2代目「TANTO」L375S/L385S型(2007年 - 2013年)
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「ダイハツ・タント」の記事における「2代目「TANTO」L375S/L385S型(2007年 - 2013年)」の解説
2007年秋の東京モーターショーでの参考出品を経て、2007年12月17日に2代目が発表・発売された。月間販売目標は8000台と発表されている。ロゴは「Tanto」から全て大文字の「TANTO」に変更の機に右側の90度近く開くドアからスライドドアが変更され、ピラーも廃止。キャッチフレーズは、標準系が「祝子育て満開」、カスタム系は「アニキのタント。」で、CMキャラクターは標準系がユースケ・サンタマリアと小池栄子、カスタムが伊藤英明、長澤まさみ、カスタムのCMソングにはEXILEの「変わらないモノ」が起用された。 基本的に外観デザインはキープコンセプトであるものの、タントは従来型のファニーな雰囲気をさらに昇華させたようなルックスで、より女性向けな印象を強めた。一方、タントカスタムはムーヴカスタムが洗練されたデザインとなっているため、本来のカスタムのコンセプトである攻撃的なデザインを踏襲している。 従来型同様、90度近く開く各ドアに加え、助手席側に軽自動車初となるセンターピラーレスとスライドドアを組み合わせた「ミラクルオープンドア」が採用された(「X Limited」・「X Limited スペシャル」・「カスタムX Limited」・「カスタムRS」はパワースライドドアを装備、ちなみに運転席側は通常のヒンジドアとなる)。加えて、4代目ムーヴのプラットフォームを流用し、ホイールベースのさらなる延長(2,440mm → 2,490mm)やフラットフロア化(FF)を行ったことで、初代以上の広い室内空間と利便性が生まれた。 エンジンは、43kW(58馬力)を発揮する自然吸気仕様のKF-VE型エンジン(直列3気筒DOHC、DVVT付き)のほか、47kW(64馬力)を発揮するKF-DET型ターボエンジンを搭載。後者は初代ではタントおよびタントカスタム共に設定されていたが、2代目では「カスタムRS」のみの設定となる。 トランスミッションは先代同様、ガングリップ式のインパネシフトが基本で、「X Limited」・「X Limited スペシャル」・「カスタムX Limited」・「カスタムRS」はCVTとなる。同時に、自然吸気の4WD車のATは従来の3速から4速に変更され、静粛性と燃費の向上が図られた。全車先代に引き続きセンターメーターを採用。 インテリアでは「X Limited スペシャル」に軽自動車初のフローリングフロアを採用し、高級感と(清掃面など)使い勝手の両立をも実現した。 グレード体系はタントはターボ車「RS」を廃止し、「X Limited」の上級仕様である「X Limited」スペシャルを追加。カスタムにも「X Limited」を追加した(「X Limited」及び「X Limited スペシャル」は2WDのみの設定)。 2008年5月21日 - 車いす仕様車「タント スローパー」をフルモデルチェンジ。ラインナップは「リアシート付仕様」と「リアシートレス仕様」の2グレードに整理された。9月1日 - 福祉車両「フレンドシップシリーズ」の新ラインナップとして「タント ウェルカムシート」を発売。前述の東京モーターショーに参考出品された仕様を市販化したもので、軽自動車の助手席昇降シート車では初めて、2モードの昇降機能を搭載。ミラクルオープンドアを開放した状態で助手席を後方にスライドさせて足元スペースを広げた状態で回転・昇降するモードと助手席ドアのみを開放した状態で回転・昇降するモードがあり、シーンに応じて使い分けることができる。また、操作時の利便性を高める大型ワイヤレスリモコンを標準装備している。助手席シートはからだをしっかりサポートするために大きめにし、大型フットレストも備えた専用仕様となっており、こちらも軽自動車の助手席昇降シート車では初となるベルトインシートを採用。