三重県道512号青山高原公園線
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一般県道 | |
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三重県道512号 青山高原公園線 一般県道 青山高原公園線 |
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青山高原道路 | |
総延長 | 22.770 km[1] |
制定年 | 1968年(昭和43年)[2] |
開通年 | 1967年(昭和42年)[3] |
起点 | 津市榊原町[2]【北緯34度42分24.3秒 東経136度21分52.1秒 / 北緯34.706750度 東経136.364472度】 |
終点 | 伊賀市伊勢路[1]【 北緯34度40分10.1秒 東経136度15分56.0秒 / 北緯34.669472度 東経136.265556度】 |
接続する 主な道路 (記法) |
三重県道28号亀山白山線
三重県道755号老ヶ野古田青山線
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三重県道512号青山高原公園線(みえけんどう512ごう あおやまこうげんこうえんせん)は、三重県津市から伊賀市に至る一般県道である。通称は「青山高原道路」[4][5]。
概要
津市榊原町から、中勢と伊賀地方にまたがる青山高原の尾根伝いをほぼ南北に抜けて、伊賀市伊勢路に至る。区間の総延長は約23 kmで、主な通過地は、津市美里町長野、伊賀市奥馬野・勝地・北山である。当初は航空自衛隊笠取山分屯基地がある津市榊原町から白山町垣内までの区間を自衛隊が完成させた道路が、県道として三重県が1968年(昭和43年)に認定したもので、その後1975年(昭和50年)に、青山高原の観光道路として青山峠までの区間を三重県道路公社が開発した青山高原有料道路(愛称:青山高原パークライン)が整備されて、1984年(昭和59年)に完全無料化された。沿道に日本国内最大級の風力発電用の風車群があり、爽快な高原風景が見られるドライブルートとして知られる[4][5]。
かつてこの県道の一部は青山高原有料道路(あおやまこうげんゆうりょうどうろ)という名の有料道路であった。
路線データ
- 起点:津市榊原町(字播磨2874の2番地先[6]:三重県道28号亀山白山線交点)
- 終点:伊賀市伊勢路(字青山1356の126番地先[6]:国道165号交点)
- 総延長:22.770 km[1]
- 道路幅員:7 m[7]
歴史
青山高原では1970年(昭和45年)に室生赤目青山国定公園指定を受けた前後から観光地としての注目が集まり始めていた[3]。1961年(昭和36年)に近鉄資本で「青山高原ハイキングセンター」が開設されたのを皮切りに、民間企業による大規模なリゾート開発計画も持ち上がった[3]。しかし、この計画を立案した企業は倒産、開発を望む地域住民の声を受けて三重県が整備を行うことになった[3]。このリゾートへのアクセス道路として開通したのが、三重県道512号であった[3]。
1967年(昭和42年)に陸上自衛隊久居駐屯地の部隊に三重県が依頼して完成[3]、1968年(昭和43年)12月3日に無料の三重県道512号青山高原公園線として路線認定を受けた[2]。当時の区間は一志郡久居町榊原から一志郡白山町大字垣内であり[2]、現在より短かった。1975年(昭和50年)、久居市榊原町字奥山から名賀郡青山町伊勢路の区間を新設し[8]、同年6月1日に観光道路として整備された10.7281 kmの「青山高原有料道路」[1](愛称:青山高原パークライン[3])が開通した[注釈 1]。この際、三重県企業庁から有料道路を管轄する三重県道路公社に管理が移管された[10]。当初は25年間通行料金の徴収が行われる予定であったが[8]、交通量が思うように伸びず赤字が累積し[3]、1984年(昭和59年)3月31日をもって同公社による管理は終了[10]、翌月より無料開放された[11]。
路線状況
航空自衛隊笠取山分屯基地から終点・青山峠までの青山高原道路の区間は2車線に整備されている。笠取山分屯基地から起点がある津市榊原町までの東側の区間は、道幅が狭く険しい舗装林道の様相となる[4][5]。
別名
- 青山高原道路(津市、伊賀市)
通行料金
青山高原有料道路時代(1975年6月1日 - 1984年3月31日)の通行料金を以下に示す[8]。当時は回数券も用意していたようである[8]。現在は無料である[11]。
区分 | 普通車 | 中型車 | 大型車 | 軽自動車 | 軽車両 |
---|---|---|---|---|---|
料金 | 300円 | 450円 | 1,050円 | 200円 | 50円 |
交通規制
区間 | 距離 | 雨量 | 出典 | |
