エウクレイデス『原論』
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エウクレイデスの『原論』は、聖書を除いた他のどの本よりも多くの版が出版されており、史上最も重要な数学書の1つである。印刷の発明以降、多くの言語に翻訳され、今もなお絶えることなく版を重ねている。印刷機が発明される以前は手作業で複写され、広く出回っていた。その優秀さを認めた学者たちは、劣悪な作品を流通から排除して、この著作を支持したのである。アレクサンドリアのテオンのように、多くの後代の著者は改変、コメント、新しい定理や補題を加えた独自の版を作った。多くの数学者がエウクレイデスの傑作に影響を受け、インスピレーションを得た。例えば、シラクサのアルキメデスやペルガのアポロニウスは当時最高の数学者であったが、エウクレイデスの弟子や彼の『原論』から訓練を受け、エウクレイデスの時代には未解決であった多くの問題を解決することができたのである。単純で論理的な公理、正確な定義、明確に述べられた定理、論理的な演繹的証明を特徴とし、純粋数学における著作の書き方の典型例である。『原論』は幾何学(多面体などの立体物の幾何学を含む)、数論、比例論を扱った13冊の本から構成されている。エウクレイデスの時代までに古代ギリシアで知られていた数学の集大成ともいうべきものである。
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