検閲の申し立て
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 17:48 UTC 版)
「Instagram」の記事における「検閲の申し立て」の解説
2013年10月に、 Instagramはカナダの写真家 Petra Collinsのアカウントを削除した。彼女はアンダーヘアーがはみ出た下着の下半身のセルフィーを投稿した。写真家のQ.サカマキは、Petra Collinsは写真界で新しく出てきたスタイルまたはムーヴメントである「ピンク・カルチャー」の騎手で、耽美性とメッセージ性をあわせ持つ作家であり、下半身のセルフィーには女性は「ヘアーが下着や水着からはみ出ないように手入れをしておかなければならない」という男性中心社会の偏見にもの申す意図があったと述べている。Collinsは、Instagramの利用規約に違反しておらず、アカウントの削除には根拠がないと主張していた。The Daily DotのAudra Schroederは、 Instagramはポルノや性的な写真の投稿は許されていないが、いったい誰がそれを判断しているのか、 Collinsより性的な写真がサイトにはあるが、これは女性が "femininity" (女らしい)な側面を提示することに見慣れ、受け入れている場であるからに過ぎないと書いている。 2015年には、ビキニから陰毛がはみ出ている写真でオーストラリアのファッションエージェンシー Sticks and Stones Agency's のアカウントを、2015年3月には月経血のついた布の写真で詩人のRupi Kaurのアカウントを停止している。Rupi KaurはFacebookとTumblrのアカウントには "We will not be censored(私たちは検閲されない)" と投稿し1万1000以上のシェアを集めた。 Instagramでは女性の乳首の写真は規制されるが男性の乳首の写真の掲載は問題がない。また女性の乳首が見えても「教育、ユーモア、風刺を目的に投稿される場合はこの限りではありません」とされており、誰がどう判断するのという問題も指摘されている。上記の事件を受け、Instagramが女性の乳首の写真を削除することに抗議し、「男性の乳首」は公共の場で見せることが許され女性には「乳首を出す権利」がないという社会のダブルスタンダードに疑問を投げかける「フリー・ザ・ニップル・キャンペーン」(#FreetheNipple campaign)が行われた。マイリー・サイラス、チェルシー・ハンドラー、ナオミ・キャンベルら多くの著名人・セレブリティが削除されることを承知で乳首の見える写真を投稿し、Instagramの規制に抗議した。 Instagramはこの運動についてあまり発言していないが、CEOのケヴィン・シストロムは、Instagramでのヌード写真に対する厳しい規制はAppleのガイドラインをクリアし、12歳以上向けのアプリであり続けるためであると語っている。しかし、App Storeで販売されているほかのアプリにはガイドラインを超えたコンテンツもあること、Instagramの男女の体の写真に対する対応の一貫性のなさもあり、この声明が正しいかは疑問視されている。
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