清瀬家
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清瀬孝太郎 - 岸博之 凛子・紅子の養父、太一の実父。清瀬家の遠縁の子爵家出身で書生として清瀬家に入り、婿養子として杏子と結婚したが、使用人だった千鶴に手を出し、生まれた太一を清瀬家の養子にする。その後も千鶴との不倫関係は続いている。凛子を演じる紅子や自分に心を開いてくれない杏子を心配している。その後、千鶴とは別れ、壊れてしまった杏子を献身的に支えていた。ところが、久我山が杏子の帯紐を届けに清瀬家にやって来てから、二人の関係に疑念を抱き始め、妻の裏切りと凛子・紅子が自分とは血のつながりがないことを知る。それでも復讐に囚われる紅子を責めることなく、逆に娘の苦しみを受け止める。清瀬家を訪れた久我山から紅子と杏子を守り、書生時代から憧れていた杏子と結婚でき、愛する杏子が産んだ娘だからこそ凛子・紅子を自分の娘として愛情を注ぎ、幸せだったことを伝え、ようやく杏子と本当に愛し合えるようになる。屋敷を追われた後は杏子・ミツとともに、紅子が買い戻した旧山田家の長屋で暮らしている。杏子が久我山の元へ行ってからは千鶴の元で暮らす。その後杏子とは別れ、闇市で働きながら一人暮らしをするが、闇市で食糧を手に入れ紅子や杏子に調達している。娼婦となった紅子を心配し「麻莉亜」でボーイの仕事に就く。娼館を出ることになった千鶴と「清風庵」の孤児たちに新たな孤児院を紹介する。10年後には、富士山の麓でよりを戻した杏子と孤児院を開いている。 清瀬杏子 - 越智静香 凛子・紅子の実母。実は凛子・紅子の父親は孝太郎でなく久我山だという秘密を抱えていた。久我山と愛し合っており、駆け落ちする約束をしていたが、清瀬家も凛子も捨てられないと家を出ず、久我山の元から離れる。愛する久我山の子だと信じる気持ちから、凛子に対し異常なまでに過保護だったが、真彦が婿候補として預けられて以降、久我山と愛し合った事実に苦しみ続け、凛子・紅子が異母兄妹である真彦と結婚することに当初から反対していた。凛子の死の真相を偶然知って自殺未遂を図り、一命を取り留めるも紅子が太一に刺されたことにより精神が崩壊してしまう。しかし、紅子に久我山の元に連れられ、彼に抱かれてから正気に戻る。夢の世界にいた間の真実を知り、久我山と愛し合ったことがすべての元凶だと紅子に聞かされる。久我山との関係を孝太郎に知られるも、既に久我山に対する愛情はなく、自分や凛子・紅子に対する孝太郎の愛情を知り、本当の夫婦関係となる。久我山に二度と自分の前に現れないよう告げるが、特高に逮捕された紅子を釈放させるために、久我山と共に暮らす道を選ぶ。ところが、そこで真彦の出生の秘密を知ってしまう。久我山により地下牢に囚われていたが、久我山の暴走を止めようとしていた真彦に助けられる。ゆで卵の殻すらむけず、お粥に塩と間違えて砂糖を入れるほど料理は不得手だったが、千鶴の店を譲り受けてから努力を重ね、小料理店の女将として自立した。みんなの幸せを見届けるまでは、孝太郎とよりを戻さないと決め、自分が久我山を変えてしまった戒めとして、店には久我山に壊されたマリオネットを飾っている。紅子や眞一のことはまだ気にかけており、麗華によって「麻莉亜」を追出されそうになった娼婦たちに新しい勤め先を見つけた。10年後には小料理店を麗華に譲り、富士山の麓でよりを戻した孝太郎と孤児院を開いている。 久我山(羽賀、清瀬)麗華 - 木下あゆ美 凛子の友人。父親は成金。凛子と真彦が恋仲だと知りつつも、一途に真彦に想いを寄せ、凛子に嫉妬していた。紅子の正体を知り、真彦と結ばれることを反対していたが、彼女と仲良しになる。その後紆余曲折を経て、真彦と婚約するが、紅子が武蔵野の別荘にいると騙した太一に強姦される。紅子の逮捕後、実家が破産し、清瀬家に戻った太一と結婚。実は、眞一は真彦との間に出来た息子である事を隠していた(太一は気づいている)。真彦による庇護の申し出を断り、太一と眞一と一家三人での新しい生活を志したが、釈放された太一による無理心中のもみ合いになった責任で、太一を刺したのは自分だと警察に自ら通報した上で逮捕される。出所後、眞一に会いに行くが、太一を刺し殺した贖罪から顔を見せられず、たどり着いた「麻莉亜」で自ら娼婦となり、前借した金を紅子の元に送る。その後「麻莉亜」でナオミの借金の取り立てに来た紅子と再会。「清風庵」に眞一の様子を見に行った際、千鶴に追い返されたこともあり、眞一の元には戻っていないが、息子への思いは断ち切れないでいる。陽平が演じる記憶の戻った真彦を信じて「麻莉亜」を出ようとするが、太一を殺したことを眞一にばらすと康助に脅される。「麻莉亜」で眞一と陽平の3人で暮らし始めるが、紅子に懐く眞一の姿に、なかなか本当の母親になれずにいる。藍子から眞一に太一を殺害した事を暴露されるが、紅子が罪をかぶったため、「麻莉亜」を二人で出て行く。