岩版とは? わかりやすく解説

岩版


岩版

主名称: 岩版
指定番号 332
枝番 00
指定年月日 1973.06.06(昭和48.06.06)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書 群馬県佐波郡境町米岡出土
員数 1箇
時代区分 縄文
年代
検索年代
解説文: 角丸【すみまる】の方形をした岩版である。両面損傷がある。全体的に風化甚だしく文様磨滅し明瞭でない部分がある。表面中央大きな渦巻文を彫刻し左右に小さな渦巻文を配する。この渦巻文様の上下に「工字文」を連続する文様帯があり、さらに上部には左右に小さな渦巻文を施文する。裏面の上中央には「山字記号」と呼ばれる彫刻文があり、その下に直径一・八センチほどの円錐形のくぼみがある。
 岩版の分布中心東北地方であり、関東地方以西での発見例少ない。本例は既存の岩版中最大で、損傷をうけてはいるが縄文時代晩期特徴をよく表現している。

岩版

主名称: 岩版
指定番号 339
枝番 02
指定年月日 1974.06.08(昭和49.06.08)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書 秋田県鹿角郡小坂町小坂鉱山字尾出土
員数 1箇
時代区分 縄文
年代
検索年代
解説文: 岩偶> やわらかい凝灰岩【ぎようかいがん】質の泥岩つくった人形である。簡単な頭部と肩があり、その下に腕を表現したかと思わせるような造形がある。顔はないが、手を胸に当てがったような恰好の方がふくらみをもち、前面であろうか。各処に製作時の擦痕がある。
<岩版> 岩偶と同じ石材である。梯形に形を仕上げ上の方に二つの孔をあけている。扁平な両面には、一方鋸歯状に、他面はX状に小さな列点文がつけられている。
 岩偶、岩版は共に縄文時代信仰に関係のある遺物で、前者呪術【じゆじゆつ】のようなことに、後者護符【ごふ】として用いられたものであろう縄文時代前期という古い時期のもので学術的価値が高い。

岩版

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/05 16:02 UTC 版)

群馬県伊勢崎市の北米岡遺跡出土の日本最大級の岩版(群馬県立歴史博物館蔵、国の重要文化財[1]

岩版(がんばん)とは、東海地方から東北地方にかけての縄文時代晩期の遺跡から出土する、凝灰岩砂岩などの柔らかい石の板に幾何学文様を描いた石製品である[2][3]タブレット(Tablet)、石盤(せきばん)とも。

概要

人形をした岩偶などと共に出土し、護符として使われていたと考えられている[4]

エドワード・S・モース大森貝塚で「タブレット」と命名したものを発掘した。岩版について最初に報告したのは、東京都下沼部貝塚出土資料を「石盤」と命名した考古学者鳥居龍蔵と内山九三郎である。それらを分析し考察を行ったのは考古学者大野延太郎である。

考古学者の池上啓介は、東北・関東地方出土の土版・岩版について分類を行い、A型(形態楕円形)・B型(形態四角形)・C型(人面形)の3種に大別したが、天羽利夫は文様などから東北地方で第一類から第六類、関東地方でA類・B類に分類を行った[5][6]

出典

  1. ^ 北米岡縄文文化遺跡(伊勢崎市サイト)
  2. ^ 岩版 サイト:富山市埋蔵文化財センター
  3. ^ 岩版 コトバンク
  4. ^ 岩版 がんばん サイト:文化遺産オンライン
  5. ^ 川添和暁「縄文後晩期の岩偶岩版類について : 東海地域の事例を中心に 」『愛知県埋蔵文化財センター研究紀要(11)』愛知県埋蔵文化財センター 2010年3月
  6. ^ 斎藤和子「岩版•土版の身体表現について-土偶との関わりから-」『Anthropological Science(人類學雜誌)』108巻2号 p.61-79 日本人類学会 2000年 doi:10.1537/asj1998.108.61

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