これにより車外でのシートベルト脱着が可能となり介護する側の負担も軽減される。また、助手席シートバックには後席の乗り降りに便利な大型アシストグリップを装備している。 12月17日 - 特別仕様車「ワンダフルセレクション」・「カスタムVセレクション」・「カスタムVセレクションターボ」の3車種を発売。「ワンダフルセレクション」は「L」をベースにブラウンの専用シート色を採用するとともに、イージークローザー付パワースライドドア、撥水ドアガラス(フロント)、IR&UVカットガラス(フロントウインドゥ)、チルトステアリング、運転席シートリフター、アジャスタブルショルダーベルトアンカー、イモビライザー機能付キーフリーシステム、電動格納式カラードドアミラーを装備した充実仕様。「カスタムVセレクション」・「カスタムVセレクションターボ」は「カスタムL」・「カスタムRS」をベースに、専用アルミホイール、トップシェイドガラス、専用革巻ステアリングホイール(プレミアムシャインブラックベゼル付、「RS」に装備のMOMO製から内製へ変更)、専用フルファブリックシート等を装備しており、オーディオレス仕様としたことで購入しやすい価格設定にした。併せて、カタロググレードもクリーンエアフィルターを標準装備するなどの一部改良を行った。 2009年9月1日 - 特別仕様車「X Limited セレクション」・「X 4WDセレクション」を発売。前者はCVTを搭載した上級グレード「X Limited」をベースにブラウンの専用シート色、ドアミラーターンランプ、シルバードアアウターハンドル、IR&UVカットガラスを装備しながら、エアコンをプッシュ式オートタイプからダイヤル式マニュアルタイプに変更し価格を抑えた。後者は「X」の4WD車をベースに、前者の特別装備(マニュアルエアコンへの変更を除く)に加え、パワースライドドアとアジャスタブルパックを装備した充実仕様である。12月25日 - 一部改良。エンジン制御の改良を行い、新たな排出ガス測定モードであるJC08コールドモードに対応。タントはシート色をブラウンに変更した。グレード体系の大幅な変更を行い、タントは「X」をCVTに変更すると共に、CVTを搭載しながらもお買い得価格に設定した「X Special」や4WD車の「X 4WD Special」を追加、「X 4WD Selection」をカタロググレード化(カスタム含め、他の特別仕様車は廃止)して6グレード体制に。カスタムは「L」を廃止して3グレード体制となり、全車にトップシェードフロントガラスを装着し装備の充実を図った。 2010年10月1日 - マイナーチェンジ。カスタムのキャッチフレーズは「新しいねぇ」に、CMキャラクターには豊川悦司に変更された。CVT搭載グレードを4WD車を含めた全グレードに拡大したことで燃費を改善し、「カスタムRS」を除く4WD車が「平成17年排出ガス基準75%低減レベル(☆☆☆☆)」と「平成22年度燃費基準+15%」を同時に達成。機能面では「X」・「G」・「カスタムX」・「カスタムRS」に「ミラクルオープンドア」開口部の足元を照らすスライドドアステップランプを追加し、夜間や暗い場所での乗り降りの安心感を高めた他、13インチタイヤ装着車を廃止して、14インチタイヤに置換した。「G」・「X」には前席にもオーバーヘッドコンソールを追加。また、カスタムではフロント周りやバックドアガーニッシュのデザインを一新し迫力や高級感を高めた。ボディカラーもタント専用色の「マスカットグリーンメタリック」とカスタム専用色の「ブロンズオリーブパールメタリック(オプションカラー)」を追加した。グレード体系も変更となり、タントは2WD専用グレードの「X Limited」と4WD専用グレードの「X 4WD Special」・「X 4WD Selection」を廃止、最上級グレード「G」の新設、「X Special」に4WD車の追加を行い、4グレードに整理し、「X」のエアコンをオートからマニュアルにグレードダウン。カスタムは「X Limited」に替わり、2009年12月で一旦廃止していた「L」を廉価グレードとして復活した。 2011年6月6日 - 一部改良。