイン担当の武内は「奈須にとっては違うと思う」と前置きしながらも、「自分としては『月姫』の琥珀の原型となっている」と述べている。 湊 啓太(みなと けいた) 声 - 浅沼晋太郎 黒桐幹也や学人の後輩。街の不良グループの一人で、4人の仲間たちと共に浅上藤乃を脅迫して性的暴行を加えていた。 藤乃の「歪曲」によって仲間が次々と殺されるのを目の当たりにして逃走し、とあるマンションに隠れていたが、逃げる際にリーダーの携帯電話を持っていたため、藤乃から脅迫めいた電話がかかってくることに悩まされることとなる。そのため、幹也が発見した際にはひどく憔悴していた。後に、学人の依頼を受けて捜索していた幹也に保護され、グループで唯一の生存者となる。ちなみにイラスト担当の武内崇曰く、陰部を切断されているらしい。 昭野(あきの) 声 - 飯田浩志 湊啓太のグループと交流のあった青年。啓太の行方を追う浅上藤乃に啓太の居場所を問われるも、答えられなかったため殺害され、5人目の被害者となる。両儀式や蒼崎橙子は、これ以後を殺人ではなく大義名分の無い殺戮と呼んでいた。 康平(こうへい) 声 - 中村悠一 湊啓太のグループと交流のあった青年。浅上藤乃の接触を受けるが、無遠慮な対応を取ったために殺害される。6人目の被害者。 高木 彰一(たかぎ しょういち) 浅上藤乃による連続殺人事件の7人目の被害者の少年。湊啓太のグループのメンバーとは無関係の一般人。 この件により、ついに復讐と無関係の殺人が始まったとして、両儀式は藤乃との戦闘に至った。劇場版ではトラックの運転手をしていたところを道に突っ立っていた藤乃を跳ねてしまいそうになったために藤乃の能力の犠牲になっており、藤乃にとっては無意識下での殺害だったようで、後に藤乃は「6人を殺した」と言っている。 浅上 麻雪(あさがみ まゆき) 声 - 新田万紀子 浅上藤乃の実母。 浅神羽舟の妻だったが、浅神家が破産した際に分家筋である浅上康蔵に引き取られて再婚した。藤乃の無痛症について理解していなかったようである。藤乃が両儀式と最後に戦った際、精神が幼退化した藤乃は黒桐幹也と麻雪に依存していた。 名前は劇場版の設定から。 浅上 康蔵(あさがみ こうぞう) 藤乃の継父で、浅神家の分家に当たる浅上家の当主。かなりの資産家であり、礼園女学院の寄付金の3割を出しているほか、浅上建設株式会社や浅上女学院にも出資している。 本家の浅神家が没落した際に、その土地の利権欲しさに借金を肩代わりし、また浅神麻雪を妻として連れ子の藤乃を引き取る。藤乃の異能を知っていたらしく、事件を知ると蒼崎橙子に藤乃を止めるよう依頼し、最悪の場合は殺害も黙認するという態度を示した。 名前は劇場版の設定から。 浅神 羽舟(あさかみ はねふね) 藤乃の実父。異能を伝える浅神家の元当主。 両儀家とは違い、現代においては異能を封じ込めることを目指し、藤乃に大量の薬物を投与して感覚と共にその能力を封じる。家は当代で没落し、既に存在しない。 名前は劇場版の設定から。 教授 声 - 岩崎ひろし 蒼崎橙子の師に当たる大学教授。超能力に詳しく、訪ねてきた黒桐幹也にテレビのチャンネルに例えて講釈する。その際、左右両回転の「歪曲」を行使する浅上藤乃を危険視していた。
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