北海道編の登場人物
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「狂四郎2030」の記事における「北海道編の登場人物」の解説
光明、無明(こうみょう、むみょう) 極秘のデザイン・ヒューマン計画によって誕生した双子の兄弟。遺伝子操作児の国産第一号。結合双生児だったためかテレパシーにより離れても会話が出来る。同じ遺伝子を共注意有しているため、同じ年齢で遺伝子欠陥による腫瘍を発症しており、お互いに不気味な外見をしている。 弟の無明は肉体的には完璧な容姿を持つ人間であったが、基本的に脳筋で物事をそのまま受け止めてしまう正直すぎるところがある。遺伝子欠陥による腫瘍を発症し外見的に醜くなってしまい、存在価値がなくなったため地下要塞から追放される。その姿に恐怖を抱いた民衆に殺されそうになったところを、僧侶・最海に救われ、(外見は)僧侶になった。優しい心持ちの人間であるが、自分の愛した女性、良子を殺した二条を許すことが出来ずに復讐と兄・光明を救出するための旅に出る。 兄の光明は、遺伝子欠陥により子供の体躯のままで成長が止まっている。そのため失敗作として処分されそうになったが、頭脳は超天才と判明し生き延びる。彼の発明による新兵器は、ゲノムの政権奪取・維持と、日本の軍事国家化に大きく寄与する。弟と同時に皮膚病を発症するが、その才能ゆえに地下要塞で保護(監禁)され続ける。光明は幽閉状態の二条憲政の主治医も兼ねている為、唯一、二条と対面でき、その立場を利用して二条の復権工作と二条をマインドコントロールしての院政を目論む。実は無明が最海に救われた件も、その陰謀の一環であり、無明にその肝心な点は秘密にしたまま、外部からの工作を担当させていた。 まほろばと共に管理センターに潜入した無明と待ち受けていた光明は再会するも、自分たちが一緒に生きていくには権力者による庇護を得るために協力する(光明曰く「悪魔に魂を売る」)しかないとテレパシーで説得した。結局脱出自体は西城の密告によって失敗したが、兄弟2人は地下に幽閉されるとはいえ一緒にいられるようになる。しかし光明は、いずれはゲノム三将のうちの誰かが自分を必要とし迎えに来ると信じており、欲によって自分を生み出した人間を蔑んでいるような言動が見られる。 ゲノム三将 二条憲政の腹心の部下。ゲノム党副党首の斎藤、総務会長の城島、幹事長の服部の三人。それぞれ現在は陸海空軍大将として軍を統括している。二条が老化により行動不能になっている間に欲が出て、二条憲政を幽閉しトロイカ体制で政治の実権を完全に奪った。西条の内部告発によりまほろばの作戦を逆に利用して、二条憲政の権力を完全に失墜させる。 光明からは三人が互いに牽制し合い、それぞれがいつかは他の二人を追い落として権力の独占を狙っている事を看破されている。 西城英夫(さいじょう ひでお) 表向きは“カミソリ”の異名を持つ乱暴者の軍曹だが裏では「まほろば」の工作員。狂四郎の過去を知る人物の一人。狂四郎のMAS(陸軍特殊部隊)時代のパートナーだったが、狂四郎の圧倒的な戦闘能力に常におびえていた。彼も結婚していた妻に、MASの任務で自覚もなく変貌していく自身を恐れられて刃物で刺され、逆に妻を殺害した経験を持つ。 当初は「まほろば」に忠誠を誓う工作員であったが、接触したユリカに心惹かれていき、任務の名目でユリカを束縛し己のものにしようとし始める。 そしてある時、一度のミスのせいで「まほろば」内部の工作員リストの中から自分の名前が消された事に気づいて自分の扱いの軽さに嫌気が差し、ゲノム三将に「まほろば」の内情を告発。その功績を認められ大尉までのし上るが、それまで軟禁していたユリカに、有頂天になっていた隙を狙われ絞殺される。 桜井少尉(さくらい) 「まほろば」のメンバーで西城の上司に当たる。基本的に小物でリスクは確認するより前に切り捨てるタイプで“鉄面皮”と呼ばれている。狂四郎とユリカを第三国に雇われた工作員だと疑い処分しようとしたが、利用価値を見出した米内に止められる。その後、狂四郎とユリカを現実に会わせる事に協力するが、最後は光明救出部隊を指揮しエレベータを抜けて脱出が成功する直前まで進み、先回りしていたゲノム三将の兵に逮捕された。 最海 / 海野(さいかい / うみの) 地上に追放された無明を世話した和尚。無明の心に暖かいものを与え、幸せな時間を提供していたが、ある時戦場にて子供を守って死亡した。 実は生きており、さらに正体は無明を監視・保護するために極めて巧妙に仏門者を装った、ゲノムの工作員だった。その後まほろばに潜入し光明救出部隊の一員として姿を見せる。エレベータを抜けて脱出が成功する直前に先回りしていたゲノム三将の兵に射殺された。 一橋良子(ひとつばし りょうこ) 発生生物学者。光明、無明兄弟が15歳の時に軍の研究所に来た初めての女性スタッフ。二人が腫瘍を発症した際、ほとんどの医者が匙を投げたが、良子だけは辛抱強く治療を続けていく。やがて無明と愛し合うようになるが、国家財産に手を出したという名目で二条憲政に惨殺される。 実は外見的に異常なデザイン・ヒューマンと性交する事を好む性的異常者であり、無明と性交したのもその性癖ゆえであり、その現場の写真を見せられた光明を失望させる。だが無明からは、合成画像による虚偽の可能性を指摘される。 柳沢洋次郎(やなぎさわ ようじろう) 科学技術大臣。軍の研究所で光明、無明兄弟を幼い頃から管理していた。光明が超天才であるのを見抜き、その手柄で現在の地位を築く。二条のプライベートコンピュータに侵入した犯人は光明ではないかと疑っている。 米内光政(よない みつまさ) 旧自衛隊元帥。旧自衛隊の中では、現ゲノム体制で最も高位に上り詰めた一人。旧自衛隊員には神格化されており、狂四郎のような旧自衛隊系以外の軍人出身者からも敬愛されている。先細りにある旧自衛隊派をまきかえすために秘密結社「まほろば」を結成運営する老人。見た目は温和で、語り口は聡明そうだが実は心中の差別感情は高く、残虐性を秘めた老人。
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