発明以降とは? わかりやすく解説

発明以降

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 04:46 UTC 版)

木版印刷」の記事における「発明以降」の解説

現在確認されている最古年紀のある木版印刷による印刷書は、1900年敦煌発見された『金剛般若波羅蜜経』で、唐の咸通9年4月15日868年)の年紀がある (Stein収集British Library所蔵) 。馮道後唐明宗時代儒教経典木版印刷したのが記録に残る最初大規模な印刷事業である。次に北宋太祖971年征服した後蜀命じて勅版一切経(大蔵経)を制作させた。その後一切経刊行繰り返し行われており、チベット大蔵経木版印刷である。版木がほぼ完全に残る一切経のうち最古セットは、韓国海印寺大蔵経板殿版木保存されている高麗八万大蔵経である。中国では、科挙標準テキストにするため、儒教経典印刷早くら行われた。宋代以降国子監 (首都国立大学) で儒教経典出版したまた、民間でも、暦などの実用書参考書教科書営利出版文人官僚による文集出版などが行われた。宋代刊行された本は、その質の良さ貴重さから宋本/宋版呼ばれて珍重されている。しかし、商業出版発達し出版点数飛躍的に増えたのは明時代中期以降である。明時代からは、多色印刷(套印)も行われた古書収集し、良版の刊行を行う毛晋 (汲古閣) のような蔵書家も現れた。小説出版も盛んで、いわゆる四大奇書完成出版も明時代末期である。 清時代には、膨大な編纂事業宮廷によって行われた四庫全書写本であり、1万巻という中国史最大類書 (百科事典) である古今図書集成活字印刷武英殿聚珍本木活字印刷であったが、全唐詩900巻など他の多くの本は木版印刷であり、また活字本再版の際は木版印刷刊行された。並行して民間でも官僚蔵書家によって知不足斎叢書 (206種計802巻) などの大きな叢書刊行されている。また、厳可均『全上古三代秦漢三国六朝文746のような文献・記録大きな集成刊行されて、現代古典研究にも貢献している。清代末期では、地方役所が「書局」を設けて古典出版した木版印刷本 (局本) が多い。 19世紀末石版印刷上海中心に普及し、更に活版印刷普及した結果木版印刷衰退した日本では百万塔陀羅尼以降、約2世紀の間印行記録がないが、平安時代奝然によって、北宋から勅版一切経もたらされ986年以後摺経供養流行した。これは法華経などを多量 (藤原道長場合は1,000部) 印刷することで功徳を積もうという宗教事業である。この摺経は薄い墨が多いが、その後鎌倉時代まで興福寺から刊行され春日版は漆のような濃い墨の精良印刷経である。寛治2年 (1088年) の成唯識論 (正倉院所蔵) が、現存する平安時代最古の刊年記のある印刷経である。その後鎌倉時代・室町時代五山版などの寺院版印刷ひいては木版印刷主流であった。ただし、一切経刊行は、平安・鎌倉・室町時代にはなく、写経一切経を行うことのほうが多い。また、民間出版先駆である堺版地方武家による出版 (大内版日向版、薩摩版) もあった。平安時代から室町時代までの出版物の殆どは仏教関係の著作経典である。桃山末期から江戸時代初期にかけては、一時嵯峨本などの古活字本キリシタン版などの活版印刷盛んになった。このとき初めて『伊勢物語』『徒然草』など仏教関係でない漢字ひらがな混じり書かれた本が多数印刷された。しかし、寛永期を境に、再び木版印刷 (整版) が主流となってくる。出版社書店貸本屋発達し浮世草子黄表紙などのベストセラー生まれガイドブック俳書浄瑠璃本なども盛んに刊行され一般に広く書物普及するようになったまた、武士の学問所むけに漢籍初めとする教科書学術書多数刊行された。明和ごろから、浮世絵版画発達並行して多色刷り本も現れた。漢籍ではない日本書物の最も大きな叢書として群書類従がある。 ヨーロッパで発明され印刷術19世紀末普及しだすと、新規刊行物印刷術として木版印刷選ばれることはほとんどなくなっていった。

※この「発明以降」の解説は、「木版印刷」の解説の一部です。
「発明以降」を含む「木版印刷」の記事については、「木版印刷」の概要を参照ください。

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