岩生周一とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 岩生周一の意味・解説 

岩生周一

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/24 06:40 UTC 版)

岩生 周一(いわお しゅういち、1913年1月9日 - 1999年2月5日)は、日本地球科学者。専門は、鉱床学・堆積岩岩石学。福岡県久留米市生まれ。

経歴

1931年旧制福岡高等学校理科甲類を卒業し、東京帝国大学理学部地質学科に入学。1935年同卒業。1938年地質調査所(現:産業技術総合研究所)の技師に任官。1942年第一次山西学術調査研究団に参加した。1953年東京大学教養学部地学教室の教授となる。1969年同理学部地質学教室教授に転任し、1973年定年・退職、名誉教授となる。その後、1973~1978年千葉大学理学部教授を務めた。また、日本学術振興会など諸機関の委員を歴任し、戦後の日本の復興に非金属資源開発の面から大いに貢献した。1963~1965年には旧イラン王国に出張し、同国の地質調査所設立に尽力したことは特筆される。1973~1974年、日本粘土学会会長。

1950年、東京大学理学博士。論文の題は「混成岩の岩石学的研究、特に柳井地方の岩石について」[1]

業績

地質調査所勤務時代から、一貫して我が国の粘土鉱床や耐火物資源の研究を行い、多くの成果をあげた。特に京都府西部丹波地域に発達する赤白珪石と呼ばれるチャート角礫岩について、詳細な記載を行い、その成因を論じた研究[2]は有名である。また、特殊な化学組成を持つ堆積岩の成因を究明した研究[3]でも知られる。これらの顕著な学会・業界における業績に対し、1986年に勲二等瑞宝章を贈られている。

主な著書・編書

  • 岩生周一・木村敏雄『地球の進化(東大教養地学<第1>)』、東京創元社、1958年。ASIN: B000JATWB4
  • 岩生周一・木村敏雄『一般地質学』、朝倉書店、1973年。ASIN: B000JA2PZO
  • 岩生周一(編)『粘土の事典』、朝倉書店、1985年。ISBN-13: 978-4254162288
  • 末野悌六・岩生周一(共編)『粘土とその利用-主として本邦のカオリンについて』、朝倉書店、1958年。ASIN: B000JAUP5G

関連項目

参考文献

  • 湊秀雄『岩生周一名誉会員の御逝去を悼む』、資源地質、第50巻、76~77頁、2000年。

脚注

  1. ^ 博士論文書誌データベース
  2. ^ 岩生周一・安斉俊男・岡野武雄『丹波地域の炉材珪石鉱床調査報告(総説)』、地質調査所月報、第2巻、138~157頁、1951年。
  3. ^ 岩生周一『新木浦鉱山産“エメリー”鉱に見られるラテライト構造』、鉱山地質、第22巻、359~369頁、1972年。

外部リンク

先代
青峰重範
日本粘土学会会長
1973年 - 1975年
次代
水渡英二



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「岩生周一」の関連用語

岩生周一のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



岩生周一のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの岩生周一 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS