岩手県八天遺跡土壙出土品
主名称: | 岩手県八天遺跡土壙出土品 |
指定番号: | 475 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1992.06.22(平成4.06.22) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 考古資料 |
ト書: | |
員数: | 一括 |
時代区分: | 縄文 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 八天遺跡は、北上市街地の北東約四キロ、北上川中流域左岸の段丘上に形成された集落遺跡である。昭和五十、五十一年の発掘調査で、縄文時代中期末から後期中葉を中心とした柱穴群【ちゆうけつぐん】と土壙群【どこうぐん】とが台地上に地域を分けて検出された。 耳形、鼻形、口形土製品は、この五〇〇基を越える土壙群のうち、三基の土壙から出土したもので、これらはその形態、出土品のあり方から墓壙【ぼこう】の可能性が大きい。土製品の出土状態は、周石土壙【しゆうせきどこう】(H-39-イ遺構)から鼻形土製品が三箇、円形土壙(J-34-イ遺構)から耳・鼻・口形土製品がそれぞれ一箇ずつ組み合って、また円形土壙(I-4-イ遺構)から口形土製品一箇のみが各々出土した。 これらの土製品は、いずれも素焼きで、ほぼ実物大に形成され、縁片部には円孔が幾つかずつ穿たれている。また、その造形表現は、耳・鼻形土製品がきわめて写実的であるのに対し、口形土製品は口唇に無数の突起を作り、口髭【ひげ】の抽象的な表現を想わせる。これらの用途については、木製あるいは皮製の仮面本体に、細紐で綴じ付けて用いる仮面部品と考えられており、類例は岩手県立石【たていし】遺跡、萪内【しだない】遺跡、宮城県宝ヶ峰遺跡にも知られている。しかし、八天遺跡例のように、複数の土製品が、あたかも墓の副葬品と思われる形で出土した例は、他に萪内遺跡における土壙出土の鼻形土製品一箇が知られるのみである。 以上から、本土製品は縄文時代の習俗ならびに葬送儀礼の実態を考える上で、重要な意義をもっている。 なお、遺跡は昭和五十三年、史跡に指定された。 |
考古資料: | 岩代米山寺経塚出土品 岩偶 岩宿遺跡出土品 岩手県八天遺跡土壙出土品 岩手県蒔前遺跡出土品 岩版 岩版 |
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