群馬県茅野遺跡出土品
主名称: | 群馬県茅野遺跡出土品 |
指定番号: | 479 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1992.06.22(平成4.06.22) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 考古資料 |
ト書: | |
員数: | 一括 |
時代区分: | 縄文 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 茅野遺跡は、榛名【はるな】火山外輪山のひとつ、相馬山東南麓に広がる火山性台地上に位置し、平成元年度・二年度の発掘調査で、縄文時代晩期前葉を中心とする規模の大きな集落跡であることが明らかにされた。なかでも、遺跡中央部で発見された湧水跡周辺からは、縄文時代晩期の遺物が多量に出土し、集落と水場との関係を一元的に捉えることができる好例として注目された。 本出土品は、この湧水跡周辺から出土した土器類、装身具類、土偶、各種の石器類等、総数一九五〇箇から構成される。なかでも注目される遺物として、五七七箇に及ぶ土製耳飾【どせいみみかざり】、五五箇の岩版【がんばん】がある。土製耳飾は、晩期前半に盛行した滑車形耳飾を主体とし、無文円環状のもの、ブリッヂ状で透し彫り装飾をもつもの、中実で側面に重圏文【じゆうけんもん】が描かれたもの等変化に富み、赤彩の残る箇体も多い。岩版は白色の軟質凝灰岩【ぎようかいがん】を整形、渦巻文や三角文等を陰刻したもので、一部に被熱痕跡を残すものもある。また、坏の部分に灰を残したままの手燭形【てしよくかた】土製品、耳飾の着装を示す土偶の頭部、玉類、石棒、石剣など、祭祀等に関わる特殊な遺物も数多い。 縄文時代の土製耳飾を多量に出土した遺跡は、茅野遺跡のほか、群馬県千網谷戸【ちあみがいと】遺跡、東京都下布田【しもふだ】遺跡、埼玉県小深作【こふかさく】遺跡、長野県大花【おおはな】遺跡等、関東・中部地方に幾つかが知られている。しかし、茅野遺跡のように、集落構成の全貌がつかめ、そこから多量な耳飾が出土した例はない。なお、耳飾のほとんどは、千網谷戸遺跡出土品、下布田遺跡出土品に比べて小型であり、型式的にもやや古い様相を示す。さらに、関東地方でこれほど多数の岩版が出土した例もない。 以上のように、本遺跡出土品は、縄文時代晩期の拠点的集落の実態を示すとともに、耳飾の集中的な製作、岩版の素材搬入など、遠隔地との交易のあり方を考える上で、興味深い内容をもっている。 |
考古資料: | 群馬県平井一号墳出土品 群馬県綿貫観音山古墳出土品 群馬県舞台一号墳出土品 群馬県茅野遺跡出土品 群馬県蟹沢古墳出土品 羽黒山御手洗池出土銅鏡 羽黒山御手洗池出土銅鏡 |
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