Explorer 1とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 学問 > 宇宙百科事典 > Explorer 1の意味・解説 

エクスプローラ1号

分類:人工衛星


名称:エクスプローラ1号(Explorer1)
小分類:科学衛星
開発機関・会社:アメリカ陸軍レッドストーン兵器廠(陸軍弾道ミサイル局)
運用機関会社:アメリカ陸軍
打ち上げ年月日:1958年1月31日
運用停止年月日:1958年5月23日
打ち上げ国名機関:アメリカ/アメリカ国防総省(DOD)
打ち上げロケット:ジュピターC
打ち上げ場所:ケープカナベラル空軍基地
国際標識番号:1958001A

エクスプローラ1号は、アメリカ最初に打ち上げた人工衛星です。しかし、本当は、最初の人工衛星になる予定ではなかったのです。1957年10月4日ソ連(現在のロシア)は世界最初の人工衛星スプートニク1号打ち上げました。
これにショック受けたアメリカ政府あわててしまい、とにかく早く自前衛星打ち上げるよう指令しました。当時アメリカでは宇宙ロケット研究開発は、ミサイルへの応用前提にしていたため、NASA前身NACA(アメリカ航空宇宙諮問委員会)ではなく陸軍空軍海軍といった軍部中心にして進められいました
中でももっとも具体的だったのは、バイキング・ロケットを1段目、エアロビー・ロケットを2段目に使うバンガード計画でした。しかし、スプートニク成功知らせ知った陸軍は、国防総省許可得て計画の進行止まっていた陸軍計画ゴー・サイン出しました
そして12月6日アメリカ最初の人工衛星めざしたバンガード1号は、打ち上げロケットが、発射台離れた直後爆発してしまいました。そして、アメリカの名誉復活希望は、ナチス・ドイツV2号開発アメリカ渡っていたウェルナー・フォン・ブラウン指揮するレッドストーン兵器廠チームたくされることになりました
フォン・ブラウンらは、レッドストーン・ミサイルにサージャント・ロケット改良した2段3段取りつけジュピターCミサイル(のちにジュノーI改名)を打上げロケット用い1958年1月31日アメリカ最初衛星エクスプローラ打上げ成功したのです。
すでにライカ犬乗せたスプートニク打上げ成功しているソ連比べると、直径16.5cm、計測器重量8.3kgとちっぽけなものでしたが、とにかく、アメリカの名誉はかろうじて守られることになりました
アメリカで人工衛星計画運用は、一時同じ1958年2月成立した国防総省監督する高等研究計画局(ARPA)にまかされることになりましたが、8ヵ月後の10月1日NASA設立され純粋な軍事目的をのぞく宇宙計画運用NASAがすべて担当することになりました。このARPA(現在は国防高等研究計画局:DARPA)が考案したコンピュータ通信方式ARPAネットが、実は、今、みなさん見ているインターネット原型となったのです。

1.どんな形をして、どんな性能持っているの?
エクスプローラ1号は、とにかく、衛星軌道乗せることを目的にしているため、本来、軌道に乗った切り離すべき最終ロケットや、空気抵抗少なくするため衛星本体にかぶせるカバーそのままで、送信用のアンテナ展開しただけの、先の尖った円筒形をしていました科学衛星部分直径は16.5cm、ロケットを含む全長は205cm(衛星部分約120cm)で、全体重量は約14kg、うち科学機器が8.3kgをしめていました科学研究機器としては、放射線計測器や、流れ星のもとになる塵のように小さな微小隕石探知装置温度測定器などが積まれいました

2.どんな目的使用されるの?
前の項目でもふれたように大きさの関係からじゅうぶんな測定器を積む余裕はありませんでした。しかし、その数少ない探知器の1つだった放射線計測器(ガイガー・カウンター)が、予想外発見生むことになりました衛星そのものは4ヵ月地球の大気圏に再突入し消滅しました

3.宇宙でどんなことをし、今はうなっているの?
エクスプローラ1号は、異常とも思えるほどの放射能観測しました遠地点の高度2,500km余りという細長い軌道をとったため、地球から高い高度に、電気帯びた粒子濃密集まっている、つまり高い放射能帯びた空間発見することになったのです。放射能計測器製作したジェイムズ・バン・アレン博士は、これが太陽からやってくる電気帯びた粒子(太陽風)が、地球磁場集積されたもの(放射能帯)だという仮説立て、同じ年の5月8日打ち上げられエクスプローラ3号によって科学的に証明しました。この放射能帯は、現在では、博士の名を記念してバン・アレン帯呼ばれてます。

4.このほかに、同じシリーズでどんな機種があるの?
エクスプローラの名前は、地球高層大気磁気圏などを中心とする科学観測衛星代名詞となり、地球軌道脱出した49号を含め1975年55号までつづけられました。現在、エクスプローラ・プラットホームの名前で進められている計画は、初代シリーズとは別物です。

5.どのように地球を回るの?
近地点高度347km、遠地点高度1,859kmの楕円軌道で、軌道傾きは33.2度、公転周期は107.2分です。


「Explorer 1」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Explorer 1」の関連用語

Explorer 1のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Explorer 1のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
JAXAJAXA
Copyright 2025 Japan Aerospace Exploration Agency
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS