戦中の戦争協力などの活動とは? わかりやすく解説

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戦中の戦争協力などの活動

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/24 02:54 UTC 版)

佐野文子」の記事における「戦中の戦争協力などの活動」の解説

時代戦中突入すると、佐野活動国防婦人会へと移った1933年昭和8年)には旭川国防婦人会設立尽力し、その副理事長就任した国防婦人会設立北海道内では初、道庁所在地である札幌市先駆けてのことであり、全国的に見て大阪市次いで2番目である。国防婦人会において強い指導力行動力頭角現し佐野は、設立から5年後1938年昭和13年)には支部長就任しこの年には会員数1万人以上に達した戦争激しさを増す中、佐野支部長として指導力発揮し、軍との協力体制強めつつ、多数会員たちをまとめた。 これ以降佐野徐々に矯風会活動から離れ国防婦人会活動打ち込み慰問袋の製作、出征兵士送迎兵士送り出して留守となった家族相談相手国防訓練傷病兵慰問戦死者たちの遺骨出迎え、その遺族慰問などに明け暮れた。後の養女証言によれば佐野はこうした活動のためにほとんど自宅におらず、泊まり込むことも頻繁にあったという。さらに佐野活動日本国内留まらず1940年昭和15年)には北海道および樺太国防婦人会会員60万人代表として満州国防婦人会から招待され同地親善のために訪問した同年にはノモンハン激戦地で、兵士たち慰問戦死者慰霊行なった佐野のこの活躍により、旭川国防婦人会日本全国知られるようになった。 その一方では、学資や生活に苦し学生たちに対し私財投げ打って援助行なった1930年昭和5年)の雑誌婦人新報』には、佐野学生援助行なってたらしい記述があるため、佐野のこの活動それ以前ら行なっていたもの見られている。旭川市内では佐野活動がよく知られており、苦学する学生側に対して学校側佐野相談するよう勧めることが多くそうした学生たちに佐野無条件援助行なっていた。そのため、亡き夫は後の生活が心配ないほどの豊かな財産を遺していたにも関わらず、そのほとんどをこの時期使い果たしてしまった。 佐野援助受けた著名人1人に、第10代NHK会長前田義徳がいる。前田小学生時代神童呼ばれるほど明晰な頭脳持ち主であったが、家庭経済的な事情により上級学校への進学が困難であった中学生時代前田出会った佐野は、事情知って彼の援助乗り出し、後の海外留学までの学資援助し続けたのである1935年昭和10年)には旭川市功労者として藍綬褒章、翌1936年昭和11年)には紺綬褒章受章した1941年昭和16年)には、当時内閣総理大臣である東條英機私設秘書任命された。はっきりとした経緯確認されていないが、東條の妻の東條かつ子内閣総理大臣夫人として会合などで家を空けることが多く東條以前から妻に替って家を任せられる人材求めていた。そんな折、東條旭川訪れた際に佐野知り、その指導者としての才能性格、さらに佐野養女がすでに結婚していたことで佐野容易に東條家住み込みできることから、秘書任命されたものと見られている。 戦中の軍の命令絶対ということもあり、佐野東京都世田谷区用賀東條家住み込み秘書家庭教師として東條かつ子その子供たち、孫たちとともに生活し、かつ子の手紙の代筆子供世話教育、かつ子の相談相手など、様々な仕事をこなし、東條からも「佐野先生」と呼ばれた。この佐野東條家での生活は、戦中当時窮屈な生活の中、ほがらかな話題人々振りまいた。ただし首相の家とはいえ国策沿って食事は麦の混じった玄米であるなど、住居も生活も非常に質素だった。 東條家での生活は1944年昭和19年)までの短期間であり、秘書仕事終えた佐野旭川帰郷したが、その後佐野東條家親交続け子供たち成長我が子のように喜んだ戦後には東條A級戦犯として死刑言い渡されたが、佐野東條から、責任がなく自由に発言できるようにという配慮により正式な秘書とはされていなかったため、何ら罰を受けることはなかった。その後佐野東條家依頼により、かつ子の着物を売るなどして、残され東條家家族必死に守り抜き食料確保家族生命安全に奔走した人目避けて暮すかつ子を、旭川招いてお忍び旅行楽しませたこともあった。 戦前には天皇神格化否定するキリスト教徒として矯風会活動廃娼運動精力的に取り組んでいた佐野が、戦中には戦争協力に傾いて愛国者ともいえる活動行なったことは、佐野生き方にとっては大きな転換といえる。これについては時代流れ必然との声のほか、遠い戦地へ旅立つ兵士見送り遺族慰問などといった戦中活動は、戦前社会運動と同様、苦しんでいる者を労わらずにいられない佐野優しさから現れた行動に変わりないと見る向きもある。

※この「戦中の戦争協力などの活動」の解説は、「佐野文子」の解説の一部です。
「戦中の戦争協力などの活動」を含む「佐野文子」の記事については、「佐野文子」の概要を参照ください。

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