24の前奏曲作品28とは? わかりやすく解説

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24の前奏曲作品28

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 00:39 UTC 版)

前奏曲 (ショパン)」の記事における「24の前奏曲作品28」の解説

第4番ホ短調 第15番変ニ長調雨だれ前奏曲Giorgi Latso 第16番変ロ短調 Giorgi Latso 第20番ハ短調 MIDI recording by Michael Angelkovich 第23番ヘ長調 Giorgi Latso これらの音声映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声動画の再生ご覧ください。 24の前奏曲作品28は、1839年1月マジョルカ島完成した完成時期ユリアン・フォンタナの手紙によって確認できるが、着手時期については明らかでなく1831年から1838年まで諸説ある。出版1839年9月になされ、フランス版はカミーユ・プレイエルに、ドイツ版はヨゼフ・クリストフ・ケスラーに献呈された。24曲がすべて異な調性書かれているが、これはJ.S.バッハ平均律クラヴィーア曲集敬意表したものといわれる。だが、曲の配列異なっており、ハ長調 - イ短調 - ト長調 - ホ短調 …と平行短調を間に挟みながら5度ずつ上がっていくという順序になっているラフマニノフスクリャービンショスタコーヴィチも後に同様な前奏曲集創作している。 アンコールピースとして個別演奏されることもあるが、現在ではむしろ24全体一つ作品考え考え方主流であり、全曲通して演奏されることが多い。また曲の構成ほとばしる感情むき出しにするものもあれば、優雅さ穏やかな心を感じさせるのもあり、全曲通して聞いていても聴衆単調さ感じさせない演奏時間全曲4045分程度1912年ジャン・フランセ管弦楽用に編曲している(カール・アントン・リッケンバッハー指揮ベルリン放送交響楽団による録音がある)。 第1番 ハ長調 アジタート、8分の2拍子左手アルペジオ三連符乗って右手待ちこがれるような旋律歌われるピアニズム追求する作曲者にはハ長調の曲は少ない。J.S.バッハ平均律クラヴィーア曲集同調前奏曲にも比べられる優美なアルペジオ曲。 第2番 イ短調 レント、2分の2拍子刺繍音多用した調性的に曖昧な和音移ろいながら緩やかにイ短調収束していく、非常に謎めいた和声小品第3番 ト長調 ヴィヴァーチェ、2分の2拍子小川ささやき評される明朗な曲風であるが、左手エチュードともいえる。 第4番 ホ短調 ラルゴ、2分の2拍子単調な右手旋律左手半音階和声支えている。作曲者葬儀のときに演奏されたといわれている(第6番と共にルイ・ジェームズ・アルフレッド・ルフェビュール=ヴェリーオルガン演奏した)。 第5番 ニ長調 アレグロ・モルト、8分の3拍子両手半音階動機織り交ぜたアルペジオ繰り返されるレガート奏法ながら左手跳躍激しく、また4の指が効果的に使われる。「歌にあふれた木々」と評されている。 第6番 ロ短調 レント・アッサイ、4分の3拍子右手和音伴奏乗って低音部に陰々とした主題歌われる。この右手伴奏形からジョルジュ・サンドはこの曲を「雨だれ」としている。 第7番 イ長調 アンダンティーノ4分の3拍子歌謡風の主題印象的単独でもよく知られ小品日本では長年にわたり太田胃散CM使用されていた。アルフレッド・コルトーには「洗練されたマズルカ」と評されている。後に、フェデリコ・モンポウがこの主題基づいてショパンの主題による変奏曲」を作曲している。 第8番 嬰ヘ短調 モルト・アジタート、4分の4拍子フランツ・リストによりこれもまた雨だれ様子描写した評されている。右手付点リズムの中のアルペジオ左手声部の広い音域抑える3連符技巧要する第9番 ホ長調 ラルゴ、4分の4拍子付点リズム多用した重々しい曲。しばしばこの付点リズム奏法について議論されるショパン付点リズム三連符合わせることを意図した書き方をしており(実際バロック時代このように演奏された)、それをどう解釈するかは演奏者によって異なる。 第10番 嬰ハ短調 アレグロ・モルト、4分の3拍子高音から下降する動機とマズルカリズムのものとが対になって繰り返される右手フレーズは、ショパン指示した運指では4の指を使う等、独特である。 第11番 ロ長調 ヴィヴァーチェ、8分の6拍子曲想典雅発想記号 (Vivace) の解し方が問われている。 第12番 嬰ト短調 プレスト4分の3拍子半音階的上昇旋律手短にとめられている。 第13番 嬰ヘ長調 レント、4分の6拍子舟歌夜想曲思わせる穏やかな曲想第14番 変ホ短調 アレグロ、2分の2拍子両手ユニゾン無調的な半音階進行三連符連続する変ロ短調ソナタ終楽章類似している。 第15番 変ニ長調 ソステヌート、4分の4拍子有名な雨だれ前奏曲」である。24曲中最も演奏時間長い(5分程度)。「雨だれ」の描写は他調の曲でも行っているが、繋留音異名同音これほどまでに清明変ニ長調)と暗黒嬰ハ短調)の対比をさせる結果になっているのは本作だけである。比較平易に演奏できるが、作曲技術の妙を感じさせ、ショパン前奏曲代名詞のようになっている。なお、日本のテレビドラマ大都会 闘いの日々』の第27話雨だれ」(1976年7月6日放映)にも使用された。 第16番 変ロ短調 プレスト・コン・フオーコ、2分の2拍子音階主動機にした右手声部ショパン特徴的なリズム左手低音部からなっている。途中ユニゾンがあり激烈そのもの曲想盛り上げる高速演奏され効果があがるだけに全24中でも最高の難曲第17番 変イ長調 アレグレット、8分の6拍子温和な曲想繋留音多用している。 メンデルスゾーン無言歌思わせるが、当のメンデルスゾーンは「私はこの曲が好きだ。私には到底書けそうもない性質の曲だ」と述べたといわれる第18番 ヘ短調 モルト・アレグロ、2分の2拍子両手弾かれるユニゾン斉唱)はイタリア歌劇影響されたといわれている。レチタティーヴォ思わせる第19番 変ホ長調 ヴィヴァーチェ4分の3拍子幅広い音域旋律浮かび上がらせる練習コルトーには羽ばたき評されている。 第20番 ハ短調 ラルゴ、4分の4拍子コルトーに「葬送」と評されている。単純なコラール中にショパンらしい半音階的和声進行があって、興味惹く作品である。後に、これに基づいてフェルッチョ・ブゾーニが「ショパン前奏曲20番による変奏曲とフーガ」を、セルゲイ・ラフマニノフが「ショパンの主題による変奏曲」を作曲している。アメリカポピュラー歌手バリー・マニロウはこの曲に基づいて恋はマジックと言う曲を作っている。 第21番 変ロ長調 カンタービレ4分の3拍子清明歌謡風の曲想伴奏形が広がり想像させる第22番 ト短調 モルト・アジタート、8分の6拍子左手オクターブが暗い情熱表している。 第23番 ヘ長調 モデラート、4分の4拍子軽快旋律転調させて繰り返す。なお終止アルペッジョ中にヘ長調和音含まれない変ホの音が入っており、のちの付加音の発想連想させる第24番 ニ短調 アレグロ・アパッシオナート、8分の6拍子左手幅広い音域による低音部、右手強烈な半音階演奏至難前奏曲集締めくくる重厚かつ、激烈な作品である。曲は、現代ピアノ通常音域で最低のD音を、三度最強音で、鐘の如く鳴らして終わるが、これは同時に前奏曲集全体締めくくりにも当たる。

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