数日後、眞一が父親を殺したのは紅子だと思い込み、その恨みから紅子を刺そうとするが、それをかばい腕を怪我する。その後、眞一に太一を殺したことがばれ、そのショックから声が出なくなった眞一と向き合い、事実を伝える。献身的に世話をしたかいもあり、眞一に声が戻るが、第一声は自分ではなく紅子を求めるものだった。自分から太一や真彦、陽平だけでなく、眞一までも奪っていったと紅子を憎み始め、康助と結婚して女主人となり豹変。紅子を追い出し、地下牢に閉じ込めた陽平を求めた上、眞一には実の父親が太一でなく真彦だと告げる。陽平を愛し眞一を拒否し続けていたが、康助に殺されそうになった時に身を挺して守った眞一の姿にようやく目が覚める。その後、杏子から小料理店を譲り受け、女手一つで眞一を育てる。 清瀬眞一 - 西村亮海(第2部)、根岸泰樹(第3部)、鳥羽潤(最終話Cパート) 太一と麗華の息子。実は父親は太一ではなく真彦。父親は戦死し、母親は満州にいると紅子から聞かされているが、自分を育ててくれている紅子以上に、実の母親である麗華への思いを募らせている。戻ってこない麗華に捨てられたと思い、紅子が藤堂と結婚した時には自分が捨てられるのではと不安を抱いている。「清風庵」を訪れた麗華の後をつけ、「麻莉亜」で娼婦となった紅子と麗華を目撃してしまう。 友造とケンカし、止めに入った千鶴にも麗華を追い返したことを責めて「清風庵」を飛び出すが、藤堂と男同士で話す中で紅子や麗華の気持ちを知り、紅子・千鶴・友造と和解。康助の企みでたびたび麗華に捨てられたと誤解し、寂しい思いをするが、紅子と陽平の尽力により「麻莉亜」で麗華と陽平と3人で暮らし始める。その後藍子から麗華が太一を殺した事を知らされ、ショックを受ける。だが、紅子が麗華をかばって自分が殺したと告げたため、その恨みから紅子を刺そうとするが、麗華に引き止められる。その直後、偶然麗華から紅子に宛てられた手紙を読み、太一を殺したのが紅子でなく麗華だと知ったショックから一時的に声が出なくなる。麗華の献身的な支えで声を取り戻すが、第一声は実の母親の麗華ではなく、育ての母親である紅子を探し求めるものだった。それが原因で麗華が豹変したことを知り、自分を責めるが、麗華が元に戻るよう自力で解決しようとする。しかし実の父親が太一でなく真彦だと麗華から告げられ、そのショックから紅子に迎えを頼む。笑顔をなくした紅子に自分の人生を諦めない本来の姿に気づかせ、二人で「麻莉亜」に向かい、康助から麗華を守った。その後、麗華と二人で暮らし、大学生になったある日、探し続けていた紅子と再会。 清瀬太一 - 久保山知洋(第2部まで) 孝太郎と妾・千鶴の非嫡出子、凛子の義弟。傲慢な性格で当主になることに執着し、凛子の食事にヒ素を少しずつ混ぜていた。一方的に想いを寄せている麗華が真彦と婚約し、当初は祝福していたが、やがて自分の気持ちを抑えきれなくなり、麗華を騙して武蔵野の別荘で襲う。さらに紅子や真彦への憎悪を募らせ、真彦を刺そうとするが、真彦を庇った紅子を刺してしまい、自分が警察に逮捕される事を恐れ、真彦と紅子の凛子殺しを警察に密告するが、紅子が太一に刺された罪も被って逮捕されたため、清瀬家に戻る。その後麗華と結婚し、陸軍中尉となっているが、麗華に対し日常的に暴行を加えている。清瀬家の財産を久我山に支払って陸軍中尉の地位を手に入れるが、久我山に屋敷を奪われ金がなくなったため、麗華と眞一を守るために紅子の仕事を手伝うが、取引現場に現れた特高に逮捕されてしまう。紅子が久我山を脅迫したことにより釈放されたが、拘留中に麗華が真彦と親密になったと久我山から嘘を吹き込まれ、一家で無理心中を図ろうとして麗華ともみ合いになり、持っていた包丁が腹部に刺さり亡くなる。 清瀬ミツ - 赤座美代子(第2部まで) 凛子・紅子の祖母。杏子の実母。眞一の曾祖母。早くに夫を亡くし、杏子や家族を守るために、清瀬家の血筋にこだわり凛子を次期当主にすべく、彼女の結婚話を進めようとする。双子の家督争いで滅亡の危機に陥ったことのある清瀬家の家訓に従い、双子の片割れである紅子を殺すよう和子に命令し、杏子には死産だと伝えていた。紅子が全ての罪をかぶって逮捕されたことにより、清瀬家が救われたが、紅子と山田家を切り捨てた。紅子から自分たちの出生の秘密や凛子の死の真相、さらに杏子が壊れてしまった原因を聞かされ、動揺する。久我山に屋敷を奪われた後も爵位を守ることに固執し、杏子に久我山と暮らすよう命じていたが、太一が紅子と逮捕された際、爵位を剥奪され、そのショックから心臓発作を起こし倒れる。だがそれ以降、自分の死期を悟ったのか子爵家へのこだわりを捨て、杏子を取り戻そうと久我山の元を訪れるが、そこで聞かされた紅子と真彦に血のつながりがないことを介抱した紅子と真彦に伝え、紅子の幸せを願いながら亡くなる。墓は凛子の墓の隣に立てられた。
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