主要な登場宝貝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 04:01 UTC 版)
以下、特に記載のないものは龍華の作。 殷雷刀(いんらいとう) 封印されていた欠陥宝貝の1つ。刀の宝貝。人型に変化可能。変化時の姿は長い黒髪に中肉中背の男である。新米仙人(和穂)の失敗に付け込んで逃亡することを良しとせず、さらに七百二十七の内の1つだけとはいえ逃亡しない宝貝があれば和穂の処分も多少は軽くなるのではと考え、欠陥宝貝の中では唯一逃亡しなかった。このように、武器なのに「情に脆い」所を欠陥と判断されて封印されていた。 悪ぶった言動を取っているが基本的にお人好し。特に動物や病気をネタにした人情話にとことん弱く、聞かされると涙を流すほど。武器の宝貝らしく、武芸百般に通じている。また、名前の「雷」の字は伊達ではなく、周囲の雷気を探って敵の気配を読むことも可能。ただし、武器の宝貝の中では最強ではなく彼より強い宝貝は大勢いる。 現在は、和穂の護衛として人間界に渡っている(神農の目を盗んで持ち出した3つ目の宝貝)。普段は和穂を子供扱いしてからかっているが、その実とても大切に守っている。何故かやたら食い意地が張っており、「包丁の宝貝」と揶揄されて落ち込む場面も見られる(本来宝貝に食事の必要はない)。 四海獄(しかいごく) ひょうたんの宝貝。内部には莫大な空間が広がっており、あらゆる物を収められる。人間に変化は出来ないが意志は持っている。大雑把な性格の龍華の作でありながら、非常に礼儀正しい性格をしている。 索具輪(さくぐりん) 耳飾りの宝貝。意志は持たない。和穂が地上に降りる際に持ち込むことを許された、神農作の2つの宝貝の1つ。所有者は精神を集中することで、人間界に存在する宝貝の全ての位置を知ることが出来る。ある時から原因不明の不調に悩まされており、求める宝貝の正確な位置を把握できないこともしばしばである(宝貝の存在自体は判ってもその範囲を絞り込めない)。 索具輪が渡されたとき、「使い方によっては危険」と言われた宝貝だが、何が危険なのか不明である。 断縁獄(だんえんごく) 宝貝を保管するひょうたんの宝貝。四海獄とは異なり意志は持たない。和穂が地上に降りる際に持ち込むことを許された、神農作の2つの宝貝の1つ。内部には莫大な空間が広がっており、ここに七百二十七の宝貝を収めたとき、和穂は仙界に帰れる。また、水や食料を収めることも可能。また、内部の宝貝は強制的な安定状態に置かれるため、回収した宝貝同士が争っても、傷つけ合う事態は防げる(機能としては四海獄と同様)。とある出来事によって内部が病原菌に汚染されたため、人間が入ることは出来なくなった。指定した物以外は吐き出さないため、水や食料などは現在も収めることが可能。 捜魂環(そうこんかん) 封印されていた欠陥宝貝の1つ。指輪の宝貝。人型は取れないが、意志を持っている。特定の人物を探し出すための宝貝である。人の魂の音色を聞き分けることで目的の人物を探索する。欠陥は、一度見知った者でなければ居場所を探れないこと(本来は見知らぬ者も捜索可能であるはずだった)。ただし、一度見知った者であれば宝貝の居場所も察知可能である。これは、制作者の龍華も予期しなかった機能である。宝貝が制作者の意図さえも超える神秘であることを示す一例である。 夜主に拾われ、その機能を持って彼女と共に宝貝探索を続けている。合理的で冷静な判断力の持ち主であることから、無鉄砲で豪放な夜主を諫めたりすることが多いが、その硬さを武器代わりに敵に殴りつけられたりと扱いはあまり良くない。 