国内線ターミナルビル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 10:00 UTC 版)
開港時は1963年に開設された千歳空港の空港ターミナルビルを使用していたが、それに代わる施設として1992年7月1日に供用を開始した。滑走路北端西側に位置する地上4階建(一部5階建)、地下1階の鉄骨造一部鉄筋コンクリート造で、延床面積は18万2,517平方メートル。日本空港コンサルタンツ・日建設計・クリエート山本設計室・北海道開発コンサルタントが設計・監理を、東急エージェンシーがコンセッション設計監理を、鹿島建設・地崎工業などの共同企業体が工事を担当した。 建設にあたっては「21世紀に向けて北方圏や北海道を代表する建築であること」「動線が長大なため明快であること」「自然光を考慮した大空間や吹き抜けで空間的余裕・安らぎが得られること」「北海道らしさの特徴付けや演出が得られること」といったデザインの指針が示され、上空から見るとアメリカ合衆国テキサス州のダラス・フォートワース国際空港を模した半円周型をしており、円弧を滑走路側に向けた構造とした。外観は空を映し出す青系のガラスカーテンウォールの壁面で北海道らしさを演出しエプロン側の2階待合室の窓際には傾斜したガラス屋根をあしらい3・4階からの眺望を高めており外構には透明感ある庇やモニュメントを配した。館内は航空会社別に動線を分け動く歩道等の移動設備を削減し維持管理費の節減につなげ中央部にはシンボルとなる吹き抜けのアトリウムを設けチェックインロビーにも自然光を取り入れ変化をもたせる形とし、道路も出発用と到着用で乗降場を分ける形とした。国際線ターミナルビルの供用に伴い、2010年3月26日から国内線専用のターミナルビルとなった。 2010年前半から、国際線ターミナルビルとの接続部付近を中心とした増築工事が行われ、2011年7月15日に第1期施設がオープンし、2012年3月16日に全面オープンした。事業費は約200億円で、増築面積は約2万9,330平方メートル。出発ロビーや商業施設などが拡大し、温浴施設や映画館などが新設された。 就航便数の拡大や旅客数の拡大に伴い、混雑の解消と機能の向上を目指して2015年3月16日から施設整備工事に着手。約200億円をかけて、約4万7,000平方メートルを整備し、2018年8月に再整備を完了。LCCや全日空団体用カウンターを1階から2階への移設のほか、出発ロビー出発口の拡充・再配置、手荷物検査にインライン方式を導入する。(スカイマークを除く) 円弧上に18基のボーディングブリッジが等間隔で並んでおり、その大部分はボーイング777やエアバスA350クラスの大型機も使用可能である。1階が到着ロビー、2階が出発ロビーで、北半分の0 - 10番ゲートを全日空、エアドゥ、ピーチが、南半分の11 - 19番ゲートを日本航空、フジドリームエアラインズ、ジェットスター・ジャパン、スプリング・ジャパン、スカイマークが使用している。 地下1階にはJR新千歳空港駅が直結。2階から4階には飲食店や土産物店、ホテルなどが軒を連ねる。天然温泉付温浴施設の「新千歳空港温泉」は、空港ターミナルビルの閉館後を含む午前10時から翌9時まで、23時間営業。宿泊機能もあり、入浴や休息のほか、道内遠隔地からの早朝便の利用や、悪天候などでの夜間の欠航の際に一時待機先として選択できるようになった。ただし、定員を超えるとホテル宿泊者を除く一切の入場は無条件で断られる。ほかにも千歳市内では27年ぶりとなる映画館「新千歳空港シアター」は、大規模な欠航が発生した場合に空港側の判断により乗客に開放されることがある。また、長野県を中心に展開するゲームセンター「アピナ新千歳空港店」があり、飛行機を待つ時間に暇を潰せるスポットとなっている。 着陸料以外の非航空系の収入では、地方空港の中でトップクラスの収入を記録し続けている。そのため、他の地方空港の関係者による視察が絶えず、中部国際空港も開港時には経営モデルとして参考にしたと言われている。 2018年4月1日より、京成電鉄が成田空港駅又は空港第2ビル駅からのスカイライナーと都内の東京メトロ、都営地下鉄に乗り放題のチケット、「スカイライナーバリューチケット」の自動券売機が、国内線搭乗待合室内に設置された。 開館時間: 5:00~23:00(早朝、深夜便運行時は変更することがある。)
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