Adobe による仕様
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「PDFの歴史」の記事における「Adobe による仕様」の解説
1993年から2006年にかけてアドビシステムズはPDF仕様に数度にわたり新機能を追加している。アドビにより2006年以降に発効された Extension Levels 定義のいくつかの分野は ISO 32000-2 (PDF 2.0) に取り込まれた。しかし、開発者はアドビの拡張機能がPDFの標準機能ではないことを注意されている。 バージョン仕様書発行年新機能Acrobat Reader のバージョン1.0 First 1993 Carousel 1.1 First, revised 1994 パスワード、暗号化(MD5, RC4 40ビット)、device-independent color、スレッドおよびリンク, binary format for smaller files 2.0 1.2 First, revised 1996 インタラクティブなページ部品(ラジオボタン, チェックボックス等)インタラクティブ、記入フォーム (AcroForm)Forms Data Format (FDF) により記入内容のインポート、エクスポートをWeb経由で行えるようになったマウスのイベント外部ムービーの再生外部または添付の音声の再生zlib/deflateによるテキストと画像の圧縮Unicode対応色管理と代替画像のサポート 3.0 1.3 Second 2000 日本語フォントの埋め込み電子署名ICCおよびDeviceN色空間JavaScript各種ファイルストリームの添付 (ファイル添付)注釈種類の追加Adobe PostScript Language Level 3 imaging modelで追加された機能のサポートイメージのマスク代替イメージスムージングページ番号付けの強化Webキャプチャ表示順以外に論理構造表現のサポートCIDフォントのサポート強化data structures for mapping strings and numbers to PDF objectsプリプレス分野のワークフローのサポート関数のパラメータ化クラスに対応した関数の追加Acrobat JavaScript Object Specification Version 4.05 4.0 1.4 Third 2001 JBIG2画像圧縮透明効果OpenTypeフォント対応RC4暗号化のキー長が40ビットから128ビットまでに拡張入力フォームのインタラクティブ性の強化 (FDF)、XMLフォーム投稿、FDFファイルの添付、エクスポート時のUnicode対応、FDFファイルの共同編集と署名の追加障碍者向けアクセシビリティ機能Extensible Metadata Platform (XMP) によるメタデータストリームタグ付きPDFinclusion of printer’s marks編集時のページ境界の表示CMaps(フォント対応表)の拡充alternate presentationsPDFファイル間のインポートデータ添付のディクショナリのサポートAcrobat JavaScript Object Specification Version 5.1 5.0 1.5 Fourth 2003 JPEG 2000画像圧縮マルチメディアの添付と再生の強化object streamscross reference streamsフォーム入力の XML Forms Data Format (XFDF) 対応(PDF 1.4のXML対応を代替)フォーム、リッチテキスト、属性をXML Forms Architecture (XFA) 2.02で記述できるようになった(静的XFAフォームのみ対応)PKCS#7公開鍵のサポート(PDF 1.3で追加されたが1.5のリファレンスに初めて記載された)、公開鍵による暗号化、アクセス許可、ユーザー権限の署名(本文を暗号化する必要がなくなった)、SHA-1、RSA鍵の4096ビットサポート独自の暗号化、復号を実装できるようになったドキュメントの一部を可視、不可視にする (CAD、layered図画、地図、多言語文書などに対応)JavaScriptで実装するスライドショー表示をサポート(Adobe Reader はScalable Vector Graphics|SVG 1.0のみ対応Acrobat JavaScript Scripting Reference, Version 6.0Windows 98サポートの廃止 6.0 1.6 Fifth 2004 3D アートワーク( Universal 3D ファイル形式)のサポートOpenTypeフォントの埋め込みXFA 2.2 によるリッチテキストと属性のサポート (XFA 2.1 および 2.2 では以下のような分野向けに定義されている: 動的な XFA フォーム, XFA 用の W3C XML 電子署名, Web サービス, XFA 'doc-literal' HTTP 経由のSOAP対応, SOAPによるWebサービスのための WSDL 定義, 等)AES 暗号化PKCS#7 電子署名の SHA256対応,4096ビットまでの DSA 対応Nチャンネルの色空間サポートファイル添付の強化, 添付ファイルとの間の相互参照電子署名による権利管理と改竄検出 Acrobat JavaScript Scripting Reference, Version 7.0 7.0 1.7(ISO 32000-1:2008) Sixth 2006 3Dアートワークへの対応強化XFA 2.4によるリッチテキストと属性のサポート複数ファイルの添付 (portable collections)document requirements for a PDF consumer application新しい文字列形式: PDFDocEncoded 文字列、ASCII文字列、byte文字列PKCS#7電子署名のSHA384、SHA512、RIPEMD160対応JavaScript for Acrobat API Reference Version 8.0 (Adobe Acrobat Professional, Acrobat Standard, Reader にてAdobeが拡張した オブジェクト、プロパティについてのドキュメント) 8 1.7 Adobe Extension Level 1 1.7 Adobe Extension Level 1 2008 XFA 2.5 (Extensions Level 1) およびXFA 2.6 (Extensions Level 2) サポート(XFA 2.6は以下のような分野向けに定義されている: XFA のセキュアな投稿、XFA Foreground (XFAF) 形式のサポート) 8.1 1.7 Adobe Extension Level 3 Adobe Supplement to the ISO 32000, BaseVersion 1.7, ExtensionLevel:3 2008 256-bit AES 暗号化PDF/A-2 向けXFA データセットの取り込みAdobe Flashアプリ (SWF)、ビデオ(H.264 形式Flashを含む)の再生、音声その他マルチメディア埋め込みの改良。Flash playerとの双方向スクリプティングの実装により、ナビゲーターSWFファイルはAdobe Flex2 モジュールから普通のSWFとして認識されるようになった。XFA 2.5および 2.6 によるリッチテキスト対応, XFA 2.7および 2.8対応(XFA 2.7および2.8は以下のような分野向けに定義されている: Webサービスの認証ポリシー設定、WSDL/SOAP経由での投稿、タイプフェースの各国ロケール対応等) 9 1.7 Adobe Extension Level 5 Adobe Supplement to ISO 32000-1, BaseVersion: 1.7 ExtensionLevel:5 2009 XFA 3.0 9.1 1.7 Adobe Extension Level 6 1.7 Adobe Extension Level 6 2009 XFA 3.1 9.1 1.7 Adobe Extension Level 8 1.7 Adobe Extension Level 8 2011 XFA 3.3 (Flash/SWF と XFA の統合),AES-256によるパスワード暗号化方式をExtension Level 3から変更。チェックのアルゴリズムに弱点が見つかったことへの対応。 仕様書は 2014年4月現在公開されていない。 X (10) Adobeは PDF 1.8 Reference の発行予定はないものとしている。将来のバージョンの PDF 仕様は ISO 技術委員会より発行される。しかしながら、AdobeはISO 32000-1(PDF 1.7) の発行後にも自社製品の新機能に対応したプロプライエタリな拡張機能についてドキュメントを発行している。これはISO 32000-1 の Annex E に定められた拡張性の仕様に基づいたものである。 PDF 仕様は過去バージョンを包含する。PDF 1.7 仕様は 1.0 から 1.6 までの過去のバージョンで実装された機能をすべて記載している。アドビは ISO 32000-1 策定に際していくつかの機能を削除したが、これらは deprecated(廃止) としてマークされている。.
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