板ガラス原料用珪砂の主要産地となるとは? わかりやすく解説

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板ガラス原料用珪砂の主要産地となる

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 02:09 UTC 版)

伊豆珪石鉱山」の記事における「板ガラス原料用珪砂の主要産地となる」の解説

戦時中板ガラス原料である珪砂入手は困難となっていく。フランス領インドシナカムラン湾珪砂は、日中戦争後国際関係悪化によって輸入が困難となり、1939年6月には事実上輸入禁止措置取られた。その後仏印進駐によって、1943年から1944年にかけて海軍用反射鏡製造名目一時輸入再開されたものの、戦況悪化により1944年には再び輸入出来なくなる。また朝鮮半島からの珪砂また、軍事的観点から重要物資とは見なされなかった珪砂輸送用船舶割り当て後回しとなり、戦況の悪化が深刻となる中で海上輸送自体も困難となり、使用難しくなっていく。珪砂入手困難直面した板ガラス製造メーカー旭硝子三菱化成工業)と日本板硝子は、国内産の珪砂確保奔走することになる。しかし国内では板ガラス原料にふさわしい珪砂はなかなか見つからなかった。 終戦後朝鮮フランス領インドシナからの珪砂輸入は完全にストップする。板ガラス原料としてどうしても国産原料を使わざるを得なくなる中で、注目されたのが伊豆珪石鉱山珪石から製造され伊豆珪砂であった終戦直後板ガラス用の珪砂として利用可能資源伊豆珪砂以外存在しなかった。 珪砂鉄分があると板ガラス青緑色となり、粒度大きいと溶解難しくなり、逆に細かすぎると不純物付着しやすくなるため製品悪影響与える。つまり板ガラス用の珪砂鉄分低く粒度揃って適切な大きさであることが求められる伊豆珪砂鉄分含有量は十分低いものの、粒度小さな微粉が多いという欠点があった。しかし伊豆珪石鉱山珪石多孔質粉砕が容易で、粉砕方法工夫した上で貯蔵にも注意を怠らなければ良質な板ガラス原料として利用可能であった質量とも板ガラス原料としてふさわしかったため、戦後まもなくの時期日本における板ガラス原料珪砂供給はその大半伊豆珪石鉱山伊豆珪砂が担うことになった多く都市戦災大きな被害受けており、戦後復興に伴う建設需要の中、板ガラス需要急増する商工省板ガラス建設資材中でも重点資材として増産方針立てる。しかも窓ガラス割れたままで授業が行なわれていた小学校校舎見たGHQは、学校校舎板ガラス製造のため、三菱化成工業重油の特別配給実施した。こうして日本板ガラス産業戦後復興伊豆珪砂重要な役割を果たすことになる。 伊豆珪石鉱山1947年1月時点で、約150名から200名の従業員により月産1500トン珪石採掘していた。宇久須集落から鉱山途中まではトラック通行可能であったが、鉱山近くは急こう配のため車の通行不可能だった鉱山露天掘りであり、採掘され鉱石はまずトロッコ集められ続いて軽便索道粉砕工場へと運ばれ粉砕後は宇久須港まで約4キロメートル索道運ばれていた。また前述のように宇久須港には珪石積み込みのための50トン前後船舶横付け可能な桟橋設けられいたものの、沖合い大型船舶への積み替えが必要で経費掛かり、また風が強いときには荷役が困難となり珪砂生産にも悪影響与えていた。 商工省地質調査所は、1947年1月岩生周一委託して伊豆珪石鉱山珪石鉱床について現地調査実施した日本における板ガラス原料珪砂産出量の大半占め伊豆珪石鉱山増産強く求められていたにもかかわらず鉱床調査十分に行われていなかったため、調査実施して増産が可能かどうか判断することになったのである伊豆珪石鉱山では月産1万トン増産目標立てられていたが、調査結果埋蔵量鉱床採掘条件等から判断して月産1万トン程度増産は十分可能であると判断されたが、鉱山港湾設備増強は必ず行わなければならない課題であると指摘した岩生調査結果に基づき、まず宇久須港の一部埋め立て月産5000トン珪砂生産能力を持つ新工場建設し鉱山設備刷新して、そして更に珪砂大量搬出を可能とするための港湾設備新設することが決定された。産業復興公団融資により1948年1月宇久須港約3000坪が埋め立てられその後1949年6月には埋立地を含む約5000坪の敷地新工場完成した。その他露天掘り改善索道増設が行われた。一方港湾設備に関して1947年10月から1950年3月まで、国庫補助受けた上で静岡県県営事業として築港工事が行われ、1950年4月には1000トン級の船舶停泊できる港湾完成して天候関わらず珪砂積み込みが可能となった鉱山設備刷新新港湾の完成により、伊豆珪石鉱山珪砂供給能力大幅に向上した。 なお伊豆珪石鉱山旭硝子着目して子会社である東海工業鉱山開発進めてきたが、1948年末からは日本板硝子でも板ガラス原料として使用開始し1952年5月からは本格的に使用するようになった日本板硝子伊豆珪石鉱山産の珪砂使用は、愛知県瀬戸市周辺産出される瀬戸珪砂産出軌道に乗る1955年初頭まで続けられた。

※この「板ガラス原料用珪砂の主要産地となる」の解説は、「伊豆珪石鉱山」の解説の一部です。
「板ガラス原料用珪砂の主要産地となる」を含む「伊豆珪石鉱山」の記事については、「伊豆珪石鉱山」の概要を参照ください。

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