添え名
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詳細は「アグノーメン」を参照 第三名が世襲の「家族名」になって以降、ニックネームとしての機能は失われた。新たに生まれた「添え名」(第四名、アグノーメン)は、出生後(すぐにではない)個々の特徴または特技を示すために付けられた。有名な添え名は「ピウス (Pius) 」で、誠実さや神々への畏敬、家族・国家への献身といった徳を見せる物に付けられた。 氏族名や家族名と違って、息子にも同じ特性があったか、同じ行いをしない限り、添え名は普通世襲されなかった。しかし、「アウグストゥス」(尊厳者)や「ゲルマニクス」(ゲルマニアを征服せし者)といった勝利の添え名は、やがて第三名として代々受け継がれるようになった。 「家族名(第三名) 氏族名からの派生名」で述べた、氏族名に接尾辞の「-anus」がついて変化した名は、時に添え名と考えられる場合もある。プリスキアヌス(en:Priscian)は「クラウディアヌス (Claudianus) 」、「アエミリアヌス (Aemilianus) 」をその例として挙げている。
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添え名
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「アウルス・ポストゥミウス・アルブス・レギッレンシス」の記事における「添え名」の解説
一般には「レギッレンシス」というアグノーメン(添え名)は、レギッルス湖畔の戦いに由来すると考えられている。しかし歴史家バルトホルト・ゲオルク・ニーブール(1776年 - 1831年)は、彼の邸宅のあった場所であるとしている。クラウディウス氏族にもインレギッレンシスという添え名を持つものがあるが、後世の年代記編者がレギッルス湖畔の戦いの司令官であったアウルス・ポストゥミウスに対してのみ、この戦いと関連づけたと考えている。リウィウスも、戦いの場所が添え名になったのは、これより300年後のスキピオ・アフリカヌス(紀元前236年 - 紀元前183年頃)が最初であると述べている。
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添え名
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ユーノーは様々な添え名と側面を持ち、崇拝されている。 ユーノー・モネータ(Juno Moneta) 忠告のユーノー。ガリア人のローマ侵入を神殿で飼われていたガチョウが告げたため「忠告する」という名を付された。紀元前345年に建設されたユーノー・モネータの神殿では後に貨幣の鋳造が行われた。 ユーノー・ルーキーナ(Juno Lucina) 出産のユーノー。ルーキーナと同じく、ローマ人では「子どもを光明の中へ出す女神」とも称される。 ユーノー・レーギーナ(Juno Regina) 女王のユーノー。ユーピテルの妻にして、通常「神々の女王」とも呼ばれる。 ユーノー・フォルトゥーナ(Juno Fortuna) 運命のユーノー。 ユーノー・カプローティーナ(Juno Caprotina) 豊穣・多産のユーノー。 ユーノー・ソスピタ(Juno Sospita) 救済・守護のユーノー。 ユーノー・ナーターリス(Juno Natalis) 誕生日のユーノー。 ユーノー・ユガ(Juno Juga) 結びのユーノー。
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添え名
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他の主要なローマの神々と同じように、ウェヌスは女神の異なる側面や役割りを指し示すためのさまざまな添え名があった。 ウェヌス・アキダリア(Venus Acidalia) セルウィウス(Servius)によれば、よくウェヌスがグラティアたちと沐浴したオルコメヌス近郊のアキダリウスの泉に由来する。他の人々はその名をギリシア語のacides(άκιδες)、すなわち懸念または苦労と結びつける。 ウェヌス・クロアキナ(Venus Cloacina, 浄化者ウェヌス) ウェヌスとエトルリアの水の女神クロアキナとの習合で、おそらくはクロアカ・マクシマ(Cloaca Maxima, ローマの下水道システム)の近くで目立っていたウェヌスの像に起因する。その像はローマ人とサビニ人の間で和平が結ばれた場所に建てられた。 ウェヌス・エリュキナ(Venus Erycina, エリュクスのウェヌス、ウェヌス・エルキナ(Venus Erucina)とも呼ばれた) 西シチリアのエリュクス山(Mount Eryx)を起源とした。