相対主義 相対主義への批判

相対主義

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/31 02:49 UTC 版)

相対主義への批判

相対主義について絶対主義的立場から非常に頻繁に持ち出される古典的な批判は、それが自己言及のパラドックスに陥るために、立場として矛盾を含んでいる、あるいは完全ではない、というものである。古くはプラトンが『テアイテトス』にて指摘した。

批判の概要は次のようなものである。相対主義は典型的には「いかなる命題も、絶対に正しいということはない」というような主張を含んでいる。しかし「『いかなる命題も、絶対に正しいということはない』という主張自身は果たして絶対に正しいのか、それとも、絶対に正しいということはないのか」という点をめぐる矛盾が発生する。もしも相対主義が正しいとしたら、いかなる命題も絶対に正しいということはないはずなのだが、それならば、「いかなる命題も絶対に正しいことはない」という命題も絶対に正しいということはなく、したがって「絶対に正しい命題」が存在するはずで、それは相対主義の基本的な主張と矛盾するため、相対主義は間違っているというものである。

関連項目

外部リンク


  1. ^ バーナード・ウィリアムズ『生き方について哲学は何が言えるか』下川潔・森際康友訳、産業図書、1985、p.258.
  2. ^ ラートブルフ著、田中耕太郎訳『法哲学』ラートブルフ著作集第1巻、東京大学出版会、1970年、p.118-119.
  3. ^ 原秀男『価値相対主義哲学の研究』勁草書房、1968年、p.9-10.
  4. ^ 原秀男『価値相対主義哲学の研究』勁草書房、1968年、p.10.
  5. ^ アルトゥール・カウフマン著、上田健二訳『法哲学〔第2版〕』ミネルヴァ書房、2006年、p.410-411.
  6. ^ アルトゥール・カウフマン著、上田健二訳『法哲学〔第2版〕』ミネルヴァ書房、2006年、p.410.
  7. ^ アルトゥール・カウフマン著、上田健二訳『法哲学〔第2版〕』ミネルヴァ書房、2006年、p.414.
  8. ^ アルトゥール・カウフマン著、上田健二訳『法哲学〔第2版〕』ミネルヴァ書房、2006年、p.414-415.
  9. ^ アルトゥール・カウフマン著、上田健二訳『法哲学〔第2版〕』ミネルヴァ書房、2006年、p.415.
  10. ^ アルトゥール・カウフマン著、上田健二訳『法哲学〔第2版〕』ミネルヴァ書房、2006年、p.416.
  11. ^ a b カール・ポパー著、小河原誠=蔭山泰之訳『よりよき世界を求めて』未來社、1995年、p.302.
  12. ^ カール・ポパー著、小河原誠=蔭山泰之訳『よりよき世界を求めて』未來社、1995年、p.301.
  13. ^ カール・ポパー著、小河原誠=蔭山泰之訳『よりよき世界を求めて』未來社、1995年、p.316.


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