サブサハラ
英語:sub-Sahara、Sub-Saharan Africa
アフリカのサハラ砂漠よりも南に位置する地域の総称。
サブサハラの国々は48ヵ国ある。地中海に接しているエジプト、リビア、チュニジア、アルジェリア、モロッコの5ヵ国を除く、アフリカのすべての国がサブサハラに含まれる。セーシェルのようにアフリカ大陸上に位置しない島もサブサハラに含まれる。
サブサハラの面積は全世界の約18パーセントを占め、そこに約8億の人々が暮らしている。住民は大半がネグロイドである。北アフリカにはイスラム教国が多いが、サブサハラの多くではキリスト教が信仰されている。
サブサハラの国々の半数以上は、世界の国々の中でも特に開発が立ち遅れている「後発開発途上国」である。GDPはサブサハラ全体でも世界全体の2パーセント程度である。しかしながら、2000年代から2012年現在に至るまで年5パーセント前後の成長率で経済成長を続けており、今後も順調に成長していくと見られている。
関連サイト:
サブサハラ・アフリカ地域の展望 - 世界銀行
サブサハラ‐アフリカ【Sub-Saharan Africa】
サブサハラアフリカ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/25 09:59 UTC 版)
サブサハラアフリカ[疑問点 ](英: Sub-Saharan Africa)とは、アフリカ州(アフリカ大陸とその周辺島嶼)のうちサハラ以南の呼称である。アフリカのうち北アフリカを除く範囲である。(ただし、国際連合の定義では、スーダンは北アフリカとされる。)サブサハラ、サハラ以南のアフリカとも表現される。
サブとはあくまで、地図上の下(正角図法における南)を意味し、サブサハラと北アフリカに主従関係があるわけではない。(日本語では、「サハラ以南」と意訳される。)
地理
北縁をサハラ砂漠で限られ、東西南の3方で大西洋とインド洋に面す。
気候・植生
気候・植生は、赤道直下に熱帯雨林が位置し、南北に向かって乾燥化する。おおよそ北から、次のような地帯が分布する。
- サハラ砂漠の南半
- サヘル (Sahel) - サハラ砂漠の南に接する帯状の半砂漠。
- サバンナ - サヘルの南にはサバンナが広がる。Guinean forest-savanna mosaic、Northern Congolian forest-savanna mosaic、East Sudanian savanna など。
- アフリカの角 (Horn of Africa) - 北東部の半砂漠。
- 熱帯雨林 - 赤道直下(東アフリカ除く)に広がる。
- セレンゲティ (Serengeti) - 東アフリカケニア・タンザニアの草原地帯。
- ミオンボ林 (Miombo) - 東アフリカモザンビーク・マラウィの熱帯・亜熱帯林。
- カラハリ砂漠 (Kalahari)
- ブッシュベルト (Bushveld) - 南アフリカ共和国・ボツワナ・ジンバブエの草原地帯。
- カルー (Karoo) - 南アフリカ共和国南西部の半砂漠。
生物地理
動物地理区ではエチオピア区に相当する。ただしエチオピア区はアラビア半島にまで広がる。
住民
人口
人口8億5632万7157人 (2010)[2]。アフリカ全人口の83.8%である。
言語
サブサハラの言語を語族で分類すると、以下のようになる。
- アフロ・アジア語族 - コーカソイド系。北部・北東部の諸国(モーリタニア、チャド、スーダン、エチオピア、エリトリア、ジブチ、ソマリア)、コモロで公用語。
- ナイル・サハラ語族 - ネグロイド系。多くの国で公用語。
- ニジェール・コンゴ語族 - ネグロイド系。多くの国で公用語。サブサハラの最大語族。
- コイサン語族 - カポイド系。公用語とする国はないがナミビアで主要言語の1つ。
- アウストロネシア語族 - モンゴロイド系。マダガスカルで公用語。
- インド・ヨーロッパ語族 - コーカソイド系。民族言語としては南アフリカ共和国などで公用語。そのほか、ほぼ全域で旧宗主国の言語が公用語となる。
- クレオール言語
