イベリアとは? わかりやすく解説

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アルベニス:イベリア

英語表記/番号出版情報
アルベニス:イベリアIberia作曲年: 1905-08年  出版年: 1906-08年  初版出版地/出版社: Édition mutuelle, Unión misical española 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 第1巻 第1曲 エヴォカシオン Evocacion6分00 No Image
2 第1巻 第2曲 港(エル・プエルト) El puerto4分00 No Image
3 第1巻 第3曲 セビリヤ聖体祭 El Corpus en Sevilla8分00 No Image
4 第2巻 第4曲 ロンデーニャ Rondena5分00 No Image
5 第2巻 第5曲 アルメリア Almeria8分30秒 No Image
6 第2巻 第6曲 トゥリアーナ Triana7分00 No Image
7 第3巻 第7曲 エル・アルバイシン El albaicin6分30秒 No Image
8 第3巻 第8曲 エル・ポーロ El polo7分00 No Image
9 第3巻 第9曲 ラヴァピエス Lavapies7分00 No Image
10 第4巻 第10曲 マラガ Malaga6分00 No Image
11 第4巻 第11曲 ヘレス Jerez1000 No Image
12 第4巻 第12曲 エリターニャ Eritana6分30秒 No Image

作品解説

2007年9月 執筆者: 和田 真由子

アルベニス30歳半ばからパリ定住しダンディショーソンフォーレデュカスなど、フランス大家との交流深めながら、作曲技法洗練させていった。そして、45歳(1905~09年にかけて作曲)で作曲開始したこの組曲《イベリア》において、アルベニス作曲家としての到達点をむかえたといえる洗練された技法に、スペイン情緒あふれる感性が加わることによって、独創性あふれる最高傑作となっており、ドビュッシーや、メシアングラナドスファリャなどもこれを絶賛した
4巻12からなり12新し印象12 nouvelles "impressions")」という副題つけられている。南スペインへの郷愁や、賛美の念とともにその音楽世界へ届けたいというアルベニス願いこめられている。
組曲《イベリア》は、独特のピアニズムや、複雑な記譜などから、難曲中の難曲一つとしてよく知られている。アルベニス門下ブランシュ・セルヴァは、全曲初演成功し、この曲の普及貢献した全曲演奏時間は約1時間20分。

4巻
第1巻 1.エヴォカシオン / "Evocacion":タイトルは、「記憶心象情感」などの意。舞曲形式は、ファンダンギーリョ(小ファンタンゴ)である。スペイン特有のコプラという民謡的な詩歌が、中間楽句用いられている。

第1巻 2.港(エル・プエルト) / "El puerto":サンタ・マリーア港をさしている。3つの舞踊形式ポーロ、ブレリアス、セギリヤ・ヒターノのリズム生かされているといわれている。踊り手靴音明朗な歌声など活気あふれる港の様子が、リズミカルに描かれている。

第1巻 3.セビリヤ聖体祭 / "El Corpus en Sevilla":大太鼓伴奏とともに聖体祭行列荘重に通り過ぎていく。有名なスペイン民謡《ラ・タララ》の旋律用いられている。また、民衆によって即興的に歌われる宗教歌、サエータも聴かれる。

第2巻 4.ロンデーニャ / "Rondena":ロンデーニャは、ファンタンゴ変種とされる舞曲。8分の6拍子と、4分の3拍子交互に歌われ、独特の雰囲気うみだしている。

第2巻 5.アルメリア / "Almeria":グラナダ南東位置する海港の名である。この町に特有の、タランタスという旋律をもつ舞曲リズムや、コプラ(唄)が用いられている。
「小ペダル用いて。この作品やわらかく放逸に、ただし十分にリズミカルに弾くこと」。

第2巻 6.トゥリアーナ / "Triana":タイトルセビーリャにあるジプシー居住地の名前である。パソ・ドーブレ(2拍子)と、マルチャ・トレーラ(闘牛場行進曲)のリズム用いられている。軽やかな第一主題風情富んだ第二主題をもち、色彩豊かで魅力的な作品単独弾かれることも多い。

第3巻 7.エル・アルバイシン / "El albaicin":ドビュッシーは、「この曲に匹敵しうる楽曲世の中数えうるほどしかない」と賞賛した。タイトルは、古都グラナダにある地区の名前。ギター的な弾奏印象的で、情熱帯びた旋律哀愁をさそう。

第3巻 8.エル・ポーロ / "El polo":タイトルは、アンダルシア民族舞曲アルベニスによると、「嗚咽する気持ちで」演奏する軽快リズムにのせて、旋律情熱的に歌われる

第3巻 9.ラヴァピエス / "Lavapies":タイトルは、マドリードにある下町の名。
チューロ伊達男)とマハ粋な女)の踊り描かれている。三連音符多用により、独特の律動感がうみだされている。和声的工夫もみられ、メシアンが特に賞賛した作品

第4巻 10.マラガ / "Malaga":タイトルは、アンダルシア随一リゾート都市哀愁をおびた主題と、マラガ固有の舞曲マラゲーニャの歌、この二つ主題交互に登場し発展するフリギア調による。

第4巻 11.ヘレス / "Jerez":タイトルセビーリャの南に位置する町の名前で、ブドウ名産地としても有名である。イベリアの中では唯一の調号つけられていない曲。冒頭16小節にはみられなかった臨時記号次第加えられ民族的な様相をみせる。調性魅力的な一曲基本的にホ音中心とするフリギア調でかかれている。

第4巻 12.エリターニャ / "Eritana":ドビュッシーは「あまりに豊かなイメージに、くらんだ目を思わずとじてしまうほどだ。」と賞賛した。舞曲セビリャーナリズム変化鮮やかな転調など、非常に高度な洗練みられるスペイン情緒豊かな作品


イベリア

名前 Iberia

イベリア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/12 09:04 UTC 版)

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イベリア(Iberia)・イヴェリア(Iveria)


イベリア(Ibéria)

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映像 (ドビュッシー)」の記事における「イベリア(Ibéria)」の解説

1905年から1908年にかけて作曲された。これ自体が3曲からなる演奏時間は約20分。ドビュッシースペイン題材にするのは『リンダラハ』(1901年)、『版画』(1903年)の第2曲「グラナダ夕暮れ」に続いてであり、さらに後の『前奏曲集第1巻1910年)の「とだえたセレナードさえぎられセレナード)」、同第2巻1913年)の「ヴィーノの門」につながるものである。なお、「とだえたセレナード」には『イベリア』の「祭りの日の朝」の主題引用されている。 街の道と田舎の道(Par les rues et par les chemins) 夜の薫りLes parfums de la nuit) 祭りの日の朝(Le matin d'un jour de fête

※この「イベリア(Ibéria)」の解説は、「映像 (ドビュッシー)」の解説の一部です。
「イベリア(Ibéria)」を含む「映像 (ドビュッシー)」の記事については、「映像 (ドビュッシー)」の概要を参照ください。

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