LNGとは? わかりやすく解説

LNG

別表記:エルエヌジー

「LNG」とは、液化天然ガスのことを意味する表現。

「LNG」とは・「LNG」の意味

「LNG」とは、「液化天然ガス(Liquefied Natural Gas)」のことをいい、3つの英単語の頭文字を組み合わせた略語である。液化天然ガスとは、メタンとエタンを主成分とする天然ガスを冷却した無色透明の液体をさし、石油などとともに「化石燃料」といわれるエネルギー資源の一つとなる。天然ガスはマイナス162度になると液化して、体積は600分の1に圧縮されるという性質を持つ。これはLNG1トンあたり天然ガス約1220立方メートルに該当するもので、天然ガスを液化することで一度に大量のエネルギー資源の輸送を可能にしたのがLNGの特徴の一つである。

LNGの原料である天然ガスとは、地下から噴出するガス全般のうち、炭素と窒素からなる可燃性のガスをいう。太古の生物の死骸が分解されエネルギー化された化石燃料の一種で、液体の状態を石油というのに対して、天然ガスは気体の状態のものをさす。米国、ロシア、イラン、中国、カタールなどが世界の主要産出国である。この天然ガスを原料としたLNGは、輸送の利便性に加えて、環境に対する負荷をかけにくいというメリットを持つ。天然ガスは、石炭などと比較した場合、温室効果ガスの一つである二酸化炭素の発生量が約6割程度に抑えられ、酸性雨や大気汚染の一因とされる窒素酸化物も約2割から4割程度抑えられることが知られている。さらに不純物をほとんど含有しないクリーンエネルギーとして硫黄酸化物やばいじんを発生させないという点も特徴の一つに数えられている。また、天然ガスは空気より軽く上方に拡散するので、万が一外部に漏れても地表に滞留して引火する危険性が少ない。

LNGに関しては日本はその多くを輸入に頼っており、最大の輸入先はオーストラリアである。マレーシア、カタール、米国がそのあとに続く。LNGは専用のタンカーやローリーなどで生産国から輸送され、専用のLNGタンクで貯蔵される。何に使うかという点に関していえば、輸入されるLNGの約3割から4割は都市ガスの原料として使用され、それ以外は発電用エネルギーの燃料として利用される。都市ガスとは、その名の通り都市部で使用されるガスで地下に埋設されたガス導管を通じて供給される。一般的な家庭で使用されるガスは都市ガスかLPガスかのいずれかである。都市ガスがガス導管からの供給であるのに対して、LPガスはガスボンベで家庭に届けられるという違いがある。

都市ガスにはLNGが用いられるが、プロパンガスにはLPGが使用される。lpgとは「液化石油ガス(Liquefied Petroleum Gas)」のことをいい、3つの英単語の頭文字を組み合わせた略語である。プロパンガスとブタンガスを原料に作られるガスを冷却して液化したものをいう。LNGがマイナス162度で液化するのに比べて、LPGは高温での液化が可能で、プロパンガスがマイナス42度、ブタンガスがマイナス0.5度で液体に変ずる。家庭用ガスのほかにも、工業用ガスや自動車の燃料などとして使用されているものである。都市ガスは地下にガス導管を這わせるためガスボンベの置き場所が必要ないという点は特徴ではあるが、災害時などは持ち運びが可能なガスボンベがかえって役に立つという点はプロパンガスのメリットである。

LNGとLPGの違いとしてはこのほかにも、LNGが空気より軽く、LPGは空気より重いという点がある。LNGは上方に拡散し、LPGは地表に滞留する。熱量にも違いがあり、LNGはLPGの火力の約半分となる。その一方、LNG、LPGともに、日本にとっては輸入エネルギーであり、液化して輸送するという点では共通している。そのため供給側のプラントの故障や火災といったトラブルによって安定供給が脅かされ、スポット価格の高騰を招くなどのリスクもはらんでいる。

エル‐エヌ‐ジー【LNG】

読み方:えるえぬじー

《liquefied natural gas》液化天然ガス。


液化天然ガス

読み方: えきかてんねんがす
【英】: liquefied natural gas
略語: LNG

メタンを主成分とする天然ガスを、水分、硫黄化合物、二酸化炭素などの不純物を除去した後、超低温に冷却、液化したもの。LNG と略称する。
天然ガスは約-160 ℃で液化するが、液化すると気体の約 600 分の 1 の体積となり、輸送・貯蔵に便利となる。したがって、天然ガスのピークシェービングの手段として LNG 化して一時貯蔵したり、パイプラインによる天然ガス輸送が不可能な渡洋輸送の場合、LNG 化される。
生産地で生産された天然ガスがベース・ロード用 LNG となって消費地に輸送されて消費されるプロセスは図のとおりである。すなわち、油田またはガス田で生産された天然ガスから、液化基地における脱水プロセス、酸性ガス除去プロセス、水銀除去プロセスで、水分、酸性ガス、水銀などが除去され、重質分が抽出される。精製された天然ガスは LNG 製造プロセスで冷却液化され、LNG タンクに一時貯蔵される。そこから LNG は LNG タンカーで海上輸送され、LNG 受入基地の LNG タンクに貯蔵された後、LNG 気化装置によって天然ガスに戻され、パイプラインによって消費者に供給される。
ピーク・シェービングを目的とする LNG 貯蔵は、天然ガス供給が広域にわたって大規模に普及している米国で専ら行われている。
天然ガスを LNG として海上輸送する事業は、技術的には 1959 年に、貨物船を改造した LNG タンカーによって、ルイジアナで液化された LNG を大西洋を渡って英国まで輸送する試みに成功したことで道が開かれた。その後アルジェリアで大量に発見された天然ガスをヨーロッパに輸送して利用したいという課題を抱えていたフランス、英国と上記の試みを成功させた米国のコンチ社とが協力して、1964 年にアルジェリアに本格的な液化工場を建設し、新たに設計、建造した LNG タンカーによって、フランスと英国に LNG を輸出する事業を成功のうちに開始したのが事実上の端緒となった。
これにより、産出地近辺では使い途がなかった天然ガスがガス需要のある先進国に輸出できることが実証され、その後、アルジェリアから欧米各国への輸出が次々と実現したほか、アラスカ、ブルネイ、インドネシアからわが国へ、リビアからイタリアとスペインへの LNG 輸出が、相次いで実現し、2004 年にはエジプトが加わり、輸出国は 13 となった。
2004 年には世界中で約 1.4 億トン/年(天然ガスにして約 1,800 億 m3/年)の LNG が国際的に取り引きされた。近年インドが LNG の輸入を開始し、近く中国も輸入を開始する。また、北米、英国とあわせ大きく需要の伸びが見込まれ、2015 年では 3 億トンを超すとの予想もある。2004 年末現在、わが国は 9 カ国、17 プロジェクトから年間 6,000 万トンの LNG を輸入する最大の輸入国である。その 2/3 は電力用に、1/3 は都市ガス用に向けられており、後者の一部は産業用にも販売されている。

図 LNGの生産から消費まで
(堀 和秀、2006 年 3 月)

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