丑寅勤行とは? わかりやすく解説

丑寅勤行

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/10 01:38 UTC 版)

丑寅勤行(うしとらごんぎょう)とは、日蓮正宗の貫首(大石寺の住職)が、毎朝丑寅の時刻(=午前2時~4時)に行なう朝の勤行(五座の勤行)のことをいう。現在は午前2時30分から行われている。




  1. ^ 「三世の諸仏の成道はねうしのをわり、とらのきざみの成道なり、仏法の住処・鬼門の方に三国ともにたつなり此等は相承の法門なるべし」日蓮『上野殿御返事(刀杖難事)』
  2. ^ 「丑の終り寅の始めは即ち是れ陰陽生死の中間にして三世諸仏成道の時なり。是の故に世尊は明星の出いづる時、豁然かつねんとして大悟し、吾が祖は子丑に頚を刎ねられ魂魄佐渡に到る云云。当山の行事亦た復た斯かくの若し、朝々刹那の成道、半偈の成道を唱うるなり。」日寛(大石寺26世)『当流行事抄』
  3. ^ 日蓮の生誕日は自伝的体裁を取って書かれている『法華本門宗要抄』下巻に記されており、一般にこれが典拠とされている。ただし、本書は日蓮の真撰ではなく偽撰遺文であるため(北条時宗を日蓮没後に時宗に与えられた法号である法光殿と呼称していることが偽撰の決定的証拠とされる)、事実としての信用性は疑わしい。むしろ、釈迦の寂滅の後を受けて日蓮が出現したという法門的理由によって生誕日を2月16日に定めたものと考えられている。
  4. ^ 「摩竭提国王舎城の艮・鷲の山と申す所にて八箇年の間・説き給いし法華経を」日蓮『法華経題目抄』 なお、日蓮はこのように述べているが、実際の地理上では霊鷲山(グリドラクータ山、現在のチャタ山)は王舎城(ラージャグリハ、現在のラジギール)からみて南東に存在している。
  5. ^ 「霊山へましまして艮の廊にて尋ねさせ給え、必ず待ち奉るべく候」日蓮『波木井殿御書』 勤行の場が虚空会が開かれている霊鷲山であり、霊鷲山の艮の方向に「日」蓮がいるのであれば、太陽(=日)が(地平線の下に隠れてはいるが)艮の方向にある時刻は丑寅の刻であり、勤行の場の法門的時刻は丑寅の刻となる。そして日蓮によれば、丑寅の刻は成道の時刻であるから、これは勤行における刹那成道・半偈成道を示すものである。
  6. ^ 他門流はもとより日興門流の他山にも見られない現在の大石寺派に独特の化儀であり、それに言及した上古の文献などもないため、日蓮門流上代に由来するものだとは考えられていない。
  7. ^ 日鎮(大石寺12世)『堂参御経次第』
  8. ^ 「江戸時代の初期のころまでの丑寅勤行は、天壇・本堂・御影堂・客殿・墓所において、別々にお経を読み御題目を唱えていたことが記されております。後に客殿の一カ所で奉修することになったことから、五座の勤行が行われるようになり、今日もその形式を受け継いで執り行っているのです。」日蓮正宗佛乗寺ウェブサイト (www.butujoji.jp/houwa/houwa2710ek.html 2018年3月10日閲覧)
  9. ^ 大石寺23世である日啓は「一夜番者常の如く丑の下刻なり定番の表を相定めて勤める可也」としている(日啓『留守中定』)。この記述から、夜番を定めて毎日の丑の刻に勤行をさせていたことがわかる。しかしながら、この記述にある通り、この勤行は当番制で夜番の僧によって行われるものであるため、現在の日蓮正宗・大石寺が意義付けるような、貫首一人の権能に属する勤行ではない。この意味において、これは本項で説明する「丑寅勤行」の事例ではない。


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丑寅勤行

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/26 14:13 UTC 版)

勤行 (日蓮正宗)」の記事における「丑寅勤行」の解説

総本山大石寺では、毎日午前2時30分より、法主の大導師による「丑寅勤行」が客殿欠かさず行われている。この勤行では、朝の五座の勤行をした後、本門戒壇の大御本尊への遥拝として一座唱題追加されている。

※この「丑寅勤行」の解説は、「勤行 (日蓮正宗)」の解説の一部です。
「丑寅勤行」を含む「勤行 (日蓮正宗)」の記事については、「勤行 (日蓮正宗)」の概要を参照ください。

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