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時間 | 連続 | |||
伊賀市奥馬野(おくばの) - 伊賀市伊勢路 | 10.7 km | 40 mm/h | 200 mm | [13]。 |
交通量
平日12時間交通量[14]
地点 | 交通量 |
---|---|
津市榊原町安子 | 331台 |
地理
(久居榊原風力発電施設)
終点がある青山峠へは、伊勢自動車道の久居ICから国道165号経由で約22 km、名阪国道(国道25号バイパス)の上野東ICから国道422号・国道165号を経由して22 kmの位置にある[4][5]。国道165号と交差する青山峠側から山頂に向かって登っていく約5 kmほどは樹林帯に囲まれたワインディングロードである[12]。
津市と伊賀市の境界の沿ってほぼ南北に抜ける「青山高原道路」の区間は、室生赤目青山国定公園内にある標高700 mから800 mの青山高原の尾根伝いに延びる道路で、適度なアップダウンと緩やかなカーブが連続する。この地には、日本最大級の風力発電用風車群があり、東側には遠方の伊勢湾も眺望することができる[4][12]。
津市と伊賀市の間を複雑に入り組んでいるため、1975年(昭和50年)5月2日に両市を管轄する津南警察署(当時は久居警察署)・伊賀警察署(当時は上野警察署)・名張警察署の3警察署の間で管轄区域の境界線の協定が結ばれた[15]。
通過する自治体
交差する道路
交差する道路 | 市町村名 | 交差する場所 | |
---|---|---|---|
三重県道28号亀山白山線 | 津市 | 榊原町 | 起点 |
東海自然歩道 | 伊賀市 | 北山 | |
三重県道755号老ヶ野古田青山線 | 伊勢路 | ||
国道165号 | 伊勢路 | 終点 |
交差する鉄道
沿線
峠
- 青山峠(津市 - 伊賀市)
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e 昭和50年5月30日三重県告示第359号
- ^ a b c d 昭和43年12月3日三重県告示第816号
- ^ a b c d e f g h 中 相作(年次不明)
- ^ a b c d e 小川、栗栖、田宮 2016, p. 100.
- ^ a b c d 中村純一編 2017, p. 100.
- ^ a b 三重県県土整備部高速道・道路企画室『三重県の道路/県管理道路』(2010年5月2日閲覧。)
- ^ 四日市大学環境情報学部『第5章.三重県風力発電設備の概要』(2010年4月28日閲覧。)
- ^ a b c d 昭和50年5月30日三重県告示第358号
- ^ 昭和50年5月30日三重県告示第360号
- ^ a b 三重県道路公社『公社沿革』(2010年4月28日閲覧。)
- ^ a b 三重県(1984)、19ページ
- ^ a b c 中村淳一編 2018, p. 97.
- ^ 三重県県土整備部高速道・道路整備室『[三重県の道路/雨量規制区間]』(2010年5月2日閲覧。)
- ^ 国土交通省中部地方整備局『平成17年度道路交通センサス』(2010年5月2日閲覧。)
- ^ 三重県警察本部長『青山高原有料道路供用開始に伴う久居、上野、名張各警察署の管轄区域境界線の協定について(例規通達)』(務)第27号、項目コードA0000、昭和50年5月2日(2010年5月2日閲覧。)
参考文献
- 小川秀夫、栗栖国安、田宮徹 著「青山高原道路」、中村純一編 編『ニッポン絶景ロード100』枻出版社〈エイムック〉、2016年4月10日、100頁。ISBN 978-4-7779-3980-0。
- 『県別マップル24 三重県道路地図』昭文社、2009年3版1刷発行、ISBN 978-4-398-62474-1 、92pp.(41~43ページを参照)
- 三重県『三重県公報第10355号』昭和50年5月30日、14pp.
- 三重県『三重県公報第11262号』昭和59年3月30日、20pp.
- 中 相作『名張雑纂』名張人外境、年次不明(2010年4月28日閲覧。)
- 中村純一編 編「青山高原道路」『日本の絶景道100選』枻出版社〈エイムック〉、2017年4月10日、100頁。 ISBN 978-4-7779-4572-6。
- 中村淳一編 編『日本の絶景ロード100』枻出版社、2018年4月20日。 ISBN 978-4-7779-5088-1。
関連項目
- 三重県の県道一覧
- 無料開放された道路一覧
- 新青山トンネル - 近鉄大阪線のトンネル。この県道がトンネル上を通っている。
外部リンク
固有名詞の分類
三重県道 |
三重県道662号藤大三停車場線 三重県道401号桑名四日市線 三重県道512号青山高原公園線 三重県道612号多度東員線 三重県道769号中津浜浦五ヶ所浦線 |
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