検閲の結果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 09:18 UTC 版)
民間検閲支隊(CCD)はさらに10月1日には「進駐米軍の暴行・世界の平和建設を妨げん」という論説を掲載した東洋経済新報9月29日号を押収した。この記事は石橋湛山によって執筆されたものだった。村上義人は、これ以降、プレスコードの規定のため、占領軍将兵の犯罪自体が報道されず、各メディアは「大きな男」と暗に仄めかさざるを得なかったと発言している。 また、一般市民の手紙・私信のうち月400万通が開封され、検閲をうけていた。さらに電信や電話も盗聴された。 江藤淳はGHQによる言論統制についての著書『閉ざされた言語空間』のなかで次のように述べている。 検閲を受け、それを秘匿するという行為を重ねているうちに、被検閲者は次第にこの網の目にからみとられ、自ら新しいタブーを受容し、「邪悪」な日本の「共同体」を成立させて来た伝統的な価値体系を破壊すべき「新たな危険の源泉」に変質させられていく。この自己破壊による新しいタブーの自己増殖という相互作用は、戦後日本の言語空間のなかで、おそらく依然として現在もなおつづけられているのである。
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