NA車の全グレードのエンジンを「第2世代KFエンジン」に置換し燃費を向上。これにより、「平成22年度燃費基準+25%」を達成。このほか、「L」を除く全グレードに標準装備されているキーフリーシステムには運転席リクエストスイッチを追加し、「カスタムL」には平均燃費計、「カスタムRS」にはリヤオーバーヘッドコンソール(ルーフイルミネーション付)を追加するなど装備の充実化が図られた一方で、全グレードの4WD車からアジャスタブルパックのメーカーオプション設定が抹消された。11月29日 - タントエグゼと共に一部改良。NA車全グレード(「カスタムRS」を除く全グレード)において、ミライースで開発された「e:Sテクノロジー」のうち、新エンジンと改良型CVTを組み合わせたパワートレーンと停車前アイドリングストップ機能付新型「eco IDLE(エコアイドル)」、エコ発電制御(減速エネルギー回生機能)を採用したことで燃費を大幅に向上(JC08モードで2WD車は24.8km/L、4WD車は24.0km/L)。また、全車でルーフアンテナやLEDリアコンビランプを採用し、「カスタムX」・「カスタムRS」ですでに採用されていたマルチインフォメーションディスプレイを全車に拡大適合された。さらに、「G」はメッキフロントグリル、エアロバンパー、リアスポイラー、フォグランプなどのエアロパーツやカスタムシリーズと同型の大型3眼メーター(タコメーター付)、ブラックを基調としたインテリアを採用し、高級感やスポーティー感を高めた他、以前設定されていた「X Limited」がバックモニター付きナビゲーションを標準装備して復活した(これに伴って、「X Special」は廃止)。なお、NA車は「平成27年度燃費基準+10%」を達成している。 2012年5月21日 - ターボ車の「カスタムRS」を一部改良。NA車同様に「e:Sテクノロジー」の一部を採用したことで燃費を向上(JC08モードで2WD車は22.2km/L、4WD車は20.8km/L)。これにより、2WD車・4WD車共に「平成27年度燃費基準」を達成するとともに、「平成17年排出ガス基準75%低減レベル(☆☆☆☆)」認定も同時に取得した。5月 - タントシリーズ累計販売台数100万台達成。 9月10日 - 一部改良。NA・2WD車において、エンジン制御の最適化により燃費を向上(JC08モードで24.8km/L → 25.0km/L)したことで「平成27年度燃費基準+20%」を達成した。また、新グレードとして「G Special」・「カスタムX Special」を追加。前者は既存の「G」をベースに、フロントオーバーヘッドコンソールを非装備に、サンバイザーの仕様を照明付大型バニティミラー(運転席/助手席)&チケットホルダー(運転席)からカード&チケットホルダー(運転席)にグレードダウン、オーディオレス化したことで車両本体価格を10万円安く設定した仕様。後者は「カスタムX」をベースに、スライドドアステップランプを省き、ステアリングホイールの仕様を革巻からウレタン3本スポーク(メッキオーナメント付)にグレードダウンしたことで車両本体価格を6万円安く設定した。 2013年9月 - 生産終了。在庫対応分のみの販売となる。10月 - 3代目と交代して販売終了。 2018年12月5日 - (参考)既販車用の後付け安全装置「つくつく防止」が発売され、2代目タント(CVT車)用に設定された。「つくつく防止」はソナーセンサーやコントローラー、インジケーターなどで構成されており、装着することでペダル踏み間違いによる急発進抑制機能とパーキングセンサー機能が備わるようになる。「つくつく防止」は2代目タント用の発売を皮切りに、他の車種にも順次拡大される予定である。 前期型(2007年12月 - 2010年9月) 前期型 リア 後期型 リア タントカスタム(前期型) タントカスタム(前期型・リア) タントカスタム RS(後期型・リヤ) 室内(タント) 室内(タントカスタム)
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