検閲事例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 21:43 UTC 版)
詳細は「中国のネット検閲」および「韓国のネット検閲」を参照 政府の公権力により、インターネット上での情報開示に検閲が行われている事例は次のとおり。 中華人民共和国では「网络审查」(網絡審査)という名目でネット検閲が行われ、「防火长城」と呼ばれる中国防火墙(中国のネットと国外の「反中国的サイト」とを隔てるファイアウォール)を設け、世界で最も大規模なサイバー検閲システムを構築した。サーチエンジンでも特定の言葉の検索結果に対してフィルタリングが行われる(→グレート・ファイアウォール及び中国のネット検閲を参照)。 オーストラリア・ニュージーランド。教育観点。オーストラリアは汚職をもみ消そうともした。 ミャンマーでは個人によるウェブ接続やメール送信は認められず、検閲済みのサイトで構成されたミャンマー・ワイド・ウェブなるものが設けられている。現在は企業に一部開放しており、メールは政府による検閲が行われている。2021年にはミャンマー軍によるクーデターに対する抗議活動が行われる中、インターネット接続が一時遮断されTwitter、Facebook、Instagramなどが利用できなくなった他、Wikipediaも検閲された。 キューバでは許可のないインターネットの使用は違法とされている。許可を得られる例の大半は医師であり、医師の近隣住民が海外へのメール送信を依頼するが、キューバ政府はこれを制限しようとしてきた。 チュニジアでは(ポルノサイト、メールサービス、転送サービスなど)数千のウェブサイトがブロックされ、FTPやP2Pの利用が禁じられている。(技術的にプロキシに利用されるポートが封鎖されている。) シリアでは政治的な理由から幾つかのウェブサイトの閲覧を禁止しそれらにアクセスした市民を逮捕した。 大韓民国では「情報通信網利用促進及び情報保護等に関する法律」により政府・情報通信倫理委員会がISPに対して強大な監督指導権限を有しており、朝鮮民主主義人民共和国に共感的と看做される様々なサイトへの接続を認めないように命令した。この他、日本の韓国支配を肯定したり、竹島(韓国名・独島)が日本の領土であることを肯定する記述を含む21の「親日」サイトや5つのコミュニティが「反愛国的」との理由で強制的に削除されたケースも存在する。2012年8月下旬に大韓民国放送通信委員会が親日サイトを制裁することを決め、削除や接続遮断などの言論統制を行っている。2012年9月5日には親日サイトを作った13歳の少年が逮捕された。 イスラム国家の多くではインターネット接続は政府の管理下にあり、「不道徳」とされるサイトのアクセスをブロックしたプロキシを経由して行われる。この中には露骨なポルノサイトのみならずセクシャリティなどに関する議論、議論が行われるブログのホスト、女性の下着のネット販売を含む女性の裸に関する記述のあるサイトなども含まれ、またイスラム教と他の宗教を比較するサイトや政治的に微妙であったり、議論のある話題などもブロックされている。 トルコでは、「政治的な理由」によってYouTube等のGoogle関連サイトを含む、約3700の外部サイトへのアクセスが政府によってブロックされている。Googleグループ#ブロックも参照。 さらに2013年6月、反政府抗議運動を抑え込むためにTwitterとFacebookまで利用制限するに至った。2017年4月には、ウィキペディアへのアクセスも完全に遮断した(2017年トルコのウィキペディア閲覧制限)。 アラブ首長国連邦では国内単一のプロバイダであるエティサラットを通じてセキュアコンピューティングの手法で(すべてのサイトが62のカテゴリに分類され)強制的に検閲されポルノや政治的に微妙なものなど、UAEの道徳観に反すると思われるものはブロックされる。 シンガポールではメディア開発庁(MDA)はインターネット行動規範(Internet Code of Practice)の遵守と自主規制および自社制度を促している。3つの主要なプロバイダによって提供されるインターネットのサービスは治安、国防、人種や宗教間の調和、公衆道徳への脅威となる材料を含むサイトを規制しブロックしており、また警察にはオンラインの通信を傍受する強い権限が与えられている。2005年に3人がブログにて反マレー人・反イスラムなど人種差別を煽動する書込みをしたとして逮捕・起訴され、うち中華系男性2人が扇動防止法のもと懲役を受けた。ブログで教師を中傷する学生を訴えるという教職員組合による警告など、法的対応による脅威が増えることによる萎縮効果が議論された。 モロッコでは2006年3月にLiveJournalなどの多くのブログサイトへのアクセスをブロックした。 タイでは非合法活動の表現を規制するために多くの労力が払われた。タイが管轄するDNSサーバの管理やプロキシの管理によりポルノ、薬物の使用、ギャンブルが厳しく禁じられている。また王室批判は不敬罪で処断される。これによりそれらウェブサイトはアクセス困難になっている。政府はネット検閲を回避する方法を論じたサイトをもブロックした。 ロシアでは裁判所がYouTubeに政治的な動画をアップロードしたプロバイダからのYouTubeへの全てのアクセスを遮断するよう命じた。ウラジーミル・プーチン政権下でネット規制は強化されており、2017年にはLINEが使用不可となった。ロシアのSNS「テレグラム」は利用者間通信の暗号解読鍵の当局への提供を拒否したことから、2018年4月に遮断され、首都モスクワで抗議集会が起きた。このほかテロリズム対策を理由として、ネット事業者が利用者情報と全ての通信記録をロシア国内のサーバに保存するよう義務付ける法律が2018年7月から適用される。
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