帝国編
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タッタ・スウィフトフット 声 - 小西克幸 鳥人間族ミュルーンの伝令。エフィとアンディにとっては最初の仲間であり、200年後もエフィの盟友として子孫が登場している。 お金が大好き(ミュルーン族は総じてお金に強い執着を示すが、大抵は「通貨」というより「貨幣という物体そのもの」に対するものである事が多い。だが、タッタの場合は通常の意味でのお金好きである)であるが、それ以上に義理人情に厚く、友人には無償で協力することも多い。そのため、幼女メノアにも懐かれている。一行の中では冷静な判断力を有しており、参謀格として活躍する。 当初は純粋な戦士であったが、後半では小型竜巻を巻き起こす能力に覚醒している。 元々はかなりの倹約家であったが、後に妻になるニートの借金を返したことで吹っ切れてしまい、長男が生れた後は過分の小遣いを渡す様になってしまった。 強烈な海・湖恐怖症で、長男が生まれ成人するほどの期間も旅を続けても治らないほど。 ニフトール・ノヤセ アンディとエフィ同様にザノス残党に捕まって協力を強制させられていた中年盗賊。タマット神官。トリースに脱出する旅客船で双子と再会する。 酒好きな助兵衛中年であるが、盗賊としての技量と眠りの呪文の腕前は抜群であり、経験の深さで双子を助けることも多かった。終始エフィの気を引こうと努力している。 実はエフィ達の外伯母エルミーラの旧友であり、旅客船で出会ったのはエルミーラからの双子の護衛要請に応じてのこと。リプレイ版では銀の月の神の呪いを受けて、小説版では地底で漆黒の王子ウォルグレイに追い詰められた仲間を助けるために自分の意志で銀の月の神と契約し、〈多足のもの〉に変貌してしまう。 その後、盗賊の腕と眠りの呪文を生かして爬虫人に捕まった〈多足のもの〉達を救出したことから、彼らの尊敬を勝ち得る。角川版リプレイでは〈黄金の姫〉との最終決戦で人間に戻るが、小説版や富士見版リプレイでは人間に戻れず、ユエル・サーガ時代でも〈多足のもの〉の重鎮にしてエフィの盟友として活躍している。 リアストラ・ヘイル サリカの神官でメノアの母。〈聖なる母の結社〉の末端構成員。通称リアラ。 元々はザノス貴族の妾腹の娘であったが、カータリオンに助命されて看護婦としての人生を与えられる。従軍看護婦として手当てしていたトールメイラー・スレム(トール)と恋に落ちるが、親友のサーナイア(サーナ)の婚約者という素性を知って身を引き、その際に身ごもったメノアを独力で育てていた。 〈聖なる母の結社〉の指令でメノアをトールに引き渡すべくキーンブルグに向かう途中で父の仇を追っていたエフィとアンディに出会い親交を結ぶ。しかし、トールが領主を務めるキーンブルグでメノアがザノン残党に人質にされてしまったことで双子共々、嫌々ながら彼らに協力する羽目になる。 実はザノン残党の後ろにいたのは彼女の旧友でトールの正妻サーナイア・スレム。〈聖なる母の結社〉に恨みを持つ黒翼鳥に「結社がサーナを消してエフィをトールの妻にする」との情報を吹き込まれ、エフィごと結社を葬り去るために仕組んだ作戦であった。リアラは崩壊するキーンブルグ城の隠し通路で旧友の説得を試みるも、〈悪魔〉に乗っ取られたサーナに殺害されてしまった。 トールメイラー・スレム キーンブルグの領主でメノアの父。通称トール。 領主、武将としても有能である上に、誠実で子供に優しい好人物。トルアドネス建国戦争中にリアラと恋仲になるが、戦後は婚約者であったサーナイアと結婚。長男をもうけ、幸福な生活を営んでいた。 しかし、黒翼鳥にそそのかされた妻に毒を盛られて寝込んでしまう。キーンブルグ城崩壊後、タッタによってザノン残党から救出されたメノアを引き取り良好な父娘関係を築くも、毒によって奪われた体力が回復する前に死病に侵され、メノアをサーライトに託して病死した。 カータリオン・ティーグ ザノス公国公王で建国帝ライテロッヒ・ジェムの舅。