サブサハラに話者数が特に多い言語はなく(ハウサ語で2400万母語話者)、話者数が少ない小規模な言語が多数分布する。そのため多くの国では、全土で通用する単一の民族言語が存在せず、旧宗主国の言語が共通語になっており、高等教育、ビジネス、マスメディアなどで主に使われる。サブサハラの多くの国は、複数の民族言語と、宗主国の言語、場合によっては加えてスワヒリ語など民族言語系の共通語が話される、多言語社会である。このことは、北アフリカの多くの国がアラビア語のほぼ単一言語社会であるのとは対照的である。
宗教
主にキリスト教が信仰され、主にイスラム教が信仰される北アフリカと対照的である。
人種
ほぼ全域でネグロイド(黒人)が多数派であり、そのためブラックアフリカとも呼ばれる。ただし、マダガスカルにはモンゴロイド、南部アフリカのナミビアなどにはカポイド、南アフリカ共和国にはコーカソイドも住む。
国々
未電化
2020年現在の世界の未電化人口は7.52億人だが、このうちサブサハラが77.2%(約5.81億人)となっており、未電化率の改善が大きな政策課題となっている[4]。
脚注
サブサハラアフリカ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 00:58 UTC 版)
サハラ砂漠より南の地域は黒人の数が圧倒的に多い社会である。言語はスワヒリ語やズールー語などで、声調を持つことを特徴としている。2000を超すといわれる多数の部族の中で伝承されている音楽は、きわめて多様であるが、いくつかの共通する特色をもっている。(1)さまざまな宗教儀礼や祭りなどと深く結びつき、部族社会の生活との深い関係があること(2)音楽や歌の旋律が声調に対応していること。話し太鼓として知られるトーキング・ドラムは、その典型の一つ。(3)きわめて複雑で高度なリズム。同時にいくつかのリズム型を奏するポリリズム、複数のリズムが交錯するクロスリズムなど(4)即興性。踊りと太鼓、あるいは歌詩と旋律、楽器と楽器などの場合、伝統的な旋律やリズムの型をもちながら、状況や場所、演奏者の感情によって自由に組み替えられる。 楽器でアフリカにおいて最も注目されるのは、マリンバ、バランキ、ティンピラ、バラフォンなど多くの呼称をもつ旋律楽器の木琴類である。ヒョウタンの共鳴器をつける場合が多い。この木琴類と同じく広範に分布するのが指ピアノとして知られるサンザである。使用される楽器は打楽器系が圧倒的に多いが、ナイジェリアなどイスラム文化の影響下にある地域では弦楽器を多く使用する。
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サブサハラアフリカ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/20 10:19 UTC 版)
ザンベジ川・リンポポ川流域の高原で金が産出され、インド洋との貿易を行った。この地域についてはイスラーム地理学者のマスウーディーが記録を残している。アフリカ西部のニジェール川流域では、サハラの銅やセネガル川からの砂金を運ぶサハラ交易が行われていた。サハラ砂漠の岩塩が運ばれてニジェール川の金と取り引きされ、地中海へ金が運ばれた。マリの王は大規模なキャラバンでマッカ巡礼を行い、中でもマンサ・ムーサは大量の黄金をもたらしたことで知られ、金を喜捨したためにカイロの金相場が下落した。ガーナ王国のセネガル川上流から金の産出は古代から続いており、金の産出地は東へと移っていった。 インド洋のタカラガイはアフリカに運ばれて貝貨となった。早くは9世紀頃にはモルディブ諸島で産するタカラガイが西に運ばれていたと推測される。陸路では、ベルベル人やアラブ人、トゥアレグ族がニジェール川の流域に運ぶルートと、ギニア海岸に運ぶルートがあった。タカラガイはシャバやザンビアで流通して、13世紀にはニジェール川流域のマリ帝国、14世紀には西アフリカのダホメ王国や中央アフリカのコンゴ王国にも運ばれて貨幣となった。ベニンやアルドラには16世紀からポルトガルが進出していたため、貝貨の単位にもトクエ、ガリンハ、カベスなどポルトガル語が付けられた。ギニア海岸では、ポルトガルによって王室の紋章を捺印した布も貨幣となった。
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