パソコン移植版
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 23:00 UTC 版)
雑誌掲載を除けば国内のパソコン機種への移植はマイコンソフト(現・電波新聞社 マイコンソフト事業部)が手がけていた。 PC-6001mkII(6601)版(1987年3月) 移植を担当したのは『タイニーゼビウス』や『グロブダー』などをPC-6001シリーズへ移植した松島徹。パソコン用に移植された同作としては最初期の作品で、かつターゲットが当時のソフトウェア市場においても盛りを遥かに過ぎたスペックの機種だった。このようなハードでの移植に際しプレイ感覚の再現を最優先した実装を行い、表示されるキャラクターは自機のハリアー以外は四角形とその組み合わせで表現され、ドラゴンやトモス等、大型キャラクタ、ならびに特徴のある動きのキャラクタについては複数の四角の組み合わせとその動きによって表現されている。速度を稼ぐため、1プレーンしか書き換えておらず、色については、テレビのにじみを利用したドットパターンにより実現しているため、ディスプレイによって色味が変わり、RGBディスプレイを利用した場合、モノクロの画面となる。 これらの実装から、雑誌広告などの画面写真は非常に寂しい物になっている反面、実際のゲームの表示は滑らかな動きが実現されている。 内蔵音源であるPSG音源で効果音、並びにBGMが再生されるが、メモリ等の制約により多くがカットされている。 X68000版(1987年9月) PC-6001mkII用と同じく松島徹が移植を手がけた。 当時としては高性能だったこの機種でもオリジナル基板との能力差は大きく、上記の6001版程の割り切りは見せないものの見た目よりもゲームの速度、動きを重視した設計になっている。オリジナルと比較し、ショットの連射性が向上している他、キャラクタの影は省略され、地面の模様が市松模様からグラデーションの縞模様に変更された。オリジナルではステージクリア時に次のステージ切り替わる時の背景画像の上下移動も固定され2重スクロールも省略された。これらについて「可能であったが動作速度とプレイ感覚を優先し、あえて省略した」旨がこの作品の後にリリースされた同機種のボスコニアンのディスク内に収録されたドキュメントに『アフターバーナー』の予告と共に記載されている。 また、コンティニューは、一定の面へ到達できなければ、その前のハードルとなる場所まで戻される形になっており、単純にコンティニューを繰り返すことによって先に進むことは出来なくなっている。 最終ボスはマークIII版と同じく「HAYA-OH」が登場する。 ゲームディスク内にはキャラクタデータが整然と格納されていたためキャラクタの書き換えが容易で、プレイヤーが書き換えたキャラデータがパソコン通信などで流通し、また雑誌で紹介された。同様に、ADPCMのデータも容易に書き換えることができた。メインメモリを2MBに増設した機体向けのオンメモリ動作版もある。 エンディングは永田英哉によるオリジナルのBGMと、スタッフによる演出が用意された。 同機種のアフターバーナーのディスクの中には、上記のオリジナルエンディングテーマのADPCMを併用したものの一部や、アフターバーナーと同時期に発売された「サイバースティック(CZ-8NJ2)」などのアナログスティックに対応するプログラムが含まれている。 FM77AV版(1987年12月) 8ビット機ながら、グラフィックサブシステムにもCPUのある同機の性能を発揮した移植。PCエンジン版と同じく紅林俊彦によって開発された。 他の8ビット機移植版が見た目を割り切り処理を実現しているのに対し、敵や弾のグラフィックは通常の形状になっている他、X68000版では削除された敵の影も再現されており、グラフィックパターンの削減も最小限になっているなど、見た目に注力した設計になっている。 反面、BGMはパートが削られ音色の再現性もあまり高くなく、一部に採譜ミスも見られる他、一部の効果音やハリアーのボイスがカットされており、ボーナスステージは別の曲に差し替えられている。BGMの担当は永田英哉。 PC-8801版(1988年7月25日) 移植を行ったのは石田和久。 関わりのあった呉ソフトウェア工房を経由した打診の結果、正式に受注し、開発が開始された。 スピード感、キャラクタの大きさを重視、色表現に妥協した移植になっており、ハリアー以外の敵キャラクタと一部の地上物はグラフィックスを利用しているものの単色で厳密な重ね合わせ、クリッピングを諦めたものとなっている。また、ショットや敵弾は長方形のみで、地上物、背景なども大幅に簡略化されている。 これらの条件から、PC-6001mkII/6601版同様、画面写真のみでは美しいとはいい難い表示となったが、反面大きなキャラクタの描画の一部にこそ処理落ちがあるものの、ゲームの動きについては多くの場面で滑らかな動きを見せる。 サウンドについては、オリジナル基板と同じYM2203を使っているため、オリジナルの出力を監視するボードによって、データを吸出したことから、FM音源部についてはほぼ同じ音色を実現している。しかし、オリジナル基板でPCMを利用しているドラムス、ベース、効果音については、一部省略、もしくはノイズポートやFM音源部に割り当てするなど代替手段で再生される為、再現性が低い。 X1版(1988年7月25日) PC-88版同様ほとんどの敵キャラクタは単色表示のグラフィックスで描画される。元々VRAMへのアクセスが然程高速でない本機では一部オブジェクト、背景などを、PCGに定義されたタイリングパターンとテキスト画面で処理し、グラフィックプレーンへの処理を軽減している。解像度を犠牲に、色表現の再現を試みているため、静止画では88よりカラフルである。 ハリアーの位置による地平線の上下移動も実装されている。 BGMはFM音源ボードにのみ対応し、PSGのみの環境では鳴らない。 ディスクを逆のドライブに装着しても起動する。 MZ-700版 他のパソコン用の移植と異なり、『Oh!X』1988年10月号に掲載された古籏一浩が移植したプログラムである。 雑誌へダンプリストの形で掲載され、市販される形はとられていないが、セガから正式に掲載許諾を受けており、後に1989年3月号では、X1で動作するように機種依存の部分を書き換えるパッチも公開された。 テキストVRAM上にチェッカのコードを並べ文字色背景色の指定によりモザイクのような画面で実現している。解像度こそ低いものの、カラーで表現され、速度もウェイトが入れられている程である。 ゲームオプションとしてBGM、キャラクターの陰、地形の模様の有無も選択が可能になっている。 解像度の低さから全体のデータ量が少なく、ゲームの全内容がオンメモリで実現されている。
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