エフェメラとアンディの父ラスティの又従兄。 質実剛健で公正な君主であり、多くの部下や領民から尊敬されているが、親類のハンニバル同様女性に弱いという欠点を持っており、死んだ途端に息子達が権力闘争を始める元凶になっている。 <聖なる母の結社>を詳しく知る数少ないトルアドネス最高幹部の一人であったが、ザノス残党にメノアを人質をとられて無理やり協力させられていたアンディとエフィを助けるため、自分の剣を身分証明書代わりに渡した隙を突かれて黒翼鳥に唆された姪のサーナに暗殺されてしまった。 黒翼鳥 声 - 川原慶久 黒い鳥をトレードマークとする、両性具有の邪術師。 両性具有の魔術師として産み出され、自分を失敗作と見放した<聖なる母の結社>と実母、そしてセクハラを繰り返した師匠への憎悪から<悪魔>と契約した。 カータリオン暗殺事件を引き起こしてエフェメラとアンディを指名手配犯にし、彼等を利用して帝国における<聖なる母の結社>の本拠地に侵入することに成功するが、その作戦すら自分が捨て駒として<聖なる母の結社>にいいように使われていた一環であった事実を突きつけられ、絶望しながら警備用ゴーレムに殺害された。 レルシェ 声 - 金月真美 帝国内では迫害されるアルリアナの高司祭で旅芸人一座の歌手。カータリオン公王殺害容疑で追われていたエフィとアンディを匿う。 当時のアンディを圧倒する程の〈アルリアナ蹴打術(ダルケス)〉の名手にして、エフィ以上の呪文の使い手。 実は〈白金の姫〉ユメリアのエージェントであり、双子を〈四姉妹〉の味方に懐柔する任務を帯びて接触したものの、アンディと本気で相思相愛になってしまう。ユメリアへの恐怖とアンディへの愛情の板挟みになった結果、彼と心中を図ろうとするが、エフィとアードの妨害によって失敗、アンディのソードブレーカーで心臓を貫かれて死亡した。 アード・ハウリングウルフ(吠える狼) サイスの森出身、プファイト氏族のエルファ。サイスの森でも有名な問題児であり、殺人事件を起こして生まれた部族を追放された後サーライトに拾われ、密偵として仕えている。はぐれエルファゆえ、元の氏族名“サイレントウルフ(静かなる狼)"の逆しまを名乗る。尚、追放された直後に重傷を負ってラナークに救われており、その件に関して彼に恩義を感じている。 密偵としての任務を隠しつつアンディとエフィに接触し協力する。エフィに惚れている部分もあり、黄金の姫が滅びた後も暫くの間、彼女と行動を共にしている。その後もある種の腐れ縁的な関係が続いていく。 リプレイではガサツさが目立つことが多く、短絡的な行動も少なくない。 サーライト・ティーグ ザノス・トルア公王カータリオンの末子でトルアドネス建国帝の義弟(妻の弟)。親類にはハンサムやサーナイア・スレムらがいる。お忍びの際は「サーティグ」という偽名を使う。 礼儀正しい好青年を装っているが、かなりの謀略家であり四姉妹と手を組んで<聖なる母の結社>を潰し、その後にはアンディと協力して四姉妹と政敵である二人の兄を倒している。この時期にエフェメラに求婚しているが、マザコンの利己主義者という本性を見抜かれて手酷く嫌われている。 四姉妹を滅ぼした後、世界の覇権を手中に収めるべく、<滅びの世界>から来た自分と<滅びを免れた世界>のメノミリアを暗殺(尤も二人の息子であるジーゼは取り逃がしている)したり、アンディと<滅びの世界>のメノミリアを捕らえて強制的に子供を合成する等策謀の限りを尽くすが、<月に到る子>として覚醒したアレイシアに魂を浄化されてしまった。 本作全般における黒幕あるいは油断ならぬ味方であり、非常に危険な人物である。決して善性の無い人物ではないが、アンディらと比べて基本的な行動指針はトラウマやコンプレックスに由来し、前述の通り目的のためには誰でも利用し殺せる、冷酷な性根を持つ。
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