氏族名からの派生名
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/05 14:28 UTC 版)
「古代ローマの人名」の記事における「氏族名からの派生名」の解説
男性の何人かは、母方の、または養子に出されたのであれば実の父方の氏族名を変化させた「-anus」で終わる第三名を持っていた。たとえば、ウェスパシアヌス (Titus Flavius Vespasianus) の氏族名「フラウィウス (Flavius) 」は父親 (Titus Flavius Sabinus) の氏族名だが、第三名「ウェスパシアヌス (Vespasianus) 」は母親 (Vespasia Polla) の氏族名「ウェスパシア (Vespasia) 」から付けられたものである。母親の氏族名ではなく家族名から派生した第三名を持つ者もいた。たとえば、カラカラ(本名:Lucius Septimius Bassianus)の第三名は、母方の祖父 (Gaius Julius Bassianus) の氏族名ではなく家族名のバッシアヌス (Bassianus) である(※氏族名を取っていた場合はユリアヌス Julianus になる)。 男性が養子に出された時は、氏族名・家族名は養父のものに変わる。もし望むならば、元々の氏族名を新しい氏族名・家族名の後に付け足すこともできた。たとえば、小スキピオ (Publius Cornelius Scipio Aemilianus) は元々アエミリウス (Aemilius) 氏族に生まれ、のちにコルネリウス氏族スキピオ家の養子となった。マーメルクス・アエミリウス・レピドゥス・リーウィアーヌス (Mamercus Aemilius Lepidus Livianus) は元々リウィウス (Livius) 氏族に生まれ、のちにアエミリウス氏族レピドゥス家の養子となった。しかし必ずしも養子となった人物が出身の氏族名を用いるわけではなく、たとえばアウグストゥス(養子後の本名は Gaius Julius Caesar Octavianus)の場合、成人してからは元々の氏族名「オクタウィアヌス (Octavianus) 」を使わなかった。オクタウィウス氏族がユリウス氏族ほど尊敬を集めなかったからである。
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