恵潤刀(けいじゅんとう) 封印されていた欠陥宝貝の1つ。刀の宝貝。人型に変化可能。その姿は、殷雷と同じ年頃の女性である。殷雷とはほぼ同時期に作られた、いわば兄弟のような刀。殷雷の性格も熟知している。気配を沈め、相手に何も感じられない霧のような感覚を与えることが可能。 とある事件により、複数の宝貝と融合するという事態を起こしてしまう。唯一意志を持った宝貝としてそれらをまとめることに成功するものの、自身も刀の宝貝としての本質を失い、本来の姿に戻ることが出来なくなった。現在は断縁獄の中にて綜現台と塁摩杵を鍛えている。 静嵐刀(せいらんとう) 封印されていた欠陥宝貝の1つ。刀の宝貝。人型に変化可能。殷雷刀、恵潤刀とほぼ同時期に作られた。他にもう1本、深霜刀(しんそうとう)と合わせて「四本刀」と呼ばれており、それぞれ違う製法で似たような性能の宝貝を作る研究の過程で生み出されたらしい。武器の宝貝だが、とてもそうとは思えない程ぼんやりした性格であり、殷雷には「全て」が欠陥だと言われるほど。言わなくていいことを言わせたら天下一品であり、よく殷雷に小突かれている。 流麗絡(りゅうれいらく) 封印されていた欠陥宝貝の1つ。織り機の宝貝。人間に変化でき、その姿は長い髪を持つ美しい女性である。 仙術を織り込んだ布も作れる。その能力で、仙界では龍華仙人の宝貝製作の補佐を行っていた。ただし人間界の糸では強度が足らないため、仙術の力を持つような特殊な布は織れないらしい。 非常に捻くれた性格をしており、それが欠陥と判断されたようである。人を苛立たせるために、わざと台詞に若干の間を開けるほどの念の入れようである(作中では、台詞の冒頭に三点リーダを常に付けてその間を表している)。それでも、宝貝としての業である「誰かに使われたい」という望みは持っているらしい。 男の趣味も捻くれていて、頼られるのは嫌だが、しかし頼りない方がいいという難儀な物である。 綜現台(そうげんだい) 封印されていた欠陥宝貝の1つ。人間に変化でき、その姿は幼い少年である。 実直さ、誠実さ、使用者に対する態度、思いやりなどでは四海獄に匹敵するほどの人格者だが、自分が何の種類の宝貝であったか忘れてしまっている。本来、宝貝は気絶した場合に本当の姿へと戻るが、綜現の場合は完全に己の正体を忘れてしまっているので、常に人間の姿を取っている。 宝貝の業として、自分を拾った使用者の役に立ちたいと思っているが、なかなかその思いは報われない。 塁摩杵(るいましょ) 封印されていた欠陥宝貝の1つ。 その正体は名前の通り杵だが、単なる杵ではなく、全長半里(2キロメートル)もある攻城兵器である。破壊力は欠陥宝貝全ての中でも一、二を争うほど凄まじい。殷雷とは、封印されていた時からの顔見知りだったらしく、塁摩と出会った時、殷雷はその破壊力を知っていたので引き攣った笑みを浮かべた。 人間に変化可能で、設定年齢八歳、見た目は五歳ぐらいの女の子供である。状況分析能力は高く、殷雷相手でもほぼ互角の読みを見せる。兵器の宝貝は武器の宝貝と違い、人間の姿でもその破壊力を自由に使えるようである。 宝貝なので食事の必要は無いはずだが、甘いものに弱い。 欠陥は明言されていないが、設定年齢が八歳と幼いためか、兵器としての冷静な計算と子供としての無邪気さがかみ合わず、自分で分析した事が自分で理解できない事があるという記述が作中にある。
※この「主要な登場宝貝」の解説は、「封仙娘娘追宝録」の解説の一部です。
「主要な登場宝貝」を含む「封仙娘娘追宝録」の記事については、「封仙娘娘追宝録」の概要を参照ください。
- 主要な登場宝貝のページへのリンク