ワットと共同事業とは? わかりやすく解説

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ワットと共同事業

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 08:21 UTC 版)

マシュー・ボールトン」の記事における「ワットと共同事業」の解説

ワット蒸気機関」も参照 ソーホー製作所水力では必要な動力まかなえず、特に夏季導水路水位が下がるためエネルギー不足は深刻だった。そこで水車用水貯水設備循環するにも、それ自身動力作り出すにも蒸気機関採用すればよいとボールトンは考えると、1766年から手紙ワット説得する2年後面談3年目1769年蒸気機関の運転効率をさらにあげるワット独自の熱交換式復水器[訳語疑問点]を発明して特許取得。ボールトンはこの発明自社工場に役立つばかりかエンジン製造事業利益得られる確信する特許取ったものの、ワットエンジン実用段階まで開発しないまま、1772年には次の発明取り掛かる。ボールトンはワット共同開発進めた工学研究者ジョン・ローバック博士貸した1,200イギリスポンド回収できなくなり、ローバックからワット特許対す3分の2権利引き取り弁済当てることに同意。ところがボールトンの共同経営者のフォザギルは事業権利ではなく現金受け取ると、エンジン開発にまったく関わろうとしなかった。ボールトンにとってもワット発明をさらに磨かない限り引き受けた権利何のうまみもない。そのころ従来型ニューコメン蒸気機関鉱山わき水くみあげ使われ石炭燃費悪く坑道長く伸びるにつれ排水能力が不足。ワット発明の噂が広がると、新し蒸気機関市販されるではないか関心集め従来型蒸気機関買い控え招いたのであるワット才能褒めちぎった効果出てロシア政府から雇い入れたいとの打診があると、ボールトンは辞退するようワット説き伏せた特許をとってから5年後1774年にようやくバーミンガム呼び寄せ翌年共同事業立ち上げている。その1775年のうちにワット特許のうち6件は取得してから14年経ち手付かずのまま期限切れになるところだったのだが、ボールトンはロビー活動通じてワット特許1800年まで延びるよう、特許期間の延長法令議会作らせるそのかたわら蒸気機関改良進めて加工の匠ジョン・ウィルキンソン貢献もあり、製品完成させた (ウィルキンソンルナー・ソサエティ会員 ジョセフ・プリーストリー義理の兄弟) 。 1776年蒸気エンジン2基を完成し共同事業としてウィルキンソンに1基、ウェスト・ミッドランズ州ブラックカントリーのティプトン鉱山に1基を納品どちらも正常に稼動してよい宣伝になった。次つぎに注文を受けるとボールトンとワットあちこち蒸気エンジン据え付け、ただしエンジン完成品はほとんど製造せず注文主に数箇所製作所から必要な部品購入させるソーホー技術者立会いの下、設置場所エンジン組み上げた。利益蒸気機関貸し出す形で契約を結び燃費向上歩合で取る方式考え出した従来エンジン燃費比較節約できた経費3分の1向こう25年受け取るとしたのである。しかし鉱山主は鉱山から出た商品価値の低い石炭使ってエンジン動かして燃費採炭原価抑えてしまったため、歩合設定めぐって争いになる。また鉱山主は一旦エンジン設置する自分設備と言い張って毎年契約更新料支払いをしぶり、ワット特許廃止するように議会請願する脅したのである。ボールトンたちのエンジン主な市場は鉱物資源豊かなコーンウォール郡で、取引先鉱山多かった。しかし他社との熾烈な競争加えてウェールズから輸入する石炭価格の高騰など地元鉱業特有の問題起こり、年に数ヶ月最初ワットが、のちにはボールトンが設置場所立ち会って鉱山主とのトラブル避けようとする。1779年雇用した技術者ウィリアム・マードックエンジン据え付け現場監督任せることができてからは、ワットとボールトンはバーミンガム残って開発専念できるようになった鉱山使用するエンジンポンプは大当たり1782年同社工場製粉所での使用合わせてワットエンジンロータリー方式改良する計画立てた前年1781年ウェールズ訪問でボールトンは強力な水力方式圧延機見学しており、夏に枯れると頻繁に使用できない聞く蒸気機関なら問題はないと切り替え説得している。ボールトンはワット手紙エンジン改良促しイングランドでエンジンポンプの市場拡大それ以上望めないと警告した。「コーンウォール規模市場鉱業界にはもうありません。われらのエンジン売り込み先に望みがあるとするなら、最も可能性の高い分野製粉所でありエンジン改良こそ肝要であります」。完成して注文ほとんどないではないかと心配しながらもワット1782年大半改良作業費やし年末新型エンジン完成。すると最初受注からすぐに製粉所醸造所注文いくつも相次いだジョージ3世ロンドンウィットブレッド醸造所見学した折にエンジン褒めている。ロンドンのアルビオンミルに新設しエンジン2基をデモンストレーションに使うと、ボールトンは小麦1時間150ブッシェル製粉してみせる。製粉機経費かさんで利益薄かったものの、歴史家ジェニー・アグロウによると新製品の「実に"革新的な"売り込み方法」であり、歴史家サミュエル・スマイルズ長年研究では1791年火災工場閉鎖されるまで製粉機人気は「広範囲拡散」し、ロータリーエンジン受注国内ばかりかアメリカ西インド諸島からも次つぎに舞い込んだという。 1775年から1800年の間に会社製作したエンジンはおよそ450基。他社は同じ時期コンデンサ独立式のエンジン[訳語疑問点]開発競争から手を引くと、燃費悪くとも安価ワット特許制限受けない蒸気機関#ニューコメン蒸気機関を1,000前後製造している。ボールトンはジェイムズ・ボズウェルという作者ソーホー製作所見学したときに自慢気に話したのである。「つまりですな、全世界望んでいるもの、POWER販売しているわけです」。効率的な蒸気機関の開発大規模な生産結びつきマンチェスターのような工業都市登場迎える。

※この「ワットと共同事業」の解説は、「マシュー・ボールトン」の解説の一部です。
「ワットと共同事業」を含む「マシュー・ボールトン」の記事については、「マシュー・ボールトン」の概要を参照ください。

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