宮城県里浜貝塚出土品とは? わかりやすく解説

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宮城県里浜貝塚出土品

主名称: 宮城県里浜貝塚出土品
指定番号 533
枝番 00
指定年月日 2000.06.27(平成12.06.27)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書
員数 一括
時代区分 縄文
年代
検索年代
解説文: 本件は、里浜貝塚西畑地区)から出土した縄文時代晩期貝塚出土品一括である。
 遺跡は、宮城県桃生郡鳴瀬町宮戸西畑日本三景として名高い松島湾北部宮戸島所在する縄文時代晩期貝塚で、島の北部標高五-三メートル範囲に九か所の地点あるいは斜面貝塚が群在し宮戸島貝塚とも通称される。本貝塚は、明治三十年ころより高島多米治による遺物採集がなされ、その採集品はN・Gマンロー著『プレヒストリック・ジャパン』(明治四十一年)に紹介明治末年にはすでに人びと知られていた。大正年間には、東北大学理学部古生物学教室によって数次発掘調査がなされ、昭和二十六年から一〇年間にわたり、宮戸島遺跡調査会による発掘調査実施されている。
 昭和五十四-五十九年、このうち西畑地区称される貝塚北部貝層東西三七・五メートル南北二〇メートル)を対象に、東北歴史資料館が六次にわたって学術発掘調査実施し厚さ約三メートルにも及ぶ貝層堆積と、埋葬遺構二基が検出された。本件は、この調査出土した遺物である。
 遺物は、骨角牙製品二九三点と貝製品九一点を中心に石器石製品一六八点、土器・土製品三八点で構成されるとりわけ本件特徴づけるのは、豊富な骨角牙製品存在である。骨角牙製品釣針・銛頭・鏃・やす等の漁撈狩猟具と、髪飾・管玉平玉・垂飾等の装身具見るべきものが多い。特に釣針は、長さセンチメートル超える鹿角単式のものがほとんどで、対象とする大形であることを物語る。銛頭・鏃・やすは鹿角エイ尾棘等を素材とし、燕尾形、単式組み合わせ式等豊富な種類構成され多くの箇体にアスファルト痕が観察される。また装身具には、鹿角用い、複雑で美し入組み文を彫刻した髪飾や腰飾猪牙オオカミ臼歯・鹿切歯骨製の垂飾、さらにや兎等の長管骨を利用した管玉サメ椎骨製の平玉等がある。貝製品には貝輪、垂飾があり、貝輪には未製品含まれる石器石製品石鏃石槍石錘石匙等の漁撈狩猟具と、岩版石棒石刀等の儀礼用具加えて装身具としての玉がある。土器・土製品は、深鉢鉢形土器一〇箇、浅鉢形土器一一箇、壺形土器六箇、香炉形土器一箇製塩土器三箇と、土偶残欠六箇、玉一箇構成されるが、なかでも全形うかがえる製塩土器は、松島湾沿岸における縄文時代製塩技術を知るうえで、貴重な資料である。
 以上、本件縄文時代海浜集落における生活の実態とりわけ漁撈狩猟活動豊富な装身具に見る精神文化諸相復元するうえで、学術的に高い価値をもっている。



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