今後、輸入が懸念される感染症とは? わかりやすく解説

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今後、輸入が懸念される感染症

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 17:56 UTC 版)

輸入感染症」の記事における「今後、輸入が懸念される感染症」の解説

今後日本国内への輸入懸念される感染症として、以下のものが挙げられる中東呼吸器症候群(MERS) 新型コロナウイルスであるMERSコロナウイルスによる感染症で、感染力致死率が高い。サウジアラビアなどの中東地域流行している他、2015年には韓国多数死者出た2002年には、MERSコロナウイルス類似したSARSコロナウイルスによる重症急性呼吸器症候群(SARS)が中華人民共和国発生し世界中拡大東南アジアカナダ多数死者出した2019年より、SARSコロナウイルス2によるCOVID-19発見されている。このウイルス中華人民共和国湖北省武漢市における新型肺炎流行原因ウイルスである。その後ヨーロッパアメリカ合衆国含めた世界中パンデミック拡大し日本でも多数感染者出している。2020年2月より、日本感染症法において、この新型コロナウイルスによる感染症第二類感染症MERSSARSと同じカテゴリ)相当の指定感染症として扱われる。 「日本における2019年コロナウイルス感染症の流行状況」も参照 鳥インフルエンザ ニワトリからヒトへの感染例が中国東南アジアなどで報告されている。ウイルスヒトからヒト伝染するタイプ変異した場合日本侵入する危険性がある。 急性灰白髄炎ポリオポリオウイルス引き起こす感染症日本では1980年以降野生種発病みられないが、ポリオワクチン接種率低下する再流行する。 黄熱 デング熱ジカ熱などと同じく、カが媒介するウイルス感染症アフリカ諸国南米大陸流行している。アジアには常在しない。黄熱ワクチン予防できるが、発症した場合致死率が高い。 日本では戦後輸入例を含め黄熱発症例報告されていない2016年中国アジア初め黄熱輸入症例報告された。 ハンタウイルス感染症 齧歯目ネズミ)が媒介するハンタウイルスによる感染症ヒトからヒトへの伝染はないが、感染する致死率が高い。 腎障害肝障害特徴とする腎症候性出血熱と、肺水腫特徴とするハンタウイルス肺症候群の2疾患がある。腎症候性出血熱東アジア朝鮮半島中国大陸)とヨーロッパ東ヨーロッパ北ヨーロッパ)で流行しており、肺症候群アメリカ州流行している。 日本でも1960年頃から約10年間にわたり大阪市北区梅田流行し死者出ている。 エボラ出血熱 エボラウイルス病原体とするウイルス感染症ウイルス性出血熱のひとつで、感染力致死率ともに非常に高い。2018年現在日本国内では輸入例を含め発症例報告されていない万が一日本国内感染者発見され場合特定感染症指定医療機関または第一種感染症指定医療機関への入院措置とられる2014年から2015年にかけて、エボラ出血熱流行地域から帰国した日本人流行地域から来日した外国人エボラ出血熱疑われ精密検査を受けるケース相次いだが、全員陰性だったエボラウイルスと同じフィロウイルス科マールブルグウイルス引き起こすマールブルグ病にも警戒が必要である。 南米出血熱 ラッサ熱引き起こすウイルス近縁ウイルスアレナウイルス科)が引き起こす感染症ウイルス性出血熱のひとつで、南アメリカ流行している。齧歯類主な感染源だが、ヒトからヒトへの伝染あり得るクリミア・コンゴ出血熱 ウイルス出血熱のひとつで、中国西部南アジア中央アジア中東東ヨーロッパアフリカの広い範囲分布している。ウシ科大型哺乳類ウシヤギヒツジなど)やダニなどが媒介するが、ヒトからヒトへの伝染みられる不顕性感染が多いが、発症した場合致死率が高い。エボラなどの他の出血熱比べても特に出血傾向顕著である。 2005年頃より、クリミア・コンゴ出血熱引き起こすウイルス近縁SFTSウイルス引き起こす重症熱性血小板減少症候群(SFTS)が日本でも散発的に流行しており、多数死者出ている。SFTSウイルスクリミア・コンゴ出血熱ウイルス同様にマダニ媒介しヒトからヒトへの伝染あり得る天然痘 感染力致死率ともに非常に高く治癒して瘢痕を残すことから、かつては世界中で恐れられていたウイルス感染症日本でも江戸時代まではたびたび大流行し多数死者出したワクチン接種種痘)が普及したため、20世紀以降大きな流行はみられず、1956年以降日本では発生がみられず、1980年以降日本はおろか世界で発生報告されていない。そのため、自然では唯一根絶され感染症である。しかし、天然痘ウイルス自体米国ロシア研究所保管されており、万が一流出して生物兵器として悪用され場合甚大な被害が出る危険性想定されている。また、北朝鮮ウイルス保有しているのではないかという可能性指摘されている。 ペスト かつて中世ヨーロッパ大流行し大多数死者出し、「黒死病」と呼ばれ世界中で恐れられ細菌感染症。病原体ペスト菌で、感染した場合致死率が非常に高いため、炭疽菌天然痘ウイルスなどと同様に生物兵器としての悪用懸念されている。日本では明治時代大正時代流行し多数死者出した1927年以降日本国内での発症例報告はない。 炭疽 炭疽菌によって引き起こされる細菌感染症。炭疽菌ヒトからヒト伝染することはないが、感染した場合致死率が非常に高く(特に肺に感染した場合90%に達する)、また、芽胞形成するという特性から生物兵器としての悪用懸念されている。 日本を含む先進国での発生は非常に稀で、一例でも発生した場合バイオテロ可能性がある。2001年には米国炭疽菌によるテロ事件発生し、5人が死亡している。また、日本でも未遂終わったものの、オウム真理教炭疽菌によるテロ計画したことがある亀戸異臭事件)。 ジフテリア ジフテリア菌によって引き起こされる細菌感染症。ワクチン普及により戦後の日本では患者数激減しているが、ワクチンの接種率が低下した場合ポリオなどと同様に再び流行する危険性がある。 過去の事例として、旧ソビエト連邦地域では1990年代前半社会情勢不安定化によりワクチン不足しジフテリア大流行発生し多数死者出ている。現在の日本ではジフテリア患者診察した経験のある医師が殆どおらず、適切な診断早期に行うことが困難な状況生じつつある。 腸管出血性大腸菌O104感染症 新種腸管出血性大腸菌であるO104による感染症O157などの他の菌株比べて致死率高く重症化しやすい上に、抗菌薬に対して強い薬剤耐性を持つため警戒されている。2011年ドイツ中心としてO104による大規模感染発生し多数死者出た詳細は「2011年の欧州における腸管出血性大腸菌感染事件」を参照 なお、O157などの他の菌株による腸管出血性大腸菌感染症輸入症例は稀であり、ほとんどが国内感染である。

※この「今後、輸入が懸念される感染症」の解説は、「輸入感染症」の解説の一部です。
「今後、輸入が懸念される感染症」を含む「輸入感染症」の記事については、「輸入感染症」の概要を参照ください。

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