彼女への神殿がカピトーリーヌスの丘とコッリーナ門の外とに建てられた。彼女は“不純な”愛を体現し、娼婦たちの守護女神だった。 ウェヌス・フェリクス(Venus Felix, 好意的なるウェヌス) "Venus Felix et Roma Aeterna"(好意的なるウェヌスと永遠のローマ)に捧げられた神殿のために使われた添え名。この添え名はまたバチカン美術館の特定の彫刻にも使われる。 ウェヌス・ゲネトリークス(Venus Genetrix, 母なるウェヌス) ローマの人々の祖先、母性と家庭生活の女神としての名称。彼女を敬った祝祭が9月26日に開催された。とりわけウェヌスはユリウス氏族の祖先とみなされたので、ユリウス・カエサルはローマにおいて彼女に神殿を捧げた。この名前はまたアプロディーテー及びウェヌスの像の一つの図像学的なタイプに付随している。 ウェヌス・カッリピュゴス(Venus Kallipygos, 綺麗なお尻のウェヌス) シュラクサイで崇拝された形態。 ウェヌス・リベルティナ(Venus Libertina, 解放女奴隷ウェヌス) おそらくlubentina(“愉快な”または“情熱的な”を意味しているかもしれない)をlibertinaと間違えたローマ人による誤解から生じたウェヌスの添え名である。関連があるかもしれないのは、おそらく葬儀の女神リビティーナと前述のlubentinaとの混同から生じ、リビティーナとウェヌスの融合を引き起こした添え名のウェヌス・リビティーナ(Venus Libitina)—またはLibentina, Libentia, Lubentina, Lubentini, Lubentiaとも呼ばれる—である。エスクイリヌスの丘の神殿がウェヌス・リビティーナに捧げられた。 ウェヌス・ムルキア(Venus Murcia, ミュルトゥスのウェヌス) 女神をわずかしか知られていない神格ムルキアまたはムルティアと結びつけた添え名。ムルキアはミュルトゥスの木と結びつけて考えられたが、他の資料では怠惰と無精の女神と呼ばれた。 ウェヌス・オブセクェンス(Venus Obsequens, いさぎよきウェヌスまたは寛大なるウェヌス) クィントゥス・ファビウス・マクシムス・グルゲスによって第三次サムニウム戦争の間、紀元前3世紀初めに建立された神殿のための添え名。それは姦通で有罪判決を受けた女性たちからの罰金で建てられた。ローマにおける最も古いウェヌス神殿だったし、おそらくはキルクス・マクシムス近くのアウェンティヌスの丘の麓に位置した。その奉納式は8月19日で、ウィナリア・ルスティカ祭において祝われた。 ウェヌス・ウーラニアー(Venus Urania, 天のウェヌス) バシリカ・フォン・ラムドーア(Basilius von Ramdohr)の書物、ポンペオ・マルケージ(Pompeo Marchesi)のレリーフ、そしてクリスティアン・グリーペンケール(Christian Griepenkerl)の絵画のタイトルとして使われた添え名。 ウェヌス・ウェルティコルディア(Venus Verticordia, 心を変えるウェヌス) 4月1日、悪徳からの保護者であるこの名のウェヌスを讃えてウェネラリア祭が祝われた。ウェヌス・ウェルティコルディアの神殿は、3人のウェスタの巫女たちの不貞の償いをするためのシビュラの書の指示で、紀元前114年にローマで建設され、4月1日に除幕された。 ウェヌス・ウィクトリクス(Venus Victrix, 勝利のウェヌス) ギリシア人が女神イシュタルを戦争の女神として東方から受け継いだ、武装したアプロディーテーの様相で、ウェヌスはスッラにもカエサルにも勝利をもたらすことができた。これはポンペイウスが紀元前55年に、カンプス・マルティウス(マールスの野)の彼の劇場の上部に神殿を捧げたウェヌスだった。ウェヌス・ウィクトリクスへの社はカピトーリーヌスの丘にもあったし、彼女への祝祭が8月12日と10月9日に催された。彼女のための犠牲が年に一度、後者の日に捧げられた。新古典主義美術において、このタイトルは“男たちの心に対する勝利のウェヌス”の意味で、またはパリスの審判の文脈でしばしば用いられた(たとえば、カノーヴァによるポーリーヌ・ボナパルトの半裸の横たわる彫像であるウェヌス・ウィクトリクス)。 ウェヌスのための他の重要な添え名は、ウェヌス・アミカ(Venus Amica, 友人としてのウェヌス)、ウェヌス・アルマタ(Venus Armata, 武装したウェヌス)、ウェヌス・カエレスティス(Venus Caelestis, 天のウェヌス)、そしてウェヌス・アウレア(Venus Aurea, 黄金のウェヌス)などであった。
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