機械式アナログ計算機とは? わかりやすく解説

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機械式アナログ計算機

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/30 22:29 UTC 版)

アナログ計算機」の記事における「機械式アナログ計算機」の解説

機械式デジタル計算機については機械式計算機参照紀元前3500年頃、影を利用して視太陽時計測する日時計古代エジプト使われていた。オベリスク方尖塔)もまた、日時計役割果たしていた。起源はさらにその前の古代バビロニアさかのぼると考えられている。 紀元前16世紀頃のバビロニア古代エジプトには、水時計が既に存在していたことが知られている。またインド中国でも古くから存在していた。 記録残っている歴史上最も古い天球儀は、紀元前255年古代ギリシアエラトステネス作ったものに遡るデレク・J・デ・ソーラ・プライス(英語版によればアンティキティラ島の機械天体運行計算するために作られ古代ギリシア機械式太陽系儀である。クランク(現在は失われている)を回転させると、機構太陽、月やその他の天体位置天動説基づいて計算する1901年アンティキティラ沈没船から回収された。紀元前150-100年に製作されたと考えられている。このような複雑さ機械が再び登場するのは、千数百年以上後時代になってからのことである。 天球儀中国でも紀元前1世紀から独自に発展してきた。2世紀天文学者である張衡は、世界で初め天球儀動力導入している。 4-18世紀頃、イスラムヨーロッパ天文学では、アストロラーベ天体観測用の機器として用いられた。アストロラーベ発明したのはヒッパルコスと言われることが多く紀元前2世紀から1世紀こととされる。用途多岐にわたり、太陽、月、惑星恒星位置測定および予測、ある経度現地時刻変換測量三角測量天宮図の作成などに使用された。アブー・ライハーン・アル・ビールーニー1000年ごろ、世界初歯車太陰太陽暦アストロラーベ発明している。1235年には、エスファハーンのアビ・バクルが歯車による暦計算機構を備えたアストロラーベ発明した計算尺は、基本原理固定尺と滑尺という2本の直線ないし円周の長さにより加算を行う器具であるが、対数目盛利用して加算により乗算を行う」ことができる。対数1614年スコットランドジョン・ネイピアによって発表され、その6年後にイギリスガンター対数尺考案した。ただしガンターのそれは、長さ幾何的配置されコンパス利用して2つ目盛長さ加減するもので、現在の形式計算尺、つまり複数の尺をずらして計算する形の計算尺は、1632年ウィリアム・オートレッドにより発明された。便宜のため、通常の対数目盛の他、三角関数等の数種の関数値対数目盛や、理工学技術の各専門分野で使う関数目盛付けられたものもある。 対数利用するものではないが、図形幾何的性質計算のために利用した計算器具広義には計算尺呼ばれることがある航空機航法利用するものをフライトコンピューターといい、横風による偏角向かい風による実質的な飛行距離計算必要な燃料の量に関係するため非常に重要)などを、軽量コンパクトかつ操縦中でも容易な操作でおこなえるようになっている微分解析機は、積分利用するいわゆる微分方程式数値解法を、数値計算代わりに量を利用したアナログ計算による積分でおこなうような機械である。典型的なものは円板使った「まさつ車」で積分を行う。1876年ウィリアム・トムソンの兄ジェームズ・トムソンによって発明された。1927年からH・Wニーマンヴァネヴァー・ブッシュマサチューセッツ工科大学実用版の製作を開始し1931年詳細な報告書出している。日本では同様の機械は3例が知られており、そのうち1セット研究者異動により最終的に東京理科大学移され保存されていた。 東京理科大学は後に「近代科学資料館」にて静態でその微分解析機展示していたが、2013年から2014年にかけ動態とするための復元プロジェクト進められ2015年より動態展示開始した動態展示並列して入出力卓の整備やフロントラッシュ機構復元などが進められたが、2018年度末の同館の閉館により動態展示中断したその後2019年6月同学野田キャンパス設立開館した「なるほど科学体験館」で、静態のFACOM201などの展示再開されており、本機動態展示不定期ないし定期での1時間程度デモンストレーション)の再開検討されているものと思われる1936年には、ジョン・ウィルバー連立方程式求解機を完成させた。ウィルバーのものは9元までの連立方程式数値解得られるもので、世界で数台の同種の機械製作されたとされている。日本製作されたものが唯一の現存機とされ、国立科学博物館常設展示されている。2008年度情報処理技術遺産認定。(2015年現在動態ではない) 20世紀前半には目的応じた専用計算機開発されるようになったドイツではこのような専用機は「コマンドゲレート(Kommandogerät:指令装置)」と呼ばれ8.8cm FlaK 37射撃統制システムBMW 801エンジンコントロールユニット使用されていた。 1947年物理学者エンリコ・フェルミ中性子に関する研究のためにアナログ計算機FERMIAC(英語版)を開発した

※この「機械式アナログ計算機」の解説は、「アナログ計算機」の解説の一部です。
「機械式アナログ計算機」を含む「アナログ計算機」の記事については、「アナログ計算機」の概要を参照ください。

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