富山県境A遺跡出土品とは? わかりやすく解説

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富山県境A遺跡出土品

主名称: 富山県境A遺跡出土品
指定番号 528
枝番 00
指定年月日 1999.06.07(平成11.06.07)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書
員数 一括
時代区分 縄文
年代
検索年代
解説文: 本件は、境A遺跡から出土した縄文時代中期から晩期の、玉類および磨製石斧製作関係遺物中心とした出土品である。
 遺跡は、富山県下新川郡朝日町境に所在する。この地は富山新潟県境から約一キロメートル立山連峰北端日本海なだれ落ちる親不知おやしらず海岸西方にあたり、強い波浪打ち寄せる礫浜から、狭小な砂丘海岸低地隔てて遺跡をのせる数段海岸段丘形成されている。昭和五十九・六十年この段丘に沿って北陸自動車道建設されることになり、工事先立って遺跡主要部分一二一〇平方メートル発掘調査された。その結果縄文時代中期竪穴住居跡三四軒、中期から晩期土坑一、五〇〇基以上、晩期巨大なクリ材を使用した円形列【もくちゆうれつ一基等が検出され遺構内外から土器類石器類を主とした膨大な量の遺物出土した
 遺物は、硬玉【こうぎよく】を原石から大珠【たいしゆ】や勾玉まがたま】等に加工し製品に至るまでの玉製作関係遺物三二点、さらに蛇紋岩【じやもんがん】の原石から磨製石斧未製品製品までに至る磨製石斧製作関係遺物五八三点と、中期深鉢形および台付鉢形土器を主とした土器・土製品七七点、石鏃打製石斧石錘等の石器石製品類八三三点で構成される
 これらのうち、本件特色づける遺物は、玉類製作関係遺物磨製石斧製作関係遺物二者である。縄文時代中期から晩期までの資料があり、前者は当遺跡集積され多数硬玉原石をはじめ、整形研磨穿孔の各段階未製品から完成品までを網羅する。また後者は、原石の敲打成形【こうだせいけい】から刃部整形を含む製作工程段階資料構成される硬玉露頭は、県境越えた新潟県青海町糸魚川市にあり、遺跡前面拡がる宮崎海岸には、この硬玉蛇紋岩とともに転石の状態で漂着し、これが遺跡持ち込まれたものと考えられる
 当遺跡のほかにも糸魚川市長者原【ちようじやがはら】遺跡や同市寺地【てらぢ】遺跡など産地に近い、限られた集落硬玉集散加工が行われ、その製品北海道から九州に至る広大な地域もたらされ可能性指摘されている。
 以上本件は、縄文時代の玉類、磨製石斧製作した遺跡の出土品として、